「須藤マコト、本日付で岡山県警より出向、未確認生命体対策班に配属になりました!よろしくお願いしますッ!」
若々しく元気な声が響く。
五部刈りの体育会系の雰囲気をもちながら、その笑顔はさわやかな印象を与えた。
五部刈りの体育会系の雰囲気をもちながら、その笑顔はさわやかな印象を与えた。
「ええ、よろしくね。私は…」
同じく自己紹介を済ませる八代淘子が、早速G3-Xの装着テストを促す。
「はいっ!」
既にある程度の身体能力テストは済ませており、その結果は上々であったらしい。
マコトは気合を入れて装着ブースに足を運んだ。
マコトは気合を入れて装着ブースに足を運んだ。
「…なかなかね。あなたほどの逸材が県警でくすぶっていたなんて、私の見落としだったわ」
「いや、それは褒めすぎですよ…」
恐縮です、といってマコトが照れ笑いを浮かべた。
「いや、それは褒めすぎですよ…」
恐縮です、といってマコトが照れ笑いを浮かべた。
「もともと、香川県警にいる先輩からやってみないかって言われて。それまで、自分の管轄のことで頭いっぱいで、G3システムのことなんかまったく知らなかったんですけどね」
遠くを見ながらつぶやく。
「実を言うと僕、子供の頃は“正義の味方”になりたくて。……なんか、夢叶っちゃいましたね」
「あのねぇ、遊びじゃないのよ」
たしなめる淘子に、ええ、とうなづく。
「もちろんです。警察の本分である、人々を守ること。そのために尽力しますよ」
「お願いね」
遠くを見ながらつぶやく。
「実を言うと僕、子供の頃は“正義の味方”になりたくて。……なんか、夢叶っちゃいましたね」
「あのねぇ、遊びじゃないのよ」
たしなめる淘子に、ええ、とうなづく。
「もちろんです。警察の本分である、人々を守ること。そのために尽力しますよ」
「お願いね」
ロッカールームに到着した二人が、ふと視線を同じ方向に向ける。
「あ…」
とあるロッカーのネームプレートに「芦川」の名前がはめ込まれていた。
「ええと、この人って確か…」
G3ユニットに配属されるにあたって、資料を読んでいたマコトが呟く。
G3ユニットに配属されるにあたって、資料を読んでいたマコトが呟く。
「ええ、G3-Xの前身、G3の装着員候補だった人物よ。今は離れているけど……変わらず、私たちの“仲間”」
しっかりとした口調で“仲間”と語る淘子の横顔は、じっと芦川のロッカーを見つめていた。
しっかりとした口調で“仲間”と語る淘子の横顔は、じっと芦川のロッカーを見つめていた。
(…ショウイチ)
ふとしたことで、一度は離れてしまった淘子と芦川ショウイチは、ふらりと通りすがった、二人の男によって、また引き合わされた。
しかし、なおも離れようとするショウイチに、彼らは彼らなりの言葉を贈り……
ショウイチは、また戻ってきてくれた。
もう彼は、G3ではないけれど。
この<世界>を守る、<仮面ライダー>の一人だ。
と、唐突に鳴り響いたサイレンが二人の耳朶を打つ。
-未確認生命体、ならびにアンノウン出現! G3ユニットに出動要請!! 繰り返す…-
「……来たわね。それじゃマコトくん、到着早々悪いけど…」
「いえ、がんばります!」
「いえ、がんばります!」
はじかれるように敬礼をして、マコトはバイク…<ガードチェイサー>が待つ格納庫へと走った。
*
「…あれが、アンノウン……」
実際に見るのは初めてだ。マコトの体が、知らず緊張で固まった。
「……あんたが、新しい装着員か?」
ふと、背後から声をかけられる。振り返ると、あごひげを蓄えた青年の姿。
ふと、背後から声をかけられる。振り返ると、あごひげを蓄えた青年の姿。
「あなたは……芦川…さん?」
なぜここに…と問おうとしたマコトをさえぎり、アンノウンをあごでしゃくる。
「話は後だ。まずはこいつらを倒す。…それが<俺たち>のやるべきことだろう?」
「あ…は、はい!」
「あ…は、はい!」
「そ…それは…」
「変身!」
ショウイチの叫びとともに、その姿が変わる。
その力。原初にして末裔。
アルファにして、オメガ。
アルファにして、オメガ。
―――<覚醒せし魂>仮面ライダーアギト
「いくぞ!」
「はい!」
「はい!」
明確な敵意をこちらに向けるアンノウンの群れに、二人のライダーが立ち向かった。
-了-
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しばらくぶりのディケイドシリーズです。
今回はアギト編。
今回はアギト編。
さて、クウガ編を除けば、残るはBLACK&RX編とアマゾン編ですか。
そうなんどもんども寄稿に頼っていられないので、がんばりますw