その光景に、思わず鋼牙は言葉を失った。
魔戒剣に用いられている特殊金属・ソウルメタルは、手にするものの心の在り様によってその重さを変える。鋼牙自身、常人には扱えぬ重さである魔戒剣をたやすく振るえるようになるまでは長い修行の日々があってこそだった。
しかし、目の前で、そのソウルメタルの剣を振るい、周囲のホラーをたやすくなぎ倒す青年は……
しかし、目の前で、そのソウルメタルの剣を振るい、周囲のホラーをたやすくなぎ倒す青年は……
『あの男…いつぞやの“サムライ”か』
ザルバの言葉に思い出す。かつて閑岱でともに戦った山刀翼のように、むすっとした表情の青年は、先日であった侍たちの一人だ。
「…はっ」
と、その侍が魔戒剣を黄河に向けて投げよこす。それを受け取ると、鋼牙は侍……志葉丈瑠と視線を交した。
「……」
「……」
「……」
刹那、両者が駆け出し―――
「「はあっ!!!」」
互いの背後から襲いかかろうとする素体ホラーを、魔戒剣とシンケンマルの一閃で切り伏せた。
「お前は……」
「殿ーっ!」
「殿ーっ!」
鋼牙が声をかけようとした矢先、5つの人影が駆け寄ってきた。いずれも鋼牙には見覚えのある姿である。
「お待たせいたしましたっ!」
「やれやれ。ここに来るまでに妙な連中片付けるのに手間ァかかったぜ」
「さて、あとはここらのバケモンどもをぶっちめれば終わりだな。なァ丈ちゃん?」
「やれやれ。ここに来るまでに妙な連中片付けるのに手間ァかかったぜ」
「さて、あとはここらのバケモンどもをぶっちめれば終わりだな。なァ丈ちゃん?」
源太の言葉に、丈瑠がこくり、とうなづく。
「…あんたも、いけるか?」
「……」
「……」
丈瑠の問いに、鋼牙は魔戒剣を高々と掲げることで答えとする。
「…… い く ぞ !」
ショドウフォンが、スシチェンジャーがモジカラの軌跡を描く。
魔戒剣が、光の輪を生み出す。
「一筆奏上!」
「一貫献上!」
「―――!」
「一貫献上!」
「―――!」
邪を払う燐光が迸り―――7人の姿を、戦姿<イクサスガタ>へと変えた。
-つづく-
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ひとりだけ変身時にセリフがねーと寂しいなァ(知らんがな
ちょっと展開が急すぎる気もしなくもないですが、あんまり長引かせるのもアレだと判断。一番やりたいシーンが遠ざかるし(それが理由かい
ところで、変身シーンでのセリフを「執筆奏上」「一本献上」と打ち間違えたのは……いちファンとしてどーなんでしょうな(ぇ