炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【オリジナル】「ぼく」と「わたし」のY&I

【オリジナル】すいーと とーすと【ぼくわた】

――日曜の午後。 珍しく彼女の方から呼び出しがあった。 <午後のお茶会、ご一緒しませんか?>ってまた年齢の割にずいぶんと可愛らしいお誘いメールだ。 面と向かって言ったら殴られそうだけど、まあともかく。 断る理由も理屈もないので、了解の返信をして…

【オリジナル】こたつむり しんどろーむ【ぼくわた】

強烈な移動性高気圧が、日本列島を多いつくす。 3月末までしぶとく侵攻を続けていたシベリア発の冬将軍もさすがに撤退をはじめ、4月の声が聞こえた途端に、暖かな日々が続いてきた。 となると、僕の部屋から今シーズンの仕事納めを迎える“アレ”があるんだ…

【オリジナル】ねこ なで ごえで

食料品の買出しの帰り。 ふと視界に飛び込んだペットショップに、見知った顔がいる。 「ねこー」 いい年した女性が、トランペットを欲しがる少年のように、ショウウィンドーにはりついて子猫たちをガン見していた。 ……いや、猫たちドン引きしてるじゃないか…

【オリジナル】おかし か いたずら

「……ふぅ」 ぱたり、とノートパソコンを閉じてため息。 「ちょーっと今日は長引いちゃったか」 いつものことなんだけど。まぁこのペースならなんとか締め切りには間に合いそうだ。 さて、コーヒーでも淹れようかと立ち上がりかけたところで、不意に呼び鈴が…

【オリジナル】ほしをみにいこう

「そーだ、星を見に行こう」 などと、どこぞの古都にでも行こうみたいなノリで提案される。 「いいね」 まぁ、断る理由なんて無いけど。 「いつ行く?」 「今夜!」 「早いな」 「善は急げってね」 思い立ったがなんとやらだ。彼女らしい。 「今日はいい感じ…