「ねぇねぇゆうきくん、この問題なんだけど…」
「んーと…これは、ほら、この式にこの値を代入して……」
「んーと…これは、ほら、この式にこの値を代入して……」
自室の中央に設けたちゃぶ台に、顔つき付け合せて勉強。
俺の隣にいるのは、できたばかりの彼女―――柊つかさ。
あ、固まった。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………あ」
「…………?」
「…………?」
「アーマード銀閣寺!」
…………なんだそりゃ。
くえすちょん☆ふろむ ゆー
さて、一応説明しておこう。
なぜ、俺の部屋でつかさと二人して勉強中なのか。
なぜ、俺の部屋でつかさと二人して勉強中なのか。
まぁ、簡単に言ってしまえばテスト勉強だ。
桜藤祭が終われば、すぐに期末考査が始まる。かがみさん曰く、そうとうヤバい位置にいるらしい成績のつかさ。この時期に、うっかり赤点でも取ろうものなら目も当てられない。
というわけで勉強会をしよう、という話に至ったのだ。
というわけで勉強会をしよう、という話に至ったのだ。
……が。
当初、俺を含む5人でという話になる…と思っていたのだが、かがみさんをはじめ、残りの面々が何かと理由を付けて参加できないと言い出し、さらにこなたさんの提案で俺の部屋でつかさとふたりっきりでする、ということになったのだ。
「いやぁ、私たちとしては、馬に蹴られたくは無いしさぁ?」
とは、こなたさんの弁である。
とは、こなたさんの弁である。
「つかさはあんなだけど、一生懸命なところはあるから、じっくり教えてあげれば伸びるはずよ」
そう助言してくれたかがみさんは、最後に
「……二人きりだからって、ヘンなことはしないように」
そう助言してくれたかがみさんは、最後に
「……二人きりだからって、ヘンなことはしないように」
と釘を刺してきた。
・
・
・
・
・
「…あ、ゆうきくんゆうきくんっ、この答え、間違ってない?」
「え? ……あ、ホントだ」
うーん、いかんな。
近くに恋人がいるって、落ち着きすぎて、勉強に身が入らなくなりそうだ。
というか、よもやつかさに間違いを指摘されるとは思わなかったな。
「……あ、ゆうきくん、ちょっと失礼なこと考えてる?」
「……イヤマサカ」
「え? ……あ、ホントだ」
うーん、いかんな。
近くに恋人がいるって、落ち着きすぎて、勉強に身が入らなくなりそうだ。
というか、よもやつかさに間違いを指摘されるとは思わなかったな。
「……あ、ゆうきくん、ちょっと失礼なこと考えてる?」
「……イヤマサカ」
鋭くなっている…。このつかさ、デキるようになった!?
「あ、問題でーす」
「お、よしこい」
ところで、今俺たちは少し変則的な勉強スタイルをとっている。
ひたすらに数式をときながら、日本史や物理などの暗記を要する部門の問題をお互いに突発的に出し合い、答え合っていくものだ。
こなたさんの発案なのだが、これが中々どうして刺激になるし、面白い。クイズ形式みたいなものだろうか。
「ええと、元素周期表の、12番は?」
む、微妙なところを突いてくるなァ。
えー、水兵リーベ……
「あ、マグネシウムだな」
「うん、正解~」
にっこり笑って拍手するつかさ。ちょっと嬉しい。
「…ん? あ、つかさ。ここ間違えてる」
「え? どこどこ?」
「ほら、ここ。あー、解いてる内に式がズレちゃってるんだな」
「ええと……?」
「そうそうそこ……あっ」
「お、よしこい」
ところで、今俺たちは少し変則的な勉強スタイルをとっている。
ひたすらに数式をときながら、日本史や物理などの暗記を要する部門の問題をお互いに突発的に出し合い、答え合っていくものだ。
こなたさんの発案なのだが、これが中々どうして刺激になるし、面白い。クイズ形式みたいなものだろうか。
「ええと、元素周期表の、12番は?」
む、微妙なところを突いてくるなァ。
えー、水兵リーベ……
「あ、マグネシウムだな」
「うん、正解~」
にっこり笑って拍手するつかさ。ちょっと嬉しい。
「…ん? あ、つかさ。ここ間違えてる」
「え? どこどこ?」
「ほら、ここ。あー、解いてる内に式がズレちゃってるんだな」
「ええと……?」
「そうそうそこ……あっ」
式を指し示す、俺とつかさの指先が、触れる。
「あっ……ふあっ」
それに驚いたつかさが、不意に足を動かし、今度は膝小僧同士が触れ合う。
「あ、ご、ごめ…」
「あ、いや……」
ふと顔が向き合い、目と目が合う。
それに驚いたつかさが、不意に足を動かし、今度は膝小僧同士が触れ合う。
「あ、ご、ごめ…」
「あ、いや……」
ふと顔が向き合い、目と目が合う。
恋人同士になったとはいえ、まだ一月ちょっと。
こういう風に突発的に触れてしまうと、お互い照れくさくなってしまう。
こういう風に突発的に触れてしまうと、お互い照れくさくなってしまう。
……まあ、逆を言えば、“そう言う雰囲気”になってしまえばいくらでもいちゃつける自信はあるのだが。
「……ゆう、き、くん……」
「つ、かさ……」
「つ、かさ……」
そして今、まさに今、“そう言う雰囲気”になっているわけで……。
つかさの瞳に、俺が映る。きっと、俺の瞳にはつかさが映ってる。
「……っ」
すっ、と。自分の視線が、つかさの唇へと移る。ふんわりと柔らかく、甘い、俺にとって、つかさの好きな部分のひとつ。
…いい、よな?
……そりゃ、俺たち付き合ってんだし。恋人同士なんだし。
………っていうか、既に何度もしてるんだから今更迷うな俺。
……そりゃ、俺たち付き合ってんだし。恋人同士なんだし。
………っていうか、既に何度もしてるんだから今更迷うな俺。
…………よし。
つかさに顔を近づけようとすると、ぴと、とつかさの指が俺の口元を押さえた。
「も、問題ですっ」
「…ん?」
「…ん?」
一呼吸して、問いかける。
「あの日から、ゆうきくんは私に、何回キスしてくれたでしょうか?」
……え?
「制限時間は、10秒!」
や、ちょ、うそ! ちょ、ソレ短い!
「じゅーう、きゅーう、はーち…」
ええと…“あの日”ってのは桜藤祭の日…俺たちが付き合うようになった日のことだろ? それから、ン日経ってるわけで……大体1日に1回はキスしてるよな…ああでも日曜とかたまに一緒にいない日もあるし、デートの時には3回くらいしたこともあったような………ええとええとええとえーとエートEETO!!?
「にーぃ、いーち、ぜろ!」
うわぁ……
「ぶー、時間切れ~」
ぷぅ、とほっぺを膨らませるつかさ。
「ひどいよゆうきくん……」
「いや、そう言われてm……返す言葉もありません」
ただ、やっぱり普通は憶えてないと思うぞ……。
「いや、そう言われてm……返す言葉もありません」
ただ、やっぱり普通は憶えてないと思うぞ……。
「答えは……」
いたずらっぽく笑ったつかさが、不意打ちのように俺の唇を奪う。
「これで…49回目」
…ウソ、憶えてるの?
「女の子はね……」
照れくさそうに、顔を真っ赤にして微笑むつかさ。
「結構こういうの、憶えてるものなんだよ?」
それから、と一呼吸置いて。
「彼氏…さんにも、ちゃんと憶えていて欲しい、って思ってるの」
その笑顔が、すごくいとおしい。
キスの回数を覚えておけ……なんて随分と無茶な注文だが、つかさのために、ずっと憶えていてあげたい。
…そんな風に、思ってしまう。
…そんな風に、思ってしまう。
「……うん、憶えとくよ」
だから……ってワケでもないけど。
「んっ」
「…ふぁっ」
「…ふぁっ」
今度はこっちから不意打ち。
記念すべき50回目のキスを、胸の奥に刻んだ。
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今回は久々に恋人になって日の浅い時期のネタ。「想い出のつづき」シリーズの時間軸にやや近い、正当な意味での後日談っぽく(?
実際に本編劇中でこなたも言ってますが、ナカヨシの男女が同じ空間でふたりきりで勉強なんかしてもはかどるわけがないと。
……実体験? アルワケナイジャナイデスカ(超棒読み
……実体験? アルワケナイジャナイデスカ(超棒読み
ちなみに、キスの回数云々及び「アーマード銀閣寺」ネタは、某エロ漫画家さんより拝借。
あ、言っとくけど「アーマード銀閣寺」を直接検索してもその漫画家さん本人にはすぐ行き着かないぜ?
あとできれば調べないで。俺の趣味がバレる(ぉ