炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】45日目:ミスリル光る坑道へ

ルゥ・ルナーク…もとい月のデモン・ルナとの戦いから一夜明け、ソルの復活阻止に向けて決意を新たにした僕たちは、グリモダール城の次なる下層に降りた。

「無限坑道…か」

壁を見ると至る所にほのかに光る鉱石が埋まり、洞窟だというのにむしろ明るすぎるくらいだ。

「こいつはミスリルだな。魔力を帯びた特異な金属だ」

ノアル曰く、ドワーフはこの金属の加工にもっとも長けているらしい。オヤカタにお土産で持って帰ろうかな?

「やめときな。この辺のは魔力の含有量が弱すぎる。精製しても二足三文にもならねえや」

 

 ・

 ・

 ・

 

はしごを介して、坑道内を探索する。

「一方がマグマで、もう一方が水底とは…同じ階層のはずなのに、何とも奇妙ですねぇ」

「恐らくミスリルの魔力が、断熱材みてーな役割を果たしてるんだろうな。恐らくは偶発的なもんだろうが…さすがグリモダール、人外魔境って言葉がピッタリだぜ」

それはそうと…なかなかサークルが見つからないなぁ。

「地図、ちゃんとつけてるの?」

つけてるよ…行ける道は粗方通ってるはずなんだけど。

『お父様』

と、双子が僕の袖を引っ張る。どうしたの?

『向こう側に、通路を発見しました』

本当?…見えないけど。

『相当遠くです。ヒトの視力では目視は困難かと』

そうか…どこかに通じてるところがあれば良いけど…隠し扉は無かったみたいだしなぁ。

「コメットの目が節穴なんじゃないの?」

「しっつれーね!」

マイコボヤきに、コメットが鍵から飛び出して噛み付いた。

 

「ダレカ…イルノカ…?」

と、その騒ぎを聞きつけたらしい誰かの声がした。…どこだ?

「オマエノ アシモト…」

え!?

数歩下がると、盛り土かと思っていたそれがゆっくりと起き上がった。

 

f:id:homurabe_gren:20211121162410p:plain

 

「こりゃあ…エルダーゴーレムだな。長い年月を経たゴーレムは、自由意志を持つんだ」

ノアルが説明してくれた。

「しかし…随分と弱ってんな?この辺はゴーレムのエサになるミスリルは充分にあると思うんだが」

「オレ ヨワイ みすりる クチニアワナイ…」

…ゴーレムの世界にも美食思考があるのだろうか。たしかに、この辺りのミスリルはあらかた掘り尽くされた後のようで、ノアルのいう、純度の低いものしか無さそうだ。

「オレ みすりる玉 ホシイ…」

ミスリル玉?

「高純度のミスリルを加工したやつだな。大将もいくつか持ってるはずだぜ」

ああ、穴掘りドールからもらったりしたやつか…これ?

「オオ…みすりる玉! ホ、ホシイ…!」

ぶるぶると体を震わせる。ちょっとした地響きだ。

クレタラ ホウビ… オマエラ ムコウ トバス…」

向こうって…双子が言ってた向こうの道ってこと?それは助かる!

手持ちのミスリル玉をエルダーゴーレムの手に乗せる。大きな手は口元(?)に動き、ミスリル玉を一息で飲み込んだ。

「オレ ダイブ ゲンキ モドッタ!」

約束通り向こう側へ送り飛ばしてくれるらしいので、彼にしたがい手のひらに乗る。

 

「オオキク フリカブッテ…!」

 

え、ちょ、飛ばすってそう言…うわぁぁぁぁぁっ!!?

 

あっという間に向こう側の地面が目の前に迫り…

「ひ、光の盾よ!」

咄嗟にビアンカホーリーシールドで軟着陸を果たした。

 

「オォーイ!」

向こう側でゴーレムの巨体が手を振っているのが見える。凄い距離飛んでったんだな…

「オレ でもん コワイ…コノアタリノ さーくる、ゼンブ ツブシテクレタラ、オレ モット ゲンキ!」

サークルを攻略したら、力が回復するのだろうか。終わったらまた、彼に会いに行こう。

 

 

   −つづく−

 


リプレイ書く都合上、各階層を順番にやっていくスタイルなんだけど、この階層はヴィーナスの撃破前提なんだよねぇ…先に行っておけば書くネタ増えたのにw損したなw