炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#キングオXギーツ】キングスゲーム:幕間V~語り部はかく渡りき【クロスオーバー】

「おや、こっちは無事片付いたみたいだねェ」
「あぁ?…なンだてめーかよジェラミー」

仮面ライダーコバルギーツ…メーガ・ネーウとの戦いが終わり、国内の被害状況を確認していたヤンマのもとに、狭間の王がふらりと顔を出す。

「つか、そっちこそどうなんだよ。バグナラクには仮面ライダーとか来てねえのか?」
「ああ、俺もそいつを危惧して一旦戻ったんだけどねぇ…幸いというかなんというか、俺の国はまるっきり平和だったよ」

そらケッコーなことで…とヤンマが頭をかく。

「どうやら敵さん…いや、敵さんと言っていいのか判断に困るが…連中、バグナラクの存在までは把握してなかったようだねぇ。まぁ、お陰で俺は自由に動けたわけなんだけども」
「まぁ地帝国としてならともかく、狭間の国としちゃ生まれて間もねぇ国だしなァ」

また、他の五王国と異なり地下に存在するのも感知を免れた結果かもしれない。とジェラミーは考察した。

「んで?その暇人がこっちに何の用だよ?」
「暇人とはヒドいねぇ…これでも他の国の助けになろうと動いてるんだぜ?」

具体的には戦力として用いられているゴッカンの脱獄囚人たちをサナギムらと迎撃し、クモの糸で捕縛するなどしていたという。

「なるほどな。どーりでゴッカンから近ぇイシャバーナ以外で被害報告がねーわけだ。シュゴッタムの兵は?防衛出動直前で乗っ取られてたなら、そのまま攻めてきてもおかしかねぇが…」
「そっちはドゥーガ殿がどうにか抑え込んでくれてるよ。やつらは装備と一緒に王権とやらも奪い取ったらしいが、どうやら側近までには効果は薄いようだ」

そういえば自分の相方たるシオカラも正気だったことを思い出し、ヤンマが「ふぅん」と呟いた。

「ところで…そちらの御仁は?」
「ん?ああ、オレらをサポートしてくれた仮面ライダーだ。別の世界から来たらしいぜ?あ、味方だから安心しな」

ヤンマと差し向かいでキーボードに向かい、ボロボロになったレイズバックルとにらめっこする五十鈴大智が、自分のことを話題に出され視線を持ち上げた。

「サポートって…メインで戦ってたのどう見ても僕でしょ…?」
「あァ?トドメ刺したのはオレのハッキングだろーがよ?アレがなきゃおめー、そのままメーガの野郎にボコられてたんだぞ」
「それは否定しないけどね…」

大智に少々すねた表情を向けられ。ジェラミーが苦笑した。

「おいジェラミー、どーせヒマなんだろ。ちっとガレキ片すの手伝えや」
「おっとぉ…やれやれ。仮にも一国の王をアゴで使うのかい?」
「しゃーねーだろ。こちとらこのドライバーやらバックルやらの解析で手ェ離せねンだよ」

そうボヤくヤンマの前では、ケーブルにつながれたドライバーとバックルが並んでいる。

「しかし凄いな。きみが言う1000年以上前のテクノロジーを相手に、たった一度のノウハウからデータ収集ができるまでにハッキングが可能になるとはね」
「はッ、叡智の王ナメんじゃねえぞスカポンタヌキ。オレなりにこのクッソくだらねーゲームとやらには思うとこもあるんでな。それに…本命はコイツだ」

ヤンマがひび割れたコバルギーツのIDコアを顎でしゃくる。メーガ・ネーウのプレイヤーとしての記憶を内包したIDコアを復元ないしデータの解析ができれば、相手側運営の目論見を看破できるのではないかと踏んだのだ。

「IDコアの復元とは考えたこともなかったな…まぁ基本プレイヤーは蹴落とすべきライバルだし、当然といえば当然なんだけど」
「個人的にはちゃんと記憶を取り戻してしっかり反省してほしいとこっすけどねー」

ガレキを運びながら、シオカラが呟いた。

「なるほどねぇ…まぁいいや。じゃ、少しばかり手伝っていこうじゃあないか」

そう言ってジェラミーが糸を繰り、あたりのガレキをひょいと持ち上げるのだった。

 

 

   -つづく-

 

 


ちょいとばかり閑話休題。時系列的には前々回でイシャバーナ組に連絡を取った直後くらい。
序盤以来、ジェラちの出番が無かったので救済措置的な(何様だ

この手のクロスオーバーって、戦隊VSしかり追加戦士枠があまり出番ない印象ってありません?w
今回はギーツ組がナッジスパロウ込みで5人しかいないのでしっかり絡ませられないという事情もあったりなかったり…
とりあえず、狭間の国バグナラクは無事だというのは執筆当初から決めてました。なのである程度自由に動けるジェラちがワイルドカードになりうるんですが、これといって活躍が思いつかなかったのは自分の力量不足ですねぇ…💧
とはいえゴッカン脱獄囚の侵攻を留めてたりそれなりに動いてるんですよってことで。

次回は再びイシャバーナへ。前回でドクター・エンプサの人となり?は明かされましたが、果たして祢音・ヒメノ組はどう戦う…?