「おわっととと」
なおもこちらに向かってくるナナシ連中に、思わずたじろぐ涼次。と、音も無く前に出た主水が、流れるような足捌きでナナシに近づき―――
なおもこちらに向かってくるナナシ連中に、思わずたじろぐ涼次。と、音も無く前に出た主水が、流れるような足捌きでナナシに近づき―――
「……っ」
「……よおし、俺もやるか」
負けじと涼次も“仕事”用の長針を光らせ、わらわらと群がるナナシ連中の前に立ちはだかる。
「ギッ!」
ふてぶてしい涼次の雰囲気にアテられたか、ナナシが激昂して刀を振り下ろす。
「おっと!」
「おっと!」
それを軽やかに針で受け止め……切れず、長針は真ん中からぽっきりと折れてしまった。
「……マジかよ」
ゲラゲラと笑いながら、ナナシ連中がじりじりと涼次に近寄る。
「涼次!」
からくり屋の源太が蛇のからくり細工を飛ばし、紅い紐が3体のナナシをまとめて絡めとった。
「……っく」
さすがに人間を相手にしているのとは勝手が違うのか、源太の額に汗が滲む。
「……あーもう、なにやってんだか」
その様子が視界に入ったシンケングリーンが、ショドウフォンを取り出し、手早く文字を空に書く。
「…ほらよ、兄ちゃん!」
<針>の文字が涼次のもとへ届き、手にした瞬間に長針へと姿を変える。
「おお!?」
目の前で起きた事象に眼を丸くする涼次。しかし、次の瞬間、表情が“仕事人”のそれに変わる。
目の前で起きた事象に眼を丸くする涼次。しかし、次の瞬間、表情が“仕事人”のそれに変わる。
「…っは」
一度。
二度。
三度。
二度。
三度。
ナナシの首筋に、それぞれ針を手早く打ち込む。軽く振った針が鈍く鳴った次の瞬間、ナナシは音もなく事切れた。
「…ひゅーっ、やるねぇ」
「あの声…昼間の侍か?」
「あの声…昼間の侍か?」
口笛をふくグリーンの仮面の向こう側を思い起こし、涼次が薄く笑った。
・
・
・
・
・
―――それから、幾刻か。
“仕事人”たちの助力もあり、いつしかナナシ連中は全て斃れ伏していた。
「…すげぇな、あの侍連中」
「自分で天下無敵と名乗るだけの事はあるってことか」
涼次と小五郎が賛辞の言葉を呟く。
「…いや、あなた方の力添えもあってのこと。感謝します」
ブルーが深々と頭を下げた。
「自分で天下無敵と名乗るだけの事はあるってことか」
涼次と小五郎が賛辞の言葉を呟く。
「…いや、あなた方の力添えもあってのこと。感謝します」
ブルーが深々と頭を下げた。
「……さて、残るは貴様一人だ、外道衆!」
戦慄するアヤカシ・ウロミタマに、侍たちの眼光が突き刺さった。
-つづく-
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小五郎と主水に関してはもう掛け値なしに強いんだと思ってます。
小五郎は先に自分の武器やられてたのでシンケンマルを遣いましたが、多分普通の刀で切り結んでも倒せたはず。主水も脇差一本で、並のアヤカシなら相手できるんじゃないかなw 倒せるかどうかは別として、ですが。
小五郎は先に自分の武器やられてたのでシンケンマルを遣いましたが、多分普通の刀で切り結んでも倒せたはず。主水も脇差一本で、並のアヤカシなら相手できるんじゃないかなw 倒せるかどうかは別として、ですが。
…なにせ、ある意味外道衆よりやっかいな外道を相手取ってますしね(ぇ
一方、敵を絡めとっただけの源太(ええい紛らわしい)と、モジカラの“針”でナナシを撃破した涼次。
多分絞首じゃアヤカシは倒せないと思ったのでw(ぇ
で、折れた涼次の針は源太が直してくれるので無問題です(実際にあの針は源太の作なのです)。
多分絞首じゃアヤカシは倒せないと思ったのでw(ぇ
で、折れた涼次の針は源太が直してくれるので無問題です(実際にあの針は源太の作なのです)。