炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【二次創作】らき☆すたSS書庫

【桜藤祭】こーる まい ねーむ ☆ うぃず らぶ【みゆき】

朝の日差しが日に日に穏やかになっていくのがわかる。 高校卒業を経て、大学に入って、数週間。 この日差しも、もうすぐじりじりと灼けつくものになるだろう。 そうすれば、あっという間に夏だ。 僕が“彼女”と過ごす、初めての季節が――くる。 「あ、おはよう…

【桜藤祭SS】ぐっどないと☆こーる【かがみ】

自分の席に着いたとたん、あくびがこぼれた。 「ん、寝不足か柊?」 同じ講義を取っていたらしいが声をかけてきた。 「ん、まーね」 「夜更かしは美容の大敵だぜ~? ま、その点あたしはちゃーんと寝てるけどなっ」 …あんたの場合、課題もせずに寝てるんだろ…

【らき☆すた掌編】おーたむ☆ぶらいど【桜藤祭/つかさ】

高い高い、青い秋晴れの空。 暑くも寒くも無い、穏やかな気候である今このときは、読書や運動に最も適した季節とされ、○○の秋、などとよく称される。 そんなひとつに、結婚があるそうだ。 なんでも、6月のジューンブライドにつぐ需要があるとか無いとか。 …

【らき☆すた掌編】はんど☆せらぴー【桜藤祭/ゆたか】

「遊園地? …うんっ、行きたい!」 「じゃ、今度の日曜日、10時に駅前でだね?」 「……遅刻しちゃダメだよ、お兄ちゃん」 小さな恋人が、にぱっと笑顔で小指を差し出すので、きゅっと指切りして。 当日が楽しみだ。 ・ ・ ・ で、当日である。 「……遅いなぁ…

【掌編】ぐるーみんぐ☆あっぷ【桜藤祭/つかさ】

「あれ?」 「あ」 いつもよりちょっと早い登校。 教室の扉を開き、やったぜ一番乗り…かと思いきや。 「おはよ、つかさ」 「おはよ~。今日は早いんだねえ」 今日は早く目が覚めて。特にやることもないのでってやつだ。 「そういうつかさこそ早いじゃない」 …

【らき☆すた掌編】ぶらいんど☆たっち【桜藤祭】

放課後。 無人の教室に、一人残る俺。 「…………」 机の上に広げられた、分厚いハードカバーの本の中に宿る世界に、思いを馳せ、活字を追いかける。 「……ふぅっ」 やがて、全てのページを読み終えた俺は、溜息と共に本を閉じる。ぽんっと、乾いた音が誰もいない…

【短編】なつぞら☆ぐらふぃてぃ<後編>【桜藤祭/こなた】

「夏だ!」 身体にまとわりつく、これでもかってくらいの熱気。 「海だ!」 白い砂浜、穏やかながら力強く波打つ水面。 「たーいよーうだーっ!!!」 そして、燦々と降り注ぐ、熱を帯びた光。 まさに、夏。 海水浴場に着くなり、大声で叫びたくもなるだろう…

【短編】なつぞら☆ぐらふぃてぃ<前編>【桜藤祭/こなた】

わしゃわしゃ、しゃーしゃー、じーわじーわ。 セミの大合唱が耳を劈くようになると、陽射しの強さ以上に、ああ今年も夏が来たんだなァ、と思う。 額に滲む汗をTシャツの袖で拭い、俺は駅のコンコースで溜息をつく。 「遅いな……」 予定の電車はあと5分ほど…

【らき☆すた掌編】らぶらぶ☆ぷれす【桜藤祭/みゆき】

「おはよう、みゆきさん」 「おはようございます、ゆうきさん」 とある交差点の一角での、いつもの光景。 “あの日”から、俺たちはここで合流して一緒に学校に行く。 特に約束したりとかじゃなく。いつの間にかって感じで。 そして、もうひとつ“いつもの”。 …

【桜藤祭】すけっち☆すいっち【ひより/誕生日記念】

陽射しが日を追って少しずつ鋭くなり、太陽の下を歩くだけで汗ばむようになって来た。 そろそろ差し入れはアイスの方がいいのかな…なんて思いつつ、いつもより少し重い荷物を引っさげ、俺は歩きなれた道を歩く。 週末はひよりの家に赴き、創作活動に勤しむ彼…

【桜藤祭】くえすちょん☆ふろむ ゆー【つかさ】

「ねぇねぇゆうきくん、この問題なんだけど…」 「んーと…これは、ほら、この式にこの値を代入して……」 自室の中央に設けたちゃぶ台に、顔つき付け合せて勉強。 俺の隣にいるのは、できたばかりの彼女―――柊つかさ。 「あ、ここで問題。足利義政が造らせた―――…

【桜藤祭】すぷりんぐ☆ぶるーむ【パティ/誕生日記念】

「それじゃ、おヤクソクですヨ、ユーキ!」 「うん、約束ね」 にこやかに頷いて、パティが嬉しそうに走り去っていく。 「ん~?なんだいゆうきくん。密会のお約束かなにかな~?」 「なんで密会だよ。フツーにデートの約束だろ」 ニヤニヤとからかうこなたさ…

【掌編】うぉーみんぐはーと ☆ うぉーみんぐはんど【桜藤祭/ゆたか】

通り抜ける北風に、ポケットに手つっこんで身震いする。 隣を見ると、小さな体をさらに縮こまらせて健気にも寒さに耐える恋人の姿。 「…くちゅんっ」 …あんまり耐えられなかったみたいだ。 「大丈夫?」 身体が丈夫ではない彼女のことだ。この季節は僅かな油…

【掌編】カッコ☆かわいくネ?【こなた@桜藤祭】

北風が肌を突き刺す。寒さが身に染みる、という表現を体感しながら、俺は底抜けの青空に向けてほわっと白い息を吐く。 こんな日だってのに体育の授業は外だ。…いや体育館でやったって寒いものは寒いのだが。 ちなみに今日の授業内容はサッカー。男女に別れて…

【らき☆すた掌編】おんゆあ☆ぶっくまーく【桜藤祭/みゆき】

「……ん?」 「…あ」 いつもの帰り道。偶然、岩崎さんに出会う。 雑貨屋から出て来たようだ。小さな紙袋を胸に抱えている。 「買い物?」 「はい。……みゆきさんの…お誕生日に」 ……ああ、そういえばもうすぐだ。 「先輩も、用意されるんですよね? その……」 恋…

【掌編】しぇいむふるいず☆しぇいむふる【桜藤祭/みさお】

あるところに、小さな島が生まれました。 気がつくと同じような島がいくつか生まれ――― いつしかそれらの小さな島はお互いによりそって…… ひとつのとても大きな島になりましたとさ。 「うあー、いーたーいよぉー……」 しぇいむふるいず☆しぇいむふる 「…どした…

【掌編】きみとぼくの☆のくたーん【桜藤祭/みなみ】

―――せ~のっ 「「お誕生日、おめでとうっ!」」 クラッカーが二つ、乾いた音を弾けさせ、リボンが数本、ふわりと舞う。 「……あ、ありがとう……」 その先には、恥ずかしげに照れ笑いを浮かべる少女の姿。 彼女は、岩崎みなみ。 俺の、世界で一番大切な人。 き…

【掌編】きみのカタチを☆だきしめて【みさお/桜藤祭】

「なーなー、ゆうきっ」 「ん?」 「明日、私誕生日なんだゼ」 知ってますって。 峰岸さんから聞いたし、一月以上前から当のみさ本人からさんざん聞かされてきたからね。 もはや耳タコのレベル。 「プレゼントのリクエストでもあるの?」 「あー、えっとさ………

【掌編】さんくす☆ばーすでぃ【桜藤祭/つかさ】

「そういえば、もうすぐつかさの誕生日だよね?」 朝から無遠慮にじりじり照らす太陽を背に、そう問いかける。 「うん、そうだよ~」 懐っこい笑顔で、俺の恋人が答える。 「プレゼント、考えとかないとな…」 視線を上に彷徨わせて、喜んでくれそうなプレゼ…

【掌編】らぶいず☆すぇあー【桜藤祭/かがみ】

月が変わったと同時に、急に暑くなってきた。 梅雨はとうに明けて、陽射しは容赦ない夏のそれになっている。 それは夕方になって、日が翳っても変わらずで、むしろ重く湿った熱気がまとわりついてきて、タチが悪い。 「おつかれ、ゆうきくん」 でも、今まで…

【掌編】ぶーけっと☆ふぉーゆー【こなた】

いつもの、登校シーン。 あくびをかみ殺す俺と、その隣にこれまたあくびをかみ殺すこなた。 「ね、ゆーくんっ♪」 …と思ったら、今日はなんかやけに上機嫌だ。 「どうした?」 「…………」 と俺が聞くと、とたんに表情が沈む。 「…何?」 「…………んーん、なんでも…

【掌編】さんらいず おん ☆ にゅーいやーず でぃ【かがみ】

1月1日、元旦。 毎年のように神社は初詣客でごった返し、ニュースではやれどこどこの神宮で昨年を超える人出だとかどうとかとわめいている。 鷹宮神社も例外ではないようで、日付が変わったばかりの敷地内は、防寒着や晴れ着に身を包んだ参拝客でにぎわっ…

【掌編】げっとざ☆ふゅーちゃー【こなた】

「…進路?」 放課後。 なんとはなしにダベってた俺たちのところに、小早川さんたちがやってきた。 「はい。週末までに希望を提出しなさいって」 手にした洋半紙には、希望進路を幾つか書くような欄が描かれている。アンケートみたいな感じだろう。 あ、そう…

【中篇】あふたー あ すとーむ ☆ かむず あ かーむ/シーン2・R【かがみサイド】

「…ゆうきくんっ」 とぼとぼ歩く背中に、声をかける。 振り返る彼の表情は、いつになく沈んでいて、痛々しい。 「あ、かがみさんか…」 「開口一番、ごあいさつね」 はっぱをかけるつもりの軽口。それでも彼の表情は晴れない。 「…やっぱ、つらい?」 言わず…

【中篇】あふたー あ すとーむ ☆ かむず あ かーむ/シーン3【みさお】

―――それから、数日後。 駅ビルのスイーツショップにて行われる、ケーキバイキングの席に、私たちはいた。 「峰岸さん、かがみさん。今回は本当にありがとう。今日は俺が奢るからさ、好きなだけ食べてってよ」 ゆうきくんが、今回のお礼ということで招待して…

【中篇】あふたー あ すとーむ ☆ かむず あ かーむ/シーン2【みさお】

一旦家に寄って、みさちゃんちへ向かう。 いっしょに帰ろうかと思っていたけれど、とぼとぼと帰る背中に、声をかけ辛かった。 …友達失格かな、私。 出迎えてくれたおばさんに挨拶して、みさちゃんの自室へ。 軽くノックしても、反応はなし。入るわね、と声を…

【中篇】あふたー あ すとーむ ☆ かむず あ かーむ/シーン1【みさお】

目を、耳を疑った。 「もーしらねー! おまえなんか、勝手にしてろよっ!」 「ああ、勝手にするよ。じゃあな!」 目の前で、親友ふたりが声を荒げ… 互いに、背を向けた。 「ゆうきく…」 つかつかと足早に教室を出て行く彼を止める術を… 私は、持ち合わせてい…

【掌編】Kissing Santa Claus【パティ】

街のいたるところから、クリスマスソングがメドレーで流れる。 クリスマスツリーがイルミネーションで彩られ、世界中が赤と緑に染まってしまうような錯覚さえ覚えてしまう。 12月24日。 今日は、クリスマス・イヴ。 Kissing Santa Claus 「ゆうきくん、…

【SS】こなた☆好きだよ【らき☆すた~陵桜学園 桜藤祭】

…えー、大変なことになりました(滝汗 本文だけで5000文字オーバーしてしまい、ブログにupできないorz ↓とりいそぎ、upっときます。↓ http://island.geocities.jp/homurabe_2000/konakona.html …全力で詰め込みすぎたorz

【SS】ひより☆好き…っス【らき☆すた~陵桜学園 桜藤祭】

「……良かった。先輩、いた」 安堵の息といっしょに、声がこぼれおちる。 田村さんは、今にも泣きそうな笑顔で、俺の前にいた。 「約束、したろ?」 「はい…そうっスよね」 訂正。既に泣いてた。 目じりに涙の粒が浮かぶ。 「泣くことないじゃん」 「うぅ…そ…