―――待ちに待った放課後が来た。
大急ぎで飛び出した私は、いつもどおりに康助さんのところへ向かう。
今日も一緒に帰って…そ、そろそろ手くらい繋いじゃってもいいかな…な、なんて思ってみたり。えへへ……。
…あ、康助さんいた!
丁度教室から出るところだったみたい。うん、今日もタイミングばっちり。
丁度教室から出るところだったみたい。うん、今日もタイミングばっちり。
「こーすけさ……」
かけようとした声が止まる。
……瑞希さんと、一緒だ。
咄嗟に物陰に隠れて、様子を窺う。
…あれ? なんでわたし、隠れてるんだろう?
…あれ? なんでわたし、隠れてるんだろう?
「遊園地?」
「あ、うん。ゆ、優待チケット手に入ってさ。2枚。一人で行くのもなんだし……もし良かったらなんだけど、今度の日曜…どうかな?」
少しどもりながら、康助さんがそう言う。これって…もしかしなくてもでーとのお誘い…だよね?
「あ、うん。ゆ、優待チケット手に入ってさ。2枚。一人で行くのもなんだし……もし良かったらなんだけど、今度の日曜…どうかな?」
少しどもりながら、康助さんがそう言う。これって…もしかしなくてもでーとのお誘い…だよね?
「ほ、ほんと!? は、はは…良かったあ…」
康助さんも嬉しそうな笑顔を見せる。
康助さんも嬉しそうな笑顔を見せる。
…康助さんの笑顔は好きだけど、今は…なんかヤだ。
「それじゃ、日曜。駅前で…そうだな」
「10時くらいでいいかな?」
「あ、うん。それで」
「10時くらいでいいかな?」
「あ、うん。それで」
楽しそうに会話する二人。完全に出るタイミング、逃しちゃったな…
「……康助さんと遊園地、かぁ」
「ふむふむ。アイツも結構積極的になりおったのぉ」
「あの杠葉をデートに誘うだけならいざ知らず、承諾までされたとはね。こいつは脈アリと見ていいんじゃねえ?」
「あの杠葉をデートに誘うだけならいざ知らず、承諾までされたとはね。こいつは脈アリと見ていいんじゃねえ?」
―――背後から声!?
「…って、藍川さんに狩野さん」
びっくりしたぁ。いつの間に背後にいたんだろう。くノ一としての自身がちょっと揺らいでしまう。
びっくりしたぁ。いつの間に背後にいたんだろう。くノ一としての自身がちょっと揺らいでしまう。
「気になる?」
藍川さんの言葉が胸に刺さる。…気になる。ものすごく。
「ふむん。……じゃ、着いてってみようぜ」
…え? 着いて行くって…お二人にですか?
いや、でもデートのお邪魔になるわけには…
藍川さんの言葉が胸に刺さる。…気になる。ものすごく。
「ふむん。……じゃ、着いてってみようぜ」
…え? 着いて行くって…お二人にですか?
いや、でもデートのお邪魔になるわけには…
「こっそり行って、遠くから見物…もとい、見守るンだよ。ま、要は尾行だわな。俺らも康助と杠葉のことは気になるし。…な、風間」
「なっ!? …だから私に振らないでよ」
縁ちゃんまで…。
「で、どうする?」
「なっ!? …だから私に振らないでよ」
縁ちゃんまで…。
「で、どうする?」
……康助さんと瑞希さんのデート。
あの二人の仲良いところを見るのは…ちょっとヤだけど…
「…行きますっ。行きますです!」
逆にこれはチャンスかもしれない。
康助さんの好きなものとか、いろいろわかるかもしれない。
そうしたら、わたしだって……!
康助さんの好きなものとか、いろいろわかるかもしれない。
そうしたら、わたしだって……!
「うし、決まりだな。じゃ、10時前に現地集合ってことで」
「変装して行った方がいいか?」
「目立たないようにしとけよ。尾行ばれたら意味ねーんだから
さ」
「変装して行った方がいいか?」
「目立たないようにしとけよ。尾行ばれたら意味ねーんだから
さ」
大丈夫。わたしはこれでもくノ一。尾行だってお手の物だもんっ。
「…すずっち?」
「がんばりましょうね、縁ちゃんっ!」
「…え? あ、ああ……うん」
「がんばりましょうね、縁ちゃんっ!」
「…え? あ、ああ……うん」
康助さん。……覚悟しておいてくださいですですっ!
かのくの:そのよん/トラブる遊園地
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康助が思いのほかハイスペックになってきた…
俺こんな風にさらっとデートになんか誘えねえよorz
俺こんな風にさらっとデートになんか誘えねえよorz
…いやまあ、それでも康助いっぱいいっぱいだったと思うけどね。