【オリジナル】HEROES ASSEMBLE!
“変”わった二人を目の当たりにし、荒れ狂う連中が一瞬静かになる。その黒い二つの人影から発せられる圧力に、幾人かはじり、と後退りした。 「……って、なにが“おしおきタイム”だよ。ここは“ヒーロータイム”が正解だぜ?」 「阿呆かお前は。悪ガキどもを相手…
上下合わせて6車線の幅広い道路を埋め尽くすように、爆音を喚き散らしながら、二輪車の群れがひしめき合う。 近年では“珍走団”とも揶揄される若者たち……いわゆる“暴走族”が、その内に鬱屈した何かを吐き出すかのようにエンジンに負けじと吼え猛る。 「おー…
それは、数分と立たなかった。 (ししるいるい、ってやつかこりゃ…) 学に恵まれなかった男が、脳にこびりつく僅かな知識を総動員する。漢字は忘れたが、目の前の凄惨な状況はまさしく言葉通りであった。 「うぅ…ああ…」 「痛ぇ……痛ぇよぉ……」 血だるまにな…
―――眠らない街。あるいは、不夜城。 さまざまな呼び名を持つその街は、ギラギラとネオンを輝かせ、数多くのヒトを飲み込み、また同時に吐き出していた。 それは、今日も変わらずだ。 飲食店、風俗店……大小さまざまな店が立ち並び、男も女も、今日という日を…
雲ひとつない、快晴。 今日も地球は日本晴れ、世はこともなし。 「待たせたな」 俺の声が聞こえると、校門で所在無くたたずむ少女はぱっと明るい表情をみせ、とことこと近づいてくる。 「じゃ、いこうぜ?」 こくこくとうなづく。すっと右腕を差し出すと、彼…
うららかな日曜の午後。 ちょっと遠出して、自然公園になぞ来てみる。 少しくたびれたワンボックスカーから降りて、大きく伸びをすると、体中から澄んだ空気が入り込んでくるような感覚。久しく忘れていた気持ちよさ。 「おとーさん、いこう!」 4つになる…