「……よし、これで検査は終了ね」
様々な医療機器から流れる電子音のオーケストラをバックに、妙齢の女性がそう告げる。
「ありがとう御座います、先生」
頭を下げるコウイチが、ちらりとカルテを盗み見るが、ドイツ語で書き殴られたそれは、判別するにはかなりムリがあった。
様々な医療機器から流れる電子音のオーケストラをバックに、妙齢の女性がそう告げる。
「ありがとう御座います、先生」
頭を下げるコウイチが、ちらりとカルテを盗み見るが、ドイツ語で書き殴られたそれは、判別するにはかなりムリがあった。
「あー、心配御無用よコウイチ君。筋骨、神経、内蔵諸々異常なし! 底抜けに健康優良児ってとこね」
先生と呼ばれた女性…ナナセ・リョーコ…がからからと笑う。
「…というか、脱出できずコックピットの中に閉じ込められたまま不時着したんだから、いくらシートベルトつけてても打ち身の一つくらいあってもよさそうなものだったんだけどねぇ…」
怪獣にシルエットフォースを傷つけられ、制御不能になった、次の瞬間…銀色の巨人として、空にいた自分。
一体何が起きたのか、あれから一晩経った今でも答えは出ない。
思考に沈むコウイチを、リョーコが手を叩いて引き戻す。
思考に沈むコウイチを、リョーコが手を叩いて引き戻す。
「ま、五体無事にいることはいいことだ。気にしない気にしない!」
おおよそ医者とは思いがたい…とも言いがたい発言をしつつ、リョーコがコウイチの背中を盛大に叩いた。
おおよそ医者とは思いがたい…とも言いがたい発言をしつつ、リョーコがコウイチの背中を盛大に叩いた。
「やれやれ……ん?」
はたかれた背中をさすりながら、脱衣カゴに置かれたモノに視線がいく。
「…先生、コレ…なんです?」
手に取ったそれをリョーコに見せる。ブレスレットと指輪であった。
「なんですもなにも…それ、あんたが着けてたものよ?」
「ええ?」
「運ばれて来たときにも着けててね、検査の邪魔になるから外してたのよ。なに、イオリちゃんあたりからのプレゼント?」
若いっていいわねーと笑うリョーコをよそに、改めてブレスレットと指輪をまじまじと見る。購入した憶えも、プレゼントされた憶えも無い代物だ。
ただ、指輪にはめ込まれた石の輝きは、なぜか見覚えがあった。
「ええ?」
「運ばれて来たときにも着けててね、検査の邪魔になるから外してたのよ。なに、イオリちゃんあたりからのプレゼント?」
若いっていいわねーと笑うリョーコをよそに、改めてブレスレットと指輪をまじまじと見る。購入した憶えも、プレゼントされた憶えも無い代物だ。
ただ、指輪にはめ込まれた石の輝きは、なぜか見覚えがあった。
「光……」
しばらく考え、それらを身に付ける。
何故だか、それをつけていないといけない気がしたのだ。
左腕と、右手の中指に着けられたそれらは、まるで何年も前から着けているかのように馴染んだ。
何故だか、それをつけていないといけない気がしたのだ。
左腕と、右手の中指に着けられたそれらは、まるで何年も前から着けているかのように馴染んだ。
「コウイチー?」
と、医務室の扉が開き、ひょっこりとイオリが顔を出す。
「検査終わ………った…………?………」
が、コウイチの姿を目にしたとたん、硬直し、顔がみるみる赤くなっていく。
「おう、終わった終わった……って、どうした、イオリ?」
様子のおかしい従妹に近づくコウイチ。イオリは目を白黒させたのち、激昂した。
「バッカじゃないの!!!」
そう言うなり医務室を飛び出す。ややあって自動ドアーが閉じ、コウイチはひとりぽつねんと取り残される。
様子のおかしい従妹に近づくコウイチ。イオリは目を白黒させたのち、激昂した。
「バッカじゃないの!!!」
そう言うなり医務室を飛び出す。ややあって自動ドアーが閉じ、コウイチはひとりぽつねんと取り残される。
「……なんなんだ、イオリの奴……?」
訝しげに呟く、トランクス姿のコウイチであった。
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1話完結から1年半。
ようやく2話スタートですw
ようやく2話スタートですw
…待たせすぎだろう常考。
穴掘って埋まってきますorz
構想は前からあったのであとは書くだけだったんですけどねー。
いかん、またもサボリ癖を露呈してしまった…
良くも悪くも、1日1本チャレンジの影響が出ておりますw
今回の敵怪獣は地震怪獣ということで。
ドキュメントに似たような奴いたかな…?