「あれ?」
「あ」
「あ」
いつもよりちょっと早い登校。
教室の扉を開き、やったぜ一番乗り…かと思いきや。
教室の扉を開き、やったぜ一番乗り…かと思いきや。
「おはよ、つかさ」
「おはよ~。今日は早いんだねえ」
「おはよ~。今日は早いんだねえ」
今日は早く目が覚めて。特にやることもないのでってやつだ。
「そういうつかさこそ早いじゃない」
「今日は日直なの」
そう言われて黒板を見る。なるほど日直と書かれたコーナーにつかさの名前があった。
「そうか。まぁ、こんな時間につかさがいるなんておかしいと思ったよ」
「もぉ、それどういう意味?」
ぷぅ、と頬を膨らませてみせるつかさが可愛かった。
「今日は日直なの」
そう言われて黒板を見る。なるほど日直と書かれたコーナーにつかさの名前があった。
「そうか。まぁ、こんな時間につかさがいるなんておかしいと思ったよ」
「もぉ、それどういう意味?」
ぷぅ、と頬を膨らませてみせるつかさが可愛かった。
ぐるーみんぐ☆あっぷ
花瓶の水を入れ替えたり、窓を開けて空気の入れ替えをしたり、黒板を黒板消しで念入りにふき取ったり…これは俺も手伝った…一口に日直といっても、やることはちょこちょこあるのだ。
「ええと、こんな感じかな」
「おつかれ」
一息つくつかさに、ねぎらいの言葉をかけると、ありがとうと微笑む。…と、その柔らかな笑顔が微妙に変化した。む?なんか視線が俺の頭のほうを…?
「おつかれ」
一息つくつかさに、ねぎらいの言葉をかけると、ありがとうと微笑む。…と、その柔らかな笑顔が微妙に変化した。む?なんか視線が俺の頭のほうを…?
「寝癖、ついてるよ?」
「…うっそ!?」
ここ、ここ、とつかさが自分の頭を指差してみる。それに倣って自分の頭を触ってみると…うわぁ、マジだ。
「…うっそ!?」
ここ、ここ、とつかさが自分の頭を指差してみる。それに倣って自分の頭を触ってみると…うわぁ、マジだ。
「しょうがないなぁ」
くすくすと笑うつかさが、俺を手招きした。近づくと、自分の席に俺を座らせる。背後に立つ彼女の笑顔が、振り向かなくてもわかる。
「な、何?」
「頭、直してあげるね」
そう言って、俺の髪に触れる。すっ、と頭皮にむずがゆい感覚がして、櫛で髪を梳いているのだ、と認識する。
くすくすと笑うつかさが、俺を手招きした。近づくと、自分の席に俺を座らせる。背後に立つ彼女の笑顔が、振り向かなくてもわかる。
「な、何?」
「頭、直してあげるね」
そう言って、俺の髪に触れる。すっ、と頭皮にむずがゆい感覚がして、櫛で髪を梳いているのだ、と認識する。
二度、三度と櫛が髪を通り過ぎていく。時折触れる、つかさの指が、優しくてあったかくて、そして…ちょっと恥ずかしくてくすぐったくて。
「かゆいところ、ありませんか~?」
「ん、ないよー」
「ん、ないよー」
…なんか言うタイミングが違うような気もするけど、まあいいや。
「ゆうきくん、ちょっと髪硬いね」
「そう?」
「だから寝癖、ちょっと頑固なのかも」
「そう?」
「だから寝癖、ちょっと頑固なのかも」
鏡がないから、今自分の髪がどうなってるかはわからないが、何度も同じ場所を櫛が往復してるあたり、けっこう苦戦しているのかもしれない。
「んーと……よしっ」
できたよ、の声とともに、櫛と指が髪を離れる。ちょっと名残惜しいなぁ、なんて思ったりして。
「…へぇ」
さっき確認した寝癖の位置に手をやる。ずいぶんとすっきりしていた。
さっき確認した寝癖の位置に手をやる。ずいぶんとすっきりしていた。
「ありがとね、つかさ」
「んーん、これくらいだったらお安い御用だよ」
えへへ、と照れ笑いを浮かべるつかさが、もうこの上なく可愛い。
「んーん、これくらいだったらお安い御用だよ」
えへへ、と照れ笑いを浮かべるつかさが、もうこの上なく可愛い。
「……今度は俺がつかさの髪、してあげたいなぁ…」
「えー、なんか照れるからやだよぉ…」
……俺にしといてそーいうことを言いますかこのコは。
ならば無理矢理にでもやってやるのだ!
「ふっふっふっふっ…」
「えー、なんか照れるからやだよぉ…」
……俺にしといてそーいうことを言いますかこのコは。
ならば無理矢理にでもやってやるのだ!
「ふっふっふっふっ…」
振り返って、つかさにじりじりと近寄る。
「…ゆ、ゆうきくんなんか怖いよ…」
後ずさりするつかさ。
後ずさりするつかさ。
「おりゃー!」
「きゃぁっ」
「きゃぁっ」
一足飛びに近づいて、つかさのやわらかい髪をわしゃわしゃと撫でる。あっというまにぼさぼさになってしまう。
「もぉ…ひどいよぉ」
「ゴメン、ちょっと調子に乗りすぎた」
涙目で抗議するつかさに、思わず平謝り。
「ま、それはそれとして」
今度はつかさを椅子に座らせて、俺が彼女の髪を梳いていく。
「ゴメン、ちょっと調子に乗りすぎた」
涙目で抗議するつかさに、思わず平謝り。
「ま、それはそれとして」
今度はつかさを椅子に座らせて、俺が彼女の髪を梳いていく。
「……なんか、くすぐったいよぉ」
「む、ごめん」
「ううん、くすぐったいけど、それ以上に…なんかね、気持ちいいの」
自分の位置からはつかさの表情は見えなかったが、穏やかに微笑んでいるのはなんとなくわかった。
「む、ごめん」
「ううん、くすぐったいけど、それ以上に…なんかね、気持ちいいの」
自分の位置からはつかさの表情は見えなかったが、穏やかに微笑んでいるのはなんとなくわかった。
「…そっか」
そう聞いて、うれしくなって。
「…ふあ」
後ろからつかさを抱きしめて、髪を撫でる。
後ろからつかさを抱きしめて、髪を撫でる。
「幸せだなぁ俺…」
「も、もぉ…」
かわいらしく抗議するつかさも、まんざらではないようで、お腹に置かれた俺の手に触れ、きゅっと握った。
「も、もぉ…」
かわいらしく抗議するつかさも、まんざらではないようで、お腹に置かれた俺の手に触れ、きゅっと握った。
「WAWAWA忘れ物~……おはよー」
…と、唐突に扉が開かれ、ぴょこん、とアホ毛が…もとい、こなたさんが姿を現した。
「「「………あ」」」
そんなこなたさんと目が合う俺たち。
「……ふむん。お邪魔しちゃったみたいだね~」
「や、いやその、ちょっと待って!」
「あ、あのあのあのっ、これはねこなちゃん!」
「や、いやその、ちょっと待って!」
「あ、あのあのあのっ、これはねこなちゃん!」
慌てて弁解するが、彼女にとっては朝からスーパーいちゃいちゃタイムを見せ付けられただけであり、言い訳にしか聞こえていない。
「あー。そういや忘れ物してたんだっけ。んじゃ、ごゆっくり~」
思い出したように声をあげると、そのまま手をひらひらさせて教室を後にするこなたさん。
思い出したように声をあげると、そのまま手をひらひらさせて教室を後にするこなたさん。
あとには俺たちふたりがぽつんと残され……
「……少し、自重しとこうか」
「…そうだね」
「…そうだね」
お互いに、耳まで真っ赤になりながら頷きあうのであった。
-fin-
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プラモ組んでたら唐突に思い付いたシチュ。
スマン、ありゃウソだった(爆
いや、書くこと自体はウソじゃないので。ちょっとオチに行き着くまでの経緯が思いつかなかったのでまだ書けないだけで(蝶言い訳
さて、「女の子に男の子が髪を梳いてもらう」というシチュ。絵ヅラ的には微妙かもしれませんが、当方は結構好きなんですよね。
と言うのも、中学時代に似たようなことあったからで。プール授業のあとに当時気になっていた女の子に髪を梳いてもらったという「それなんてギャルゲ?」的なエピがw
…その後何もなかったりするわけですが何か?