炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#モン勇】10日目II:第一の秘宝・ミョルニル

斃れ伏したフレイの身体が魔力の粒子となって霧散していく。と、その場に何か落ちているのを見つけた。

 

キリク「これは…こいつが秘宝ってやつか?」

 

「これは…こいつが秘宝ってやつか?」
「状況からすりゃそうだろうな」

緑色の大きめな宝玉の中には、竜の横顔のようなレリーフ?が刻まれている。“竜王”の塔の秘宝としては、そのまんまといえばそのまんまだが…

「…つよいーちからをーかんじるーよー。たぶんーこれはー…<ミョルニル>…」

拾い上げたウールが淀みなくその名をつぶやいた。

「“神のつるはし”ともー呼ばれててー、昔むかしー、竜の姿の神様がーこれでー妖精の国をー創ったんだってー」
「随分と詳しいな?」
「わーたーしー、この国ー出身だからー」

…マジかよ初耳だぜそりゃ。

「じゃあ間違いなさそうだな。よーし、こいつを持って帰って、女王のお城に凱旋と行こうぜ!」

キリクの言葉に頷いて、オレたちはデミヘイムを脱出した。

 

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女王「ああ、勇者隊のみなさん!秘宝を取り戻してくれたのですね!」

 

「ああ、勇者隊のみなさん!秘宝を取り戻してくれたのですね!」

謁見の間に入るなり、女王が万感の思いを込めてオレたちを迎え入れる。

「すべての妖精たちに代わり、感謝の言葉をささげましょう…ありがとうございます、みなさん」

きっかけはアレだが…まぁここまで喜んでもらえたなら悪い気はしねー、か。

「では女王様、秘宝をお受け取り下さい」

一応リーダーであるキリクが代表して、ミョルニルをささげる。さすがに族長の娘なだけあって、こういう場での立ち居振る舞いはなかなかどうして堂に入っている。

「…たしかに」

受け取った女王はそれを五感のすべてで確認するように胸に抱き、ややあって小さく頷いた。

「では…そんな奇跡の力のひとかけらを、みなさんにも授けましょう」

秘宝の力を得られる。それはともすれば、元の世界に変える方法を得られるかも知れないということだ。オレは一も二もなく秘宝に飛びつく。

「ふふっ、元気がよろしいですわね。ではみなさん、秘宝に意識を集中して」

 

   ──永久の調停者たる、竜王よ…

 

   ──汝の託せし宝に秘められた、”創造”の力…

 

   ──我の求めし、勇敢なるものに…授けたまえ…

 

 

「…勇者隊に、光あれ!」

最後に女王が声高らかに唱えると、秘宝から放たれた眩い光が俺たちに降り注いだ。これが…秘宝の力…?

「ええ。この秘宝の力があれば、塔の新たな階層へ進むことができるでしょう」

…へ?そんだけ?

「それだけ…とは?」
「いや、女王さんよ、ちょっと聞きてーんだが…」

キリクがあからさまに何か言いたげな顔をする。この際言葉遣いはほっといてくれ。

「なんでしょうか?」
「いや、秘宝っていうからにはこう…神のつるはしの力で世界の壁をぶち抜いて、別の世界に行けるとかそういう力とかは…」
「ありません」

…ないの?

「ええ。みなさんに備わったのは、隠された扉を見つける力です。デミヘイムのどこかに、何か違和感のある壁があったはず。ぜひ調べてみてくださいね」

…ない…の…?

「はっは!ざーんねんだったな、アノン。もうしばらくは、アタシらに付き合ってもらうぜ!」
「…ぐぬぬ…次の秘宝の力できっと…!」
「せーぜー頑張りなー」

オレがキリクに煽られる陰で、ウールが意を決したように一歩前に出た。

 

ウール「あ、あの…タニアちゃ…じょ、じょうおう、さま…」

 

「あ、あの…タニアちゃ…じょ、じょうおう、さま…」

何かを伝えようとした矢先、控えていた側近が「謁見はここまでとなります」と押しとどめた。

「あ、は、はいー…」

珍しく曇る羊娘の表情を横目にしながら、オレたちは女王の城をあとにするのだった。

 

 

   ーつづくー

 

 


モン勇リプレイ、第一弾・デミヘイム編はここまで。

ウールの出身が妖精の国ということですが、別に彼女はエターニアやチュッケのような妖精族ではなくちゃんと(?)羊族です。多分。

裏設定レベルですが、主人公チームの面々は全員出身世界が違います。まぁこのへんもおいおい。

 

さて、最後にデミヘイム攻略の評価をぺたり。

 


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S評価を取ると次の探索でいいアイテムが取れるらしいよ!ほんとぅ?

 

次回更新からは、デモンゲイズ2のリプレイを再開しまーす。