「……イチ…ウイチ…」
声が…聞こえる…
「コウイチってばぁ!!!」
次の瞬間、キンキン声が至近距離で響き、コウイチの意識が跳ね上がった。
「な…?」
身体は起こせなかった。鈍痛が全身を支配し、指一本動かすのすら億劫だ。
僅かに感じる揺れと、眼前に浮かぶ空が、自分の身体が担架に乗せられ運ばれていると教えていた。
「…イ…オリ…?」
そして。
自分の名を叫ぶ、幼なじみ。
今にも泣きそうな、若しくは怒りそうな顔で。
ああ、そうか。
合点がいった。
「…悪いな。お前の造ったVFS、墜としちまってよ」
自分自身はなんとか無事だったが、機体に傷をつけてしまった。
コイツが、全身全霊をかけて造り上げた、大事なモノだっていうのに。
「ホントに…すまん」
「…バッカぁ!!!」
謝っていたのに、怒られた。
「はぁ…?」
「機械なんて、直せば済むじゃない! でも…でも! コウイチは死んだら戻ってこないのよ!?
大怪我したら、治んないかもしんないのよ!
なのになんで、自分よりシルエットのこと心配してるのよぉ…!」
瞳に大粒の涙を浮かべながら、コウイチを罵倒するイオリ。
「…そう、だな」
ズキズキする右腕をムリヤリに持ち上げ、イオリの頭をぽふっと撫でる。
「悪い。心配…かけた」
「べっ…! 別に心配なんか…」
頬を紅く染めてそっぽを向いた。
「さぁ、早く戻りましょう。一刻も早くセガワ隊員を休めないと」
担架を持っていたクルーの一人が急かした。イオリは頷くと、コウイチから離れ、乗って来たヘリへと戻る。
「タキダ隊員、戻りますよ!?」
「…あ、ああ」
珊瑚礁でぼーっと突っ立っていたシンジロウに、もう一人が声をかけ、担架に乗ったコウイチをヘリへ運んでいった。
「…銀色の巨人、か…」
まるで…
「―――みたい、だな」
最後にシンジロウが呟いた言葉は、海風に消されて飛んでいった。
ウルトラマンスパーク・第1話:了
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怪獣、そして巨人の出現から数日。
休暇をもらったコウイチはイオリとともに市街へと向かう。
ところが、そこでまた新たな怪獣が現れ―――!
次回「その名はスパーク」
その魂に輝きを込めて、立ち上がれウルトラマン!
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はい、お待たせしましたの第1話・完!
はたして今後ちゃんと続くのか否か…(蝶トオイメ
まぁ、がんばってみるかな。
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↑web拍手です。次回への希望を抱いて、今後もがんばりますよ(謎