冒険とロマンを求めて、宇宙の大海原を往く若者たちが居る。
宇宙帝国ザンギャックに反旗を翻し、そしてついに皇帝アクドス・ギルをも討ち倒して全宇宙に平穏をもたらした、6人の宇宙海賊。
そして、新たな冒険と、お宝を求め、彼らは赤き帆船で船出を果たしたのだが……
砲撃を受け、揺れる船内で鳥型ロボット・ナビィが転がる。
「奴らにそんなものを求める時点で間違ってるな。ハカセ、敵の状況は?」
「数はそれほどでもないけど、囲まれちゃってるよ! レーダー故障してたのかなぁ……?」
この間直したばっかりなのにぃ……とぼやくハカセ。
「でも、ザンギャックの艦隊って、この間俺たちが地球で壊滅させたので全部じゃなかったでしたっけ?」
「それは、“その時点”での全部ってことでしょう?」
窓から敵艦の姿を見て首をかしげる伊狩 鎧に、ルカ・ミルフィが応える。
「ザンギャックの体制が瓦解しつつあるとは言っても、本星の機能までは喪われていない筈ですし、戦艦も生産され続けていたんでしょうね」
次いで解説するアイム・ド・ファミーユの言葉に、なるほどと鎧が頷いた。
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「くっ、左舷ガレオンキャノン!」
一方、船長であるキャプテン・マーベラスは、ひとり操舵室で舵輪をフル回転させて応戦していた。
愛機に搭載された火力を惜しげもなく放つも、敵艦隊の数はあまり減らない。首魁を失い、烏合の衆と成り果てたはずのザンギャックの残党にしては妙に熟練した連携が、マーベラスの攻撃による被害を最小限に抑えていた。
「っち……めんどくせえ戦いかたしやがって……おいお前ら!」
ゴーカイオーで蹴散らすぞ、と言いかけた口が開いた口から零れ落ちる前に引っ込む。
突然眼前で戦艦が数隻、爆発したのだ。
「なんだ……?」
と、爆煙の向こうから、ぬっと銀色の巨大戦艦が姿を現す。
『援護するぞ、宇宙海賊!』
その戦艦から突如の通信。サロンのメインモニターを睨みつけていたジョーたちも目を丸くした。
『バトルバース・フォーメーション!』
凛とした男の声が響く。それと同時に戦艦がその姿を人型へと変形させる。
「なんだアレは……鎧、あれはスーパー戦隊の戦力か?」
「いえ、あんなのレジェンド大戦にもいなかったし……見たことも聞いたこともないですよ!?」
知識を総動員させる鎧であったが、やはりあのようなロボを使っていたスーパー戦隊に覚えはない。
「では、わたくしたちに続く36番目……?」
首をかしげるアイムの瞳に、モニター越しの巨大ロボットが、腰の砲口を艦隊に向けているのが映った。
『プラズマカノン、発射ッ!』
強烈なビームが、艦隊を文字どおり一掃する。討ち漏らした数隻がほうほうのていでワープし、宙域に静寂が戻った。
「すごい……あの威力、ゴーカイスターバースト以上かも……」
『はじめまして、宇宙海賊の諸君。急に横槍を入れてすまなかったね』
「気にすんな、手間も省けたしな。……で、てめぇ一体何者だ?」
おっと、これは失礼。と男がおどけてみせ、すぐに真顔に戻り、こう名乗った。
『俺は、宇宙警察イガ星署・署長……<伊賀 電>だ。よろしく!』
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――地球を離れ、新たな冒険の地……遥かザンギャック本星へと向かう、6人の若者たち。
<海賊>の汚名を、勇名へと変えた豪快な奴ら。
その名は!!!
海賊戦隊ゴーカイジャー/After Episodes
GO-KAI PLANET CRUISE
Planet:IGA-太陽のような男-
ゴーカイジャーが最終話を向かえました。
最初から最後まで、派手に……いや、ド派手に行った彼らの活躍は、もうテレビでは見られないんですよね……
ま、映画で見れますが(こらこら
そんな興奮冷めやらないまま、後日談SSネタを思いついたので早速執筆開始。
節操なしなのはいつものことです(ぇ
さて、途中のセリフから誰が出てきたかなんてなもうわかる人たちばっかりだと思います。
そうです、彼です。伊賀電なのです。
「ゴーカイVSギャバン」もやったので、無論彼も現役でしょう!ということで。
果たして、どのような物語が待っているのか。
確かみてみろ!
さぁ、「まだまだ派手に行くぜっ!」