炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【らき☆すた掌編】おんゆあ☆ぶっくまーく【桜藤祭/みゆき】

「……ん?」
「…あ」

 いつもの帰り道。偶然、岩崎さんに出会う。

 雑貨屋から出て来たようだ。小さな紙袋を胸に抱えている。

「買い物?」
「はい。……みゆきさんの…お誕生日に」

 ……ああ、そういえばもうすぐだ。

「先輩も、用意されるんですよね? その……」

 恋人、同士ですし。
 と、少し恥ずかしそうに岩崎さんがそう言う。

「まあね。もちろん」

 ……今の今まで思いついてもいなかった、ということは黙っておこう。

 さて、何にしようかな…?



    おんゆあ☆ぶっくまーく



 陽が傾くのが早くなり、放課後の図書室も、夕陽に彩られたいつもの風景から、ちょっと暗くなり始めている。
 そんな図書室の片隅に、彼女はいた。

「おつかれさま、みゆきさん」
 声をかけると、ふわりと俺に微笑みかけてくれる。なんというか、笑顔独占。

「大変そうだね、受験勉強」
「ええ。…でも、それほど苦ではありませんよ?」
 しれっと言ってのける。さすがだね。
 俺も頑張らないとな。

 …っと、そんな話するんじゃなくてだ。

「ええと…はい、これ」
 我ながら、なんとも色気の無い渡し方で、プレゼントの包みを差し出す。

「ああ…そういえば、今日は私、誕生日でしたね」
 すっかり忘れていました、と照れ笑いを浮かべる。
 あけてみてもいいですか? の問いに頷き、彼女のリアクションを待つ。

「……まぁ」
 穏やかな顔がさらにほころんだ。

 紅葉したカエデを押し葉にした、シンプルな栞。
 俺が選んだ、彼女へのプレゼント。

「これから、調べ物とか多くなるでしょ? 資料とか山積みにしたりさ」
 そんな彼女の、手助けに少しでもなれれば、なんて。
 それに、彼女は本が好きだ。読書のともにだってなる。


「恋人相手のプレゼントにしちゃ、ちょーっとしょぼいかも知れないけどさ」
「そんなことありませんよ。…ゆうきさんの想い、この中にしっかり入ってますから」
 しっかりとした口調で、みゆきさんがそう言う。
 ……なんか、すげー嬉しい。

「……ええと、ですから…ね」
 きょろきょろと、急に落ち着きなくあたりを見渡すみゆきさん。
 時間も時間なので、周りに生徒はいない。せいぜい図書委員の生徒が受付にいるくらいだが、ここからは死角だ。

「………そのぅ」
「?」

 みゆきさんの頬が桜色に染まる。

「あの、ちょっとだけ…後ろを向いてもらえますか?」
「? いいけど…?」
 言われるままに、彼女に背を向けると…

   ―――すっ

 ふわりと、背中に柔らかい感触。
 …って、俺に抱きついてる!?
「みっ、みゆき、さん?」
「ええと、ですね」
 恥ずかしそうに、みゆきさんが口篭る。


「とても嬉しかったです。……大好き」

「うん………俺もね」

 互いの体温がとても暖かくて。
 俺たちは最終下校時刻まで、そのままの体勢でくっついていた。




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 えー、盛大に遅れちまいましたが…みゆきさん誕生日おめー!

 10月25日ですよ。…6日遅れだよorz

 これ以上遅らすのはなんかプライドが許さないので(ぇ)書いたけど……

 むー、なんか薄味っぽい(滝汗

 またスランプか俺(蝶トオイメ


 …アレか、なんか色々忙しいのが精神的にヤヴァいのかな(言い訳


 ま、機会があれば手直ししてみよう。そうしよう。