炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【二次創作】レジェンド大戦SSシリーズ

【レジェンド大戦】Episode:DYNA-MAN

広々とした部屋を埋め尽くす、スーパーコンピュータの群れ。 その隙間を縫うように、足音がせわしなく行き交う。 僅かに設けられたスペースには、一人の男が小さな部品と半田ごて片手に格闘を繰り広げていた。 「よし、これで……」 額に滲む汗を拭い、組み立…

【レジェンド大戦】Episode:GO-GO-FIVE

戦火……禍々しき災厄の炎が、街を舐めるように焼く。 悲鳴を上げ逃げ惑う人々。それをかき分けるように、躍り出る勇士たちがあった。 「赤バイ用意! 化学消化液・射出!」 炎上し、逃げ道をふさぐ車を、一発で沈下させる科学を以って。 「これ以上近づけって…

【レジェンド大戦】Episode:GINGA‐MAN

穏やかな土と緑の香が、風に乗って新たな季節の到来を告げ往く。 全てを癒し慈しむ森の自然の中で、一人の男が佇んでいた。 「……すぅ」 静かに、深く呼吸をひとつ。 刹那、閉じていた目をかっと開き、腹の底から声を搾り出すように発する。 「炎のぉ……」 ざ…

【レジェンド大戦】Episode:DAI-RANGER

轟音、爆音……さまざまな音がとどろき、耳を劈く。 人類有史で、もっとも激しいであろう“戦場”……のちに<レジェンド大戦>と銘打たれるその戦端の最中に、一人の少年がカメラを抱えて走り回っていた。 「うおわぁっ!?」 爆ぜる地面を持ち前の運動神経で危な…

【レジェンド大戦】Episode:BOUKENGER

宇宙という海原を往く、さまざまなスペース・シップ。 何度も繰り返された技術革新は、船の形状を多種多様に進化させた。 SF映画に出てきそうな円盤型はもちろん、海に浮かべても違和感がなさそうな帆船型や、艦船型まで。 そんなスペース・シップの一隻が…

【レジェンド大戦】Episode:TIMERANGER/過去への“帰還”

明日の明日は、明後日。 明後日の明日は、明々後日。 明日がずっと続いていって――未来。 1000という時を越えた先の未来にある。 ここは、31世紀。 ・ ・ ・ 「やれやれ……明日の試合が急にキャンセルになったかと思えば、急に時間保護局へ出頭だぁ? わ…

【レジェンド大戦】Episode:JETMAN/羽ばたく絆

あたりに散らばるガレキ。巨大ロボットか、はたまた戦艦の残骸か……の破片。 漂うのは血の匂いと、焦げた機械油のにおい。じっとりとした砂埃が、足元を撫で付け、人の歩みを遅らせる。 大いなる戦い……いずれそれは<レジェンド大戦>と呼ばれるであろう、そ…

【レジェンド大戦】Episode:DEKARANGER/ディティシテブル・ストレンジャー

「地球に帰ってくるのも久しぶりだな……」 真紅のパトカーが漆黒の宇宙を切り裂いて走る。 「っと、報告することもあるんだし、懐かしんでるヒマもあんまりないんだけどなぁ……」 ハンドルを握りながら、その操縦者はひとりごちる。 「……うん?」 と、地球を捉…

【レジェンド大戦】Episode:GAORANGER/戦士、集う!

その侵攻は、唐突であった。 いや、ひょっとしたら以前から兆候はあったのかもしれない。 しかし、それを知る術を、誰もが持ちえたわけではない。 ゆえに、唐突であった、としか評せないのだ。 そしてその侵攻は、ひょんなことから白日の下にさらされること…

【レジェンド大戦】Episode:MAGIRANGER/魔法が無くても~ルルド・ゴルディーロ~

あの、地球全土が戦場と化した大いなる戦い……<レジェンド大戦>と銘打たれたそれが終結し、半年が経過しようとしていた。 各スーパー戦隊及び、そのバックアップ組織の支援・資金提供により、脅威のスピードでの復興が成った今、大戦以前となんら変わらない…

【レジェンド大戦】Episode:CAR-RANGER/今も元気だ信号野郎

うららかな春の陽気が、頬をなでる。 街行く人も、どこかほんわりとして、気を抜いたら居眠りをしてしまいそうな、そんな日和。 町外れの交番には、陽光をものともしない、直立不動の警官がひとり居た。 「……」 市民を守ろうと堅く引き締まった表情が凛々し…

【レジェンド大戦】Episode:ABARANGER/アバレ次元を突破せよ!

生い茂った無数の植物が大地を埋め尽くす。 空は青く青く澄んで、どこまでも高く。 さわやかな風と溶け合うように流れ進む川原で、小さく回る水の音。 「……ふぅっ、これで終わりっと」 ぐっと絞った布をぱっと開くと、それを背中のかごに放り込む。 「さぁ、…

【レジェンド大戦】Episode:HURRICANEGER/手裏剣とカラクリ武者

その日……地球は、その滅亡を免れた。 のちに<レジェンド大戦>と銘打たれる戦いが終結し、10分ほどが経過していた。 大地は砕け、緑は焦げ、空はくすんでいた。 だが、それでも。 地球は守られたのだ。 ……そのために、多大な代償を払ったことを知る者は、…

【レジェンド大戦】Episode:???/その狂気と矜持

「――先輩、あの隅っこの病室、随分と前から人の気配がするんですけど、名札ないですよね? 誰が入ってるんです?」 「ああ……お前この春こっち来たんだったよな。そりゃ知らないか」 いやに響く足音とともに、小さく遠く声が聞こえる。 「もう20年くらいに…

【レジェンド大戦】Episode:FLASHMAN/故郷の星よ、再び

宇宙全土が震撼していた。 <ザンギャック>を名乗る宇宙帝国が、全宇宙に向けて侵略を開始したのだ。 その悪辣さ、その卑劣さ。そして規模……いずれも過去に宇宙の征服をもくろんだあらゆる<悪>を凌駕し、瞬く間にその勢力を拡大させていった。 さまざまな…