澄み切った空の下。盛大な音が響き渡る。
ひとつは、ギター。
ひとつは、トランペット。
ひとつは、太鼓。
ひとつは、トランペット。
ひとつは、太鼓。
その音の中心では、凄まじい戦いが繰り広げられていた。
「……ふぅっ」
鬼が集中を解く。額がふわ、と輝き、首から上が人間のそれに変わった。
…否、こちらが本来の姿なのだ。
…否、こちらが本来の姿なのだ。
清めの音を以って、魔化魍と戦う彼らを…人は<鬼>と呼ぶ。
「最近、魔化魍が良く出てくるようになったッスねぇ…」
「ええ。今はまだ狭い範囲ですけど…」
トドロキの発言に、アキラが相槌を打つ。彼女の懸念は、魔化魍が広範囲に、しかも多発的に出現する可能性をもちはじめたことだ。
「最悪、僕たちだけでは対処しきれなくなるかもしれないですね」
スポーツドリンクを一口飲み込んで、アスムが呟いた。
「ザンキさんやイブキさんがサポートしてくれるとは言っても、限界はあるっス」
いつまでも師範に負担はかけられないと思っているのだろう。トドロキが唸った。
「……それなんですけど」
と、アスムは兼ねてから思っていたことを提案することにした。
「ええ。今はまだ狭い範囲ですけど…」
トドロキの発言に、アキラが相槌を打つ。彼女の懸念は、魔化魍が広範囲に、しかも多発的に出現する可能性をもちはじめたことだ。
「最悪、僕たちだけでは対処しきれなくなるかもしれないですね」
スポーツドリンクを一口飲み込んで、アスムが呟いた。
「ザンキさんやイブキさんがサポートしてくれるとは言っても、限界はあるっス」
いつまでも師範に負担はかけられないと思っているのだろう。トドロキが唸った。
「……それなんですけど」
と、アスムは兼ねてから思っていたことを提案することにした。
*
「…他の<鬼>?」
「私たちの流派以外にも、音撃道が存在したんですか?」
トドロキとアキラが首をかしげる。
「うん。それぞれの流派に、分派があるみたいなんだ…と言っても、僕もヒビキさんに聞いただけだから詳しくはわからないんだけど」
そう前置きして、アスムが説明する。
「まず響鬼流。九州に弾鬼流と剛鬼流っていうのと、関西のほうに鋭鬼流が。威吹鬼流は、四国に勝鬼流、山陰に闘鬼流。で、斬鬼流は、裁鬼流と蛮鬼流が東北にあるみたい」
広げた日本地図を指差していく。トドロキもアキラも初耳だったらしく。興味津々である。
「私たちの流派以外にも、音撃道が存在したんですか?」
トドロキとアキラが首をかしげる。
「うん。それぞれの流派に、分派があるみたいなんだ…と言っても、僕もヒビキさんに聞いただけだから詳しくはわからないんだけど」
そう前置きして、アスムが説明する。
「まず響鬼流。九州に弾鬼流と剛鬼流っていうのと、関西のほうに鋭鬼流が。威吹鬼流は、四国に勝鬼流、山陰に闘鬼流。で、斬鬼流は、裁鬼流と蛮鬼流が東北にあるみたい」
広げた日本地図を指差していく。トドロキもアキラも初耳だったらしく。興味津々である。
「で、アスムくんは、それぞれの流派に協力を頼んでみる、と?」
頷くアスム。
「ただ、ヒビキさんが言うには、お互いに連絡が取れなくなって久しいらしいから、ひょっとするともう廃れているのかもしれないって」
「それでも、もしまだ続いてるなら、協力してもらえるかも知れないっスよね。よおっし!」
気合を入れて、トドロキが立ち上がる。
「早速ザンキさんに聞いてみましょう! 斬鬼流の分派なら斬鬼流の方が詳しく知ってると思うっス!」
「そうですね。私もイブキさんに聞いてみます」
「うん、よろしく」
よっしゃー!と盛り上がるトドロキが、二人を促して円陣を組む。大きな声で決意を新たにして、三人は大いに笑った。
頷くアスム。
「ただ、ヒビキさんが言うには、お互いに連絡が取れなくなって久しいらしいから、ひょっとするともう廃れているのかもしれないって」
「それでも、もしまだ続いてるなら、協力してもらえるかも知れないっスよね。よおっし!」
気合を入れて、トドロキが立ち上がる。
「早速ザンキさんに聞いてみましょう! 斬鬼流の分派なら斬鬼流の方が詳しく知ってると思うっス!」
「そうですね。私もイブキさんに聞いてみます」
「うん、よろしく」
よっしゃー!と盛り上がるトドロキが、二人を促して円陣を組む。大きな声で決意を新たにして、三人は大いに笑った。
「鬼が、集う。…か」
「組織みたいなものをつくったらいいかもしれませんね。今はネットワークも充実していますし、お互いに情報提供しあったりして」
「あ、それいいっスね!」
アキラの提案に、トドロキが大きく頷く。
「組織かぁ…それは思いつかなかったな」
感心するアスム。
「そしたら、名前つけるっスよ。その組織の」
鼻息荒くトドロキが提案する。
「名前……そうだな―――」
ふと、頭に浮かんだ名前を口にしようとしたそのとき、アスムの携帯電話がけたたましく鳴りだした。
「はい!」
『ザンキだ! 月の輪山に魔化魍が大量発生した! 今はイブキが抑えているが、対処しきれん。お前らも早く来てくれ!』
がなるような声がスピーカーを震わせ、ややあって切れる。彼も戦場に躍り出たのだろう。
「月の輪山…すぐ近くですね」
急ぎましょう、と言うアキラにアスムが頷く。
「名前を決めるのは、この戦いが終わってから…かな」
呟きながら、変身音叉・音角を取り出す。トドロキ、アキラもそれに倣い、それぞれ変身鬼弦・音錠、変身鬼笛・音笛を構えた。
「組織みたいなものをつくったらいいかもしれませんね。今はネットワークも充実していますし、お互いに情報提供しあったりして」
「あ、それいいっスね!」
アキラの提案に、トドロキが大きく頷く。
「組織かぁ…それは思いつかなかったな」
感心するアスム。
「そしたら、名前つけるっスよ。その組織の」
鼻息荒くトドロキが提案する。
「名前……そうだな―――」
ふと、頭に浮かんだ名前を口にしようとしたそのとき、アスムの携帯電話がけたたましく鳴りだした。
「はい!」
『ザンキだ! 月の輪山に魔化魍が大量発生した! 今はイブキが抑えているが、対処しきれん。お前らも早く来てくれ!』
がなるような声がスピーカーを震わせ、ややあって切れる。彼も戦場に躍り出たのだろう。
「月の輪山…すぐ近くですね」
急ぎましょう、と言うアキラにアスムが頷く。
「名前を決めるのは、この戦いが終わってから…かな」
呟きながら、変身音叉・音角を取り出す。トドロキ、アキラもそれに倣い、それぞれ変身鬼弦・音錠、変身鬼笛・音笛を構えた。
三つの異なる音が鳴り、その音の力が、彼らの姿を変える……
(……変身!)
そのさなか、アスムが心の中で叫ぶ。迷っていた自分を導いてくれた、ふたりの<通りすがりの仮面ライダー>の姿を思い浮かべながら。
『ハッ!』
渦巻くエネルギーが解き放たれ、<鬼>がその姿を現す。
そして―――
<明日への求道者>仮面ライダー響鬼。
---------------------------------------------
―――結構、鍛えてますっ。
あそこまでオリジンメンバーが集合するなら、やっぱり神戸女史にも出て欲しかった…と思うのはやはり無茶なんだろうなぁ。
天国でディケイド見てくれてたらいいけど。
天国でディケイド見てくれてたらいいけど。
さて、今回のディケイドSSは響鬼編ですよー。
トドロキさんが書いてて楽しかった件。わはー。
ストーリーのイメージはわりかし早く固まりました。オリジンにつなげていくカタチ…というほど大層なものではないですが。
つーか流派間でいがみあっててもちゃんと魔化魍退治しててあまり一般人に迷惑かかってなかったのは奇跡に近いと思うんですよ。
はてさて、アスムは組織の名前、なににしようと思ってるんでしょうね~。
トドロキさんが書いてて楽しかった件。わはー。
ストーリーのイメージはわりかし早く固まりました。オリジンにつなげていくカタチ…というほど大層なものではないですが。
つーか流派間でいがみあっててもちゃんと魔化魍退治しててあまり一般人に迷惑かかってなかったのは奇跡に近いと思うんですよ。
はてさて、アスムは組織の名前、なににしようと思ってるんでしょうね~。