2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧
━━みなさんは、私たちの希望です。何度全滅しても、くじけないで… 「勝手なこと抜かしてんじゃねー!」 遠ざかった意識に語り掛けてくる女王にブチギレながら目を覚ます。どうやら無事(?)蘇ってこられたらしい。できればそう何度も味わいたい感覚じゃあな…
デミヘイムの只中で、爆音と金属音がこだまする。 「今だ、ぶん回せキリクッ!」 「おおぉぉぉらあぁぁっ!!!」 鬼の腕力がもたらすフルスイングが、ボスゴブリンの側頭部にクリーンヒットし、綺麗な放物線を描いて吹っ飛んでいく。 「ギガグ…ッ!?バ、バ…
「今日はボスに挑もうと思う」 朝イチのミーティングで、キリクが口を開く。 「…いいよな、アノン?」 「なんでオレに許可求めてんだよ」 「いや、だって…」 前にオレから色々言われたんがよっぽど堪えてんのかねぇ… 「ま、問題はねえさ。オレらの実力は確実…
翌日から、俺たちは隊の強化を優先すべく、魔物との戦いを続けている。 時折、突出しすぎたキリクやイヅナがぶっ倒れることはあったが、そこは女王の加護で復活するのでなんとかなっている。 むろん、その時はオレのお説教コースが待ち受けているわけで。 ……
「…起きてる?」 2日目の塔攻略を切り上げたその夜。武器のメンテナンスをしているオレに声をかけてきたのはナナシだった。 「まだ起きてたのか。早く寝ないと明日に響くぞ」 「…わたし、眠れないの。アンデッドだからだと思う」 他の不死族に知り合いがいな…
なんとか強敵(ボス)を撃破したものの、全員そこで精魂尽きてしまい、その日の探索はそこまでとなった。 そして翌日である。 「なあアノン、さっきっからアンタのまわりを飛び回ってるその羽虫なんなん?」 日替わりの朝定食を食べている俺に、起き抜けらし…
「自己紹介を〜、しましょ〜♪」 朝食に頼んだ生姜焼き定食(何の肉かは聞かないでおいた)に舌鼓を打っていると、ディーネがそんなことを言い出した。 「折角ご縁があって仲間になったのですから〜親睦を深めるためにも〜相互理解は必要ですよ〜」 仲間になっ…
──うおおぉぉぉっ!?死んだ!はいオレ死んだよ!!? 強烈な死のイメージに跳ね起きる。…起きる?慌てて両手で自分の身体を確かめる。 首、ついてる。 胸、心臓動いてる。 腹、穴空いてない。 足、ちゃんとある… 「…あれ?」「やれやれ、よーやっと起きやが…
──むかしむかし…ここではないあるところに、“妖精の国”がありました。 子供の時分、幾度となく親にせがんで話してもらった御伽噺。 いつか行ってみたい、そう空想を巡らせていたのも今は昔。大人になるにつれ人の後ろ暗いモノを知り、裏切られ、世界に揉まれ…
「いやー、笑いが止まらないわ。こんな大量の星力が得られるなんて」 支配人室にて、ミュゼは悪役もかくやな雰囲気でほくそ笑む。 禁域にてライブラを下し、ボイスクリスタルを破壊した(というか自壊しただけだが)ことで、周辺の住人の意識が変わったよう…
ラジオの放送が無事終わり、カッスルたちは昼食をとるべく1階に上がってきていた。 「本当は早いとこ効果を確認したいけど、どうしてもラグが出ちゃうからね」とはミュゼの弁である。 果たしてラジオ組が酒場にやってくると、先客がいた。 「あ、しはいにん…