総あとがき~戦友(とも)に捧ぐ凱歌~
牙狼剣は、時間さえ斬り裂く―――
小説版で、この言葉を初めて目にしたとき。
それなら、斬が振るう紅蓮斧は何を切り裂けるのだろう?
その答えを、ずっと追っていた。
シーン15を書き終えたとき…
紅蓮斧が斬り裂いたのは…否、斬り拓いたのは、己が運命だったのだと。そう思った。
とうの昔にシナリオが上がり、演出をし、カメラワークを模索し、全てを把握しているつもりでも。
僕は斬のこと、紅蓮騎士のことの、その半分もまだ理解していなかったンだ。
当初、斬は真に孤高の人物であった。
もちろん、かなみとエウルディーテをめぐる物語はすでに構想にあった。
彼は、その最後の最後まで、独りで戦い抜く…そのはずだった。
でも、そんな彼に手を差し伸べてくれたヤツらが居た。
赤銅騎士・朱狼…暁紅牙であり、一橋天翔だ。
独りぼっちで闘っていた男は、仲間を得、勝利を得た。
もし、斬が彼らに出会うことなく闘い続けていたら…どうなっていたのだろう。
それは今となっては、作者である僕ですら分からないけれど。
でも、きっと。
今以上の「幸せ」を得ることは、できなかったんじゃないだろうか。
本当に彼らには感謝したい。
そして、彼らという存在を生み出した小笠原さん、緋摺さんにも。
最後になったが、本作を書くきっかけを作ってくれた戦友にも、改めてお礼を言わせてもらおう。
―――ありがとう、ザルバ。
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