炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

紅蓮騎士篇:総あとがき

総あとがき~戦友(とも)に捧ぐ凱歌~


 牙狼剣は、時間さえ斬り裂く―――

 小説版で、この言葉を初めて目にしたとき。
 それなら、斬が振るう紅蓮斧は何を切り裂けるのだろう?
 その答えを、ずっと追っていた。

 シーン15を書き終えたとき…
 紅蓮斧が斬り裂いたのは…否、斬り拓いたのは、己が運命だったのだと。そう思った。

 とうの昔にシナリオが上がり、演出をし、カメラワークを模索し、全てを把握しているつもりでも。
 僕は斬のこと、紅蓮騎士のことの、その半分もまだ理解していなかったンだ。


 当初、斬は真に孤高の人物であった。
 もちろん、かなみとエウルディーテをめぐる物語はすでに構想にあった。
 彼は、その最後の最後まで、独りで戦い抜く…そのはずだった。

 でも、そんな彼に手を差し伸べてくれたヤツらが居た。
 赤銅騎士・朱狼…暁紅牙であり、一橋天翔だ。
 独りぼっちで闘っていた男は、仲間を得、勝利を得た。

 もし、斬が彼らに出会うことなく闘い続けていたら…どうなっていたのだろう。
 それは今となっては、作者である僕ですら分からないけれど。


 でも、きっと。
 今以上の「幸せ」を得ることは、できなかったんじゃないだろうか。

 本当に彼らには感謝したい。
 そして、彼らという存在を生み出した小笠原さん、緋摺さんにも。

 最後になったが、本作を書くきっかけを作ってくれた戦友にも、改めてお礼を言わせてもらおう。





 ―――ありがとう、ザルバ。




----------------------------------------------

 http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=homurabe
 ↑web拍手です。今一度読み直して、感想とか頂けるとマジで嬉しいです。