炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

【オリジナル】ねこ なで ごえで

食料品の買出しの帰り。 ふと視界に飛び込んだペットショップに、見知った顔がいる。 「ねこー」 いい年した女性が、トランペットを欲しがる少年のように、ショウウィンドーにはりついて子猫たちをガン見していた。 ……いや、猫たちドン引きしてるじゃないか…

【ゴーカイ後日談】GO-KAI PLANET CRUISE-太陽のような男-(前編)

冒険とロマンを求めて、宇宙の大海原を往く若者たちが居る。 宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻し、そしてついに皇帝アクドス・ギルをも討ち倒して全宇宙に平穏をもたらした、6人の宇宙海賊。 そして、新たな冒険と、お宝を求め、彼らは赤き帆船で船出を果た…

【レジェンド大戦】Episode:GO-GO-FIVE

戦火……禍々しき災厄の炎が、街を舐めるように焼く。 悲鳴を上げ逃げ惑う人々。それをかき分けるように、躍り出る勇士たちがあった。 「赤バイ用意! 化学消化液・射出!」 炎上し、逃げ道をふさぐ車を、一発で沈下させる科学を以って。 「これ以上近づけって…

東方地霊殿・異聞/第2幕・第5場

魔理沙とパルスィのスペルカード戦は、間もなく佳境に差し掛かろうとしていた。 『や、やるじゃない……態々贋物の方を狙っておいて、その上で攻略するなんて……』 『スペルカード戦に関しちゃ、こっちに一日の長があってね』 ふふん、と鼻を鳴らす魔理沙。パル…

東方地霊殿・異聞/第2幕・第4場

『とっとっとっと!』 焦りを滲ませた魔理沙の声が、水晶越しに届く。それを聞き流しながら、パチュリーは書棚の壁の切り崩しに取り掛かっていた。 (魔理沙に言われたからって訳じゃあないけれど……あの妖怪のことが気になるのは確かだものね) 知らないこと…

東方地霊殿・異聞/第2幕・第3場

「ああ、これね」 ようやくお目当ての本を発見したパチュリーが興味津々とページを捲る。ややあってヤマメと思しき妖怪の情報に行き当たった彼女は、記述を指でなぞりながら黙読を始めた。 『むぅ……』 と、地底の魔理沙が不満げに唸る。 『明かりはないし、…

東方地霊殿・異聞/第2幕・第2場

強風と妖精と落石が舞う地底を、魔理沙が乗る竹箒が淀みなく進む。 自然の具現がもたらす圧力が増すのを水晶越しに感じ、少しずつ核心に近づいていっていることをパチュリーは感づいていた。 『なかなか終点にたどり着かないな。もぐってから随分経つと思う…

東方地霊殿・異聞/第2幕・第1場

扉をノックする音が、パチュリーの耳朶に触れる。 紅魔館の主だった住人の中で、図書館にわざわざノックをして入ってくれる人物は、残念ながら一人しか彼女は知らない。 「パチュリー様、お茶をお持ちしました」 「有難う。すぐに行くわ」 ティーカートを押…

【レジェンド大戦】Episode:GINGA‐MAN

穏やかな土と緑の香が、風に乗って新たな季節の到来を告げ往く。 全てを癒し慈しむ森の自然の中で、一人の男が佇んでいた。 「……すぅ」 静かに、深く呼吸をひとつ。 刹那、閉じていた目をかっと開き、腹の底から声を搾り出すように発する。 「炎のぉ……」 ざ…

【レジェンド大戦】Episode:DAI-RANGER

轟音、爆音……さまざまな音がとどろき、耳を劈く。 人類有史で、もっとも激しいであろう“戦場”……のちに<レジェンド大戦>と銘打たれるその戦端の最中に、一人の少年がカメラを抱えて走り回っていた。 「うおわぁっ!?」 爆ぜる地面を持ち前の運動神経で危な…

【レジェンド大戦】Episode:BOUKENGER

宇宙という海原を往く、さまざまなスペース・シップ。 何度も繰り返された技術革新は、船の形状を多種多様に進化させた。 SF映画に出てきそうな円盤型はもちろん、海に浮かべても違和感がなさそうな帆船型や、艦船型まで。 そんなスペース・シップの一隻が…

【レジェンド大戦】Episode:TIMERANGER/過去への“帰還”

明日の明日は、明後日。 明後日の明日は、明々後日。 明日がずっと続いていって――未来。 1000という時を越えた先の未来にある。 ここは、31世紀。 ・ ・ ・ 「やれやれ……明日の試合が急にキャンセルになったかと思えば、急に時間保護局へ出頭だぁ? わ…