コウイチからの一報を受け、すぐさまオーシャン・ステーションから3機のファイターが飛び立つ。
「やれやれ…続けざまに怪獣出現たァな。こちとらまだ十分な武装はねえってのによ…」
「仕方あるまい。もともとF.O.R.C.E.は戦闘に特化したチームじゃない。そんな我々が兵器を大量に所持していても、世論を敵に回すだけだ」
「ま、そー言ってる状況でもないけどな。近くチーフが上にかけあうってさ」
「仕方あるまい。もともとF.O.R.C.E.は戦闘に特化したチームじゃない。そんな我々が兵器を大量に所持していても、世論を敵に回すだけだ」
「ま、そー言ってる状況でもないけどな。近くチーフが上にかけあうってさ」
『各機、無駄口を慎め。今回は市街地でのミッションだ。僅かなミスが人的な被害をもたらすことを念頭においておけ!』
スピーカー越しに低く響くロバートの声に、3人がそれぞれ了解の意を返す。
「こちらシンジロウ機。コウイチ、聞こえっか?」
『あ、はい!』
『あ、はい!』
シンジロウの声を聞き、コウイチが通信を返す。
「今どこ…って、怪獣のお膝元かよ!?」
コウイチの通信機のGPS信号は、怪獣の熱源反応のすぐそばにあった。
「とりあえず、そこから離れろ! 俺達は怪獣の注意をこっちに引き寄せる!」
『それが、まだ避難が完了してなくて…』
「なにぃ!?」
『それが、まだ避難が完了してなくて…』
「なにぃ!?」
サブモニタからの映像を拡大させる。逃げ惑う人々の影はまだ数十人確認できた。
『俺はここで、避難誘導を続けます。シンジロウさんたちは、怪獣をひきつけて!』
「簡単に言ってくれるな…」
『元イーグル・ドライバーは伊達じゃないんでしょう?』
「簡単に言ってくれるな…」
『元イーグル・ドライバーは伊達じゃないんでしょう?』
コウイチに言われて、シンジロウがんぐ、と口を噤む。
3機のファイターフォースがくるりと回り、散開する。
地面すれすれの低空飛行をするエドワード機とアルベルト機が、怪獣の鼻先まで近づき、激突寸前で見事に旋回し、怪獣をたじろがせた。
「よそ見してんじゃねえぜッ!」
2機を目で追う怪獣に、今度は背後からシンジロウ機が近づいてその後頭部に機首のマシンガンを叩き込む。
痛みに激昂した怪獣が、視線を完全に上に向け、3機の進行方向に向けて進みだした。
「よし、今のうちか…」
「周りの人の避難、終わったわよ!」
「周りの人の避難、終わったわよ!」
飛び去るファイターフォースと、それを追う怪獣を見届けるコウイチに、イオリが声をかける。
「って、イオリ!? なんでお前避難してないんだよ!」
「避難誘導してたのよ! 私だって、TEAM-F.O.R.C.E.の一員なんだから!」
「そりゃそうだけど…」
「避難誘導してたのよ! 私だって、TEAM-F.O.R.C.E.の一員なんだから!」
「そりゃそうだけど…」
使命に篤いのは感心だが、これと言って訓練を受けていないイオリをこれ以上現場にいさせるわけにはいかない。
「いいから先に避難してろ。俺は他に逃げ遅れた人がいないか……!」
突然、足元が揺らぐ。見る間に周囲のアスファルトが崩れ、がくん、とコウイチの体が宙に浮く。
「な…!?」
(落ちる…!)
はっとなってイオリを見る。そばにいた彼女も崩落に巻き込まれかけ、その身を下に向けかけていた。
「くっ…!」
足に力を込め、アスファルトの破片を蹴って飛ぶ。
「イオリっ…!」
バランスを崩しかけたイオリの肩を掴み、力任せに押し出す。イオリの体がふわりと浮き、崩壊を免れたアスファルトの地面に転がった。
「あうっ! ……痛たたた」
強かに打ちつけた腰をさすっていたイオリが、自分の無事に気づき、今度はコウイチのいた場所を思い出す。
「コウイチっ!」
「逃げろっ、イオリ!」
「逃げろっ、イオリ!」
落下しながらもそう叫びながら―――
「コウイチぃぃぃぃぃぃっ!!!」
ガレキの中に、その姿が消えた。
-つづく-
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劇中でのエドとアルの飛び方は、フォーメーション・ヤマトをちょっと意識してみたり。いやまぁ、文章で再現しにくいですがw
崩落に巻き込まれ、落ちたコウイチの命運やいかに?
次回に続く!
次回に続く!