炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

オーバーチュア:Sとの邂逅/男の決断

オーバーチュア:Sとの邂逅/男の決断 ――“男”は、哭いていた。 愛する人がいるのに、守りたい人がいるのに…… 届かない自分の手に。力なき自分自身に。 絶望の慟哭を、声もなく。 嗚呼。 “強さ”があれば。あの享楽と欲望と本能の坩堝から、彼女を連れ出すこ…

スーパー特撮大戦200X/プロローグ

――太陽系の最果てで1隻の艦(フネ)が消息を絶った。 <NO-0117-A/宇宙要塞艦NAAGER>と名づけられたその艦は、冥王星のさらに先に突如として出現した、太陽系の10番目の惑星を探査するべく、地球から送り込まれた最新鋭艦である。 10…

【オリジナル】BULLETS-バレッツ-(後編)【HEROES ASSEMBLE!】

“変”わった二人を目の当たりにし、荒れ狂う連中が一瞬静かになる。その黒い二つの人影から発せられる圧力に、幾人かはじり、と後退りした。 「……って、なにが“おしおきタイム”だよ。ここは“ヒーロータイム”が正解だぜ?」 「阿呆かお前は。悪ガキどもを相手…

【ウィザード】NOVELS大戦ファンタジア/シーン1【マジレン】

果たして晴人……魔法使い<ウィザード>となった……が現場に到着すると、そこは死屍累々を具現化した場であった。 「な……なんだこれは!?」 倒れ伏した人影……しかしそのどれも奇怪なシルエットで、一目で“人間ではない”とわかる。 「ファントムの……死体?」 …

【なのは】NOVELS大戦VIVIDNESS/プロローグ:2【ウィザード】

――時は少しさかのぼる。 アンティークショップ<面影堂>に、いつもの仲間たちが集い、談笑に興じていた。 「おーい、新しいの出来たぞ~」 奥の工房からのんびりとした声が転がり、面影堂の店主にして指輪職人の輪島が姿を現した。 「お、どれどれ……」 輪島…

【フォーゼ】NOVELS大戦 OVERDRIVE/シーン1【ゴーバスターズ】

空は青く青く。そして高く。 入道雲はとうに去り、吹き抜ける風も、幾分涼しくなってきた。 季節は秋。 ここ、<天ノ川学園高校>の空も、それは変わらず。 「う~……」 その片隅……部室棟のさらにその一角で、リーゼントに短ラン姿の少年が、机に突っ伏してい…

【フォーゼ】NOVELS大戦 OVERDRIVE/プロローグ【ゴーバスターズ】

――“それ”は、緩やかな“死”を迎えようとしていた。 「……エネトロン残量も……あと僅か……ですか」 つぶやいた言葉は、流れる水の中で気泡と化すのみである。 「突然マジェスティからのリンクが途絶えてから数か月……所詮私も<アバター>。不要となれば切り捨てら…

【ウィザード】NOVELS大戦ファンタジア/プロローグ【マジレンジャー】

「ハルくーん、これこれっ」 太くいやになまめかしい声が、ハルくんと呼ばれた青年の耳朶をなぞる。ワゴン車を改造した移動型店舗のカウンターで、いわゆる“オネエ”風の店長が緑色のドーナツを差し出した。 「新作の“秋のモリモリサラダドーナツ”!」 これ以…

【なのは】NOVELS大戦VIVIDNESS/プロローグ:1【ウィザード】

「魔導師の連続不審死?」 穏やかではないその一報を<八神はやて>が耳にしたのは、穏やかな午後にささやかなティーブレイクをとっている最中のことであった。 『ええ。何者かと交戦をした形跡があったから、違法魔導師による襲撃と思われていたんだけど………