その名を、<キャッスルドラン>。
この“世界”を治める王の居城として知られるそこは、普段から人々の間で目印や待ち合わせ場所として、生活の一部に溶け込んでいる。
そんな場所が、今日はものすごい熱気に包まれていた。
そんな場所が、今日はものすごい熱気に包まれていた。
キャッスルドランを中心に、黒山の人だかり。人類、そして、共存する異種族・ファナギアが、共に、喜びでこの日を迎えているのだ。
新たなキング! ワタル王! 万歳!
そう、今日は……ファンガイアの新たなキングを襲名する、ワタルの即位式なのだ。
「お~っ、ここまで声が聞こえてくるぜぇ。な、ワタル!」
軽快にキバットバットIII世が声をかけるが、当のワタルは玉座の上に体育座りでうずくまっていた。
「おーい、なにやってんだよ。こんなイイ日に」
まさか今更王になるのやだー、ってんじゃねえだろうなァ?
と、ワタルがふるふると首を横に振る。
「……ちょっと、緊張してるだけ。…そろそろ時間だろ? 行こう……」
おっかなびっくり、という感じでワタルが立ち上がり、それでもしっかりと歩き始めた。
軽快にキバットバットIII世が声をかけるが、当のワタルは玉座の上に体育座りでうずくまっていた。
「おーい、なにやってんだよ。こんなイイ日に」
まさか今更王になるのやだー、ってんじゃねえだろうなァ?
と、ワタルがふるふると首を横に振る。
「……ちょっと、緊張してるだけ。…そろそろ時間だろ? 行こう……」
おっかなびっくり、という感じでワタルが立ち上がり、それでもしっかりと歩き始めた。
「……うわぁ」
キャッスルドランの頭部に設けられた舞台から下を見下ろす。人が、ファンガイアが、自分を見つめているのがわかった。
「…ほら、いっちょビシっと挨拶決めてやんな!」
キバットの言葉に頷き、深呼吸をひとつする。
キャッスルドランの頭部に設けられた舞台から下を見下ろす。人が、ファンガイアが、自分を見つめているのがわかった。
「…ほら、いっちょビシっと挨拶決めてやんな!」
キバットの言葉に頷き、深呼吸をひとつする。
「………えぇ、と」
が、最初の言葉が出てこない。
が、最初の言葉が出てこない。
「…………」
口を閉ざしてしまった若き王に、人々が注目し、ワタルはますます緊張してしまう。
「……こ、こんにちわ」
なにか言わなきゃ、と思った矢先に口がすべり、なんとも形容しがたい空気になる。
「がんばれー、王様ー!」
「…………みなさん」
意を決して、ワタルが口を開く。その声に、ざわめきがぴたりと止み、人々はワタルの声を一語一句漏らさぬよう、耳を傾ける。
「僕は……この“世界”の王を継ぎます」
おおっ、とどよめく人。
おおっ、とどよめく人。
「…ですが!」
と、言葉が途切れ、再びざわめきの波が収まる。
と、言葉が途切れ、再びざわめきの波が収まる。
「…見ての通り、僕はまだ子供です。だから、間違えるかもしれない。迷うかもしれない」
だから……
「僕が間違ったら、叱って欲しい。迷っていたら、正して欲しい」
しん、と静まり返る世界。
「…僕は少しでも、みなさんの力になりたいと思っています。でも、僕の力はまだ小さいから……みなさんの力を、借して欲しいんです!」
僕の力に……なってもらえませんか?
「……ああ! 力になるぜ!」
頼もしい声が響いた。それに続き、人から、ファンガイアから、多くの声が届く。
頼もしい声が響いた。それに続き、人から、ファンガイアから、多くの声が届く。
―――王様のためになれるなら、いくらだって!
―――いっしょに、この“世界”を良くしていこう!
―――いっしょに、この“世界”を良くしていこう!
「……みなさん……」
ワタルの目頭が、知らず熱くなる。
ワタルの目頭が、知らず熱くなる。
「…今! 改めて、僕は宣言する!」
ワタルの凛とした声が響く。
「僕は! 王に! なります!!!」
わっ、と歓声が沸いた。
「王の証をここに!」
キバットの声に、ガルル、バッシャー、ドッガの三人が一つの小さな箱を重そうに運び、ワタルのもとに届ける。蓋を開けると、その中には一振りの剣。
<キバの鎧>と対を成す王の証、<魔皇剣ザンバットソード>だ。
キバットの声に、ガルル、バッシャー、ドッガの三人が一つの小さな箱を重そうに運び、ワタルのもとに届ける。蓋を開けると、その中には一振りの剣。
<キバの鎧>と対を成す王の証、<魔皇剣ザンバットソード>だ。
「さ、王よ」
「剣を!」
「お取りください」
「剣を!」
「お取りください」
三人が口々に言う。ワタルが頷き、ザンバットソードを持ち上げて高々と掲げて見せた。途端に湧き上がる群衆。
「おっしゃぁ、キバっていくぜっ! ガブッ!!」
「びゅんびゅ~ん! テンション、フォルテッシモ!」
「びゅんびゅ~ん! テンション、フォルテッシモ!」
「変身!!」
魔皇力が解き放たれ、金色の鎧を纏った王が降臨するのだ。
―――King Of Vampire
かの者、名をKIVA。
<輝ける黄金のキング>仮面ライダーキバ。
-fin-
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キャッチコピーを<かみつき王>にするか悩んだのはナイショだ!(ぇ
そんなわけで、キバ編でございます。
そんなわけで、キバ編でございます。
彼が王なら、存外我々の世界より平和な日々が過ごせそうですねぃ。
…などと。
…などと。
さて、そろそろ燃えネタばっかり書くのも息切れだな…
萌えに目を向けるか(何
萌えに目を向けるか(何