炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【二次創作】侍戦隊シンケンジャー

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/シーン4

その光景に、思わず鋼牙は言葉を失った。 魔戒剣に用いられている特殊金属・ソウルメタルは、手にするものの心の在り様によってその重さを変える。鋼牙自身、常人には扱えぬ重さである魔戒剣をたやすく振るえるようになるまでは長い修行の日々があってこそだ…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/シーン3

冴島鋼牙が、シンケンジャーと名乗る侍たちにであって、数日が経った。 あれ以来、彼らと出会うことも、ホラーを追うことも無く、それなりに静かな日々が続いていた。 だが、それが今夜突然破られた。 「……なんだこの数は…?」 指令所に従い到着した場所には…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/シーン2

―――あの世。 我々が住まう“この世”とはまったく異なる世界であり、本来は死を通じてしか往くことはできない。 また、“隙間”は、あの世に通ずる門とされ、事実“外道衆”と呼ばれるアヤカシは隙間を通り、この世に向けて侵攻してくるのだ。 そんな、あの世の大…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/シーン1

「……すごい」 茉子が驚嘆に呟く。アヤカシを一刀の元に斬り伏せたその技量も去ることながら、漂わせる雰囲気も只者ではないことを物語っていた。 と、不意に金色の鎧が解け、宙に消える。その下から現れたのは、白いコートを纏った青年であった。 「……」 青…

【牙狼】異伝・守護者-まもりしもの-/プロローグ

月すらも隠れた闇夜。 人気の無い廃工場の只中で、走る影が―――七つ。 追われるものが一つ、追うものが六つである。 「―――はっ!」 追う六つの影のうち、先頭を走っていた者が、おもむろに空に筆を走らせた。 その筆の軌跡は、ひとつの<文字>を生むにいたる…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第10場<完>

戦い終わりて夜が明けて、今日も朝日がフジヤマ昇る。 「なんでぇ、行っちまうのかい?」 おもしれーからもうちょっと付き合えよ、とボヤく涼次を源太がたしなめる。 「ああ。我らにはこれから、大きな戦いが待っていてな」 「戦い…あのバケモンの仲間…か」 …

【必殺!】異伝・仕事人相対/第9場

発動した<合>のモジカラが五体の<折神>を輝かせ、飛翔させる。 それぞれがそのカタチを変え、合わさり―――巨大な人型に成る。 『<シンケンオー>、天下統一ッ!!!』 その手が兜を被り、月明かりに金色の鍬形が瞬いた。 「な………!!?」 「…驚かねえん…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第8場

「おお! やりやがったやりやがった! いやぁ、強ぇなおめえら!」 涼次が感嘆の声を上げる。 「あんな得体の知れねえバケモン相手に圧倒的ってヤツだな。…にしても、最後にあのバケモンぶっちめたアレ、すげぇな…。カラクリの類か? なぁ源太、アレ作れねえ…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第7場

荒々しく刀を振るい、レッドに切りかかる<ウロミタマ>。 一見でたらめな剣捌きのように見えて、じつはかなり的確に急所を狙ってきている。 それも、今<ウロミタマ>が憑依している男…渡辺小五郎の持つ技量ゆえであろう。 「っ!」 5度目の斬撃を、シンケ…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第6場

ナナシ連中を屠られ、いつしか独りになっていたアヤカシ<ウロミタマ>を取り囲む、五色の侍たち。 「もう逃げられんぞ、おとなしく我らの刀の錆となれ!」 言うが早いか、シンケンブルーが青い円盤をシンケンマルに嵌め、回転させる。清浄な気をまとった飛…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第5場

「おわっととと」 なおもこちらに向かってくるナナシ連中に、思わずたじろぐ涼次。と、音も無く前に出た主水が、流れるような足捌きでナナシに近づき――― 「……っ」 脇差の一撃を見舞う。 不意打ちに近い形で強烈な一撃をくらったナナシが、どさりと崩れ落ちた…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第4場

「…な、なんなんだ一体よぉ…?」 小五郎の傍で素っ頓狂な声がする。視線を向けると、経師屋の涼次が目を丸くしていた。 「人からバケモノが出てきたと思ったら、こんどは派手なお侍さんの登場たァな」 「それにしてもアレ、ナニモノだろ? 魑魅魍魎の類かい…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第3場

江戸に住む者たちの間で、ひそかに広まる噂があった。 ―――三番筋にある、寂れた尼寺。 その中にある、崩れかけた小さな祠に金を供えることで、晴らせぬ恨みを晴らすという。 そして、今日もまた…… 必死で守ろうとした愛するものを奪われた、弱き民が、握り締…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第2場

三度傘をかぶった侍が、ひょうひょうと歩いていく。 「きゃっ」 「おっと!」 と、その侍に町娘がぶつかった。 「ご、ごめんなさいっ!」 「あ…気にするな」 頭を下げる町娘に、手を振って応え、再び侍は歩を進める。 「…なぁんてね」 ひょいと頭を上げた町…

【必殺!】異伝・仕事人相対/第1場

流れ流れ、今は昔。 まだ、東京が<江戸>と呼ばれていた頃のこと。 「……後ろからバッサリ…と言うよりゃ、全身ズタズタにやられてやがる」 朝霧の残る河原、無惨な姿を晒す死体を前に、歳若い同心が苦々しく呟く。 「手口は一連の辻斬りと同様…下手人も然り…

【必殺!】異伝・仕事人相対/アバンタイトル

夜もとっぷりと更け、本日の稽古を終えたシンケンジャーの面々は思い思いの休息を過ごしていた。 「何視てるんだ、千明?」 風呂上りの流ノ介がテレビに向かう仲間に声をかける。 「んー? “必殺”だよ、“必殺”」 千明と呼ばれた青年…というには少々幼いが…画…