炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

第1話/シーン8

「何だ!?」
 ほぼ無色透明ながら、どうにか球体を視認できたコウイチは操縦桿を駆使してかわす。
「オーシャン・ベース、解析を!」
『今やってる!』
 イオリの声が飛んだ。

  オ…ォ…オオ…

 口を傷つけられた怪獣から搾り出すような唸り声が響く。と同時に、再び先ほどの球体が、今度は連続して発射された。

「くっ!」
 GCSをフル稼働させて回避させる。が、1発避けきれずバーニアを掠める。
『コウイチ、聞える!?』
「イオリ!?」
 サブモニターにイオリの顔が飛び込む。
『あの球体は、超高密度に圧縮された空気の塊よ。見えない鉄の塊が飛んでると思って良いわ。当たらないように気をつけて!』
「言うは易し、だよなぁっ!」
 なおも飛んでくる球体…空気弾は、その数を次々と増してくる。1発ずつならある程度の視認は可能だが乱発されると追いきれない。圧縮されているとはいえ空気である以上、レーダーも殆ど役に立たないのだ。

  ガン!

「!?」
 かわし損ねた空気弾が機体を直撃する。
「しまっ…!」
 ガクン、と大きく揺れた後、シルエットフォースがバランスを崩す。
「オートバランサーが破損!?くそっ、全手動制御に切り替え…」

  バシュ!!

「うわあっ!」
 コントロールパネルに目をやっていた内に数発の空気弾がシルエットフォースを直撃する。
「制御不能…マジかよ!?」
 操縦桿をガシガシを動かすが、自然落下を始めた機体はビクともしない。
『コウイチ!これ以上はムリだ!脱出しろ!』
『そうよ、脱出して!脱出しなさいよぉ!』
 シンジロウとイオリの声がスピーカーを振るわせる。
「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
 コウイチの雄叫びが、空に響き…



 次の瞬間、全てが光に包まれた。



「な、なんだあっ!?」
 閃光に目を灼かれ、うずくまるシンジロウ。
 やがて、光が収まり、彼は恐る恐る目を開く。
「…!?」
 彼の目に、見たことも無いものが映っていた。






「銀色の…巨人…?」




  -つづく-


----------------------------------------------

 久々に書いたなw
 アイマスSSを立て続けに書いたおかげか小説脳が少し復帰してきたらしいw