炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【オリジナル】ウルトラマンスパーク

第2話/シーン5

ウルトラマンとTEAM-F.O.R.C.E.の連携で、怪獣への攻撃は順調に続いていた。 前回の台風怪獣<デュポーン>とは異なり、遠距離への攻撃手段を持たないのか、怪獣は動くこともかなわず攻撃に晒され続けていた。 「よし、このまま押し切れる……!」 『油断する…

第2話/シーン4

「―――イオリっ!?」 耳に残るいとこの叫び声にたたき起こされるように、コウイチの意識が浮上する。 「…そうか、落ちて…気を失っていたのか…」 腕時計を見ると、落ちてからだいたい1時間ほどが経過しているようであった。 「みんな…大丈夫かな?」 見上げ…

第2話/シーン3

コウイチからの一報を受け、すぐさまオーシャン・ステーションから3機のファイターが飛び立つ。 「やれやれ…続けざまに怪獣出現たァな。こちとらまだ十分な武装はねえってのによ…」 「仕方あるまい。もともとF.O.R.C.E.は戦闘に特化したチームじ…

第2話/シーン2

「コーイチー!」 「おう、ここだここ!」 オーシャン・ステーションの最深部に位置する、アクアライナーの発着場。 太平洋のど真ん中に位置するこの基地と、世界各地をつなぐ、海底列車のようなものである。 「もう、突然『オフだから遊びに行こう』とか。…

第2話/シーン1

「―――そして、件の怪獣についてですが、破片を回収したところ、調査班の目の前ではじけるようにして消えてしまったとのことです」 「…消えた、だって?」 ブリーフィングルームでは、先刻の怪獣の一件をまとめたレポートの確認が行われていた。 「はい。また…

第2話/アバンタイトル

「……よし、これで検査は終了ね」 様々な医療機器から流れる電子音のオーケストラをバックに、妙齢の女性がそう告げる。 「ありがとう御座います、先生」 頭を下げるコウイチが、ちらりとカルテを盗み見るが、ドイツ語で書き殴られたそれは、判別するにはかな…

第1話/シーン13

「……イチ…ウイチ…」 声が…聞こえる… 「コウイチってばぁ!!!」 次の瞬間、キンキン声が至近距離で響き、コウイチの意識が跳ね上がった。 「な…?」 身体は起こせなかった。鈍痛が全身を支配し、指一本動かすのすら億劫だ。 僅かに感じる揺れと、眼前に浮か…

第1話/シーン12

「攻撃が阻まれた…何が起きている?」 鋭い目つきでモニターを凝視し、ロバートは刻一刻と変化する状況を捉えようとしている。 「これ…圧縮空気を膜状にして自分を包み込んでる…?」 解析画面の答えを引き出したイオリが唇をかんだ。 『ってことはアレか。空…

第1話/シーン11

シンジロウが消えた自分を探していることなどつゆしらず、巨人と化したコウイチはその銀色の眼で怪獣を睨みつける。 (よし、やるっ!) 「デュアァッ!」 自分の声の代わりに別の叫び声が響く。気にすることもなく、コウイチ…巨人は怪獣の懐に飛び込み、拳…

第1話/シーン10

「こちらエドワード。怪獣と巨人を肉眼で確認」 「こちらアルベルト。同じく」 オーシャン・ベースでの補給を終え、2機のファイターフォースが現場に戻ってきた。 『いやぁ、しかし改めて目の当たりにするとトンでもないねぇ。シンジロウ、あの巨人いったい…

第1話/シーン9

―――次にコウイチの意識が戻ったとき、彼の視界に映ったものは、見慣れたシルエットフォースのコックピットではなく、蒼く広がる空と海原であった。 (…な、何が起こったんだ一体!?) 目の前にさっきまで闘っていた怪獣の姿が見える。 怪獣は視線をこちらに…

第1話/シーン8

「何だ!?」 ほぼ無色透明ながら、どうにか球体を視認できたコウイチは操縦桿を駆使してかわす。 「オーシャン・ベース、解析を!」 『今やってる!』 イオリの声が飛んだ。 オ…ォ…オオ… 口を傷つけられた怪獣から搾り出すような唸り声が響く。と同時に、再…

第1話/シーン7

ベルトに取り付けられた小型ツールボックスから、コアシューター用のカートリッジを取り出す。 金属端子が露出し、分かりやすく稲妻を模したアイコンがついたそれは、スタン・ガンカートリッジだ。 「アナライズ、ロックオンモード」 パイロットが装着してい…

第1話/シーン6

機体後部、浮力を生み出す要たるGCSを破壊され、シンジロウのファイターフォースが失速していく 「空気が…“裂けた”だとぉッ!?」 シンジロウの表情が驚愕に歪む。 「GCS出力低下…ちっ、仕方ねぇ! 前方の小島に胴体着陸を慣行するッ!」 黒煙を上げな…

第1話/シーン5

グォォォォォォォォン!!! 怪獣の雄叫びが海原を揺るがす。 「…!」 コックピットの計器が異常を示し、コウイチは戦慄した。 「“怪獣”から高エネルギー反応!何か来る!!」 再び怪獣が吠える。刹那、その音波が突風と化し、男たちの翼に襲いかかる。 「総…

ドキュメントF.O.R.C.E.:そのに

登場人物紹介☆ ロバート・アシュレー オーシャン・ベースの最高責任者。アメリカ出身で軍の教官を務めていたこともある。 穏やかな物腰で柔和な印象を与える笑顔の持ち主。常に大局を捉え、チームメンバーを率いる良きリーダーである。33歳。 ※ウルトラシ…

第1話/シーン4

オーシャン・ベースを構成する人工島が展開し、基地が擁する全ての戦闘機が発進体勢をとる。 「ファイターフォースGCS、発進!」 「同じく、テイクオフ!」 「…スタート」 3機のファイターフォースが各々のパイロットの声に応えるようにアイドリングを開…

第1話/シーン3

「セガワ・コウイチ」 「タキダ・シンジロウ」 「「只今戻りましたっ!!」」 オーシャン・ベース内、ブリーフィングルームに飛び込むコウイチとシンジロウを、TEAM-F.O.R.C.E.の面々が迎える。 「よし、全員揃ったところで…イズミくん、現状の説明を」 金髪…

ドキュメントF.O.R.C.E.:そのいち

登場人物紹介☆ アキヅキ・イオリ(秋月伊織) TEAM-F.O.R.C.E.のメカニック。幼少期にアメリカに滞在していた時期があり、この間に飛び級を重ね、12歳のときにMITまで主席卒業してしまうほどの天才少女。また、同時期に幾つかの博士号も取得している。現在…

第1話/シーン2

TEAM-F.O.R.C.E.用に設けられたテストフライトエリアは、太平洋上に数箇所存在する。 メンバーの一人であるタキダ・シンジロウがテストフライトを行っていたのはその内のひとつのはずだった。 「…あれ?」 が、現場に急行したコウイチの前に、シンジロウが乗…

第1話/シーン1

滑走路の奥、格納庫から人影が飛び出す。 ところどころ機械油で黒く汚れたツナギの作業着に身を包む14、5歳くらいの少女が、息せき切ってコウイチの方へ駆けていく。 「おー、イオリ。お出迎えごくろー…さ……?」 ひょいと手を挙げるコウイチをスルーし、…

第1話・アバンタイトル

―――時は近未来。 地球全土で不可解としか言いようの無い異常気象・異常現象が多発。 さらには、謎の巨大生物…怪獣…の目撃例も報告されるなど、人類は、未知なる恐怖に晒されようとしていた。 事態を重く見た国連は全世界規模でSDF・地球防衛連合を組織。…