炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【必殺!】異伝・仕事人相対/アバンタイトル

 夜もとっぷりと更け、本日の稽古を終えたシンケンジャーの面々は思い思いの休息を過ごしていた。

「何視てるんだ、千明?」
 風呂上りの流ノ介がテレビに向かう仲間に声をかける。
「んー? “必殺”だよ、“必殺”」
 千明と呼ばれた青年…というには少々幼いが…画面をあごでしゃくる。夜の江戸、人気の無い通りを一人の老侍が歩いているシーンが映し出されていた。

「結構好きなんだよなー。こう、人知れず悪いやつぶった押していくってのがさ」
「んー、うちもこれ毎週楽しみにしててん」
 ニコニコと隣にちょこんと座る少女が頷く。彼らの仲間であることはだ。
「ことはの場合、中の人目的ってのもあるんだろうけどね」
 苦笑交じりに茉子が茶化す。ことはが頬を膨らませて「もー、そんなんやないよ~」と反論した。
「にしてもすげえよなこの仕事人連中。ま、俺たちほどじゃねえけどな」
 軽口を叩く千明。調子に乗るな、と流ノ介が頭を小突く。
「案外、江戸時代じゃ俺らのご先祖と一緒にアヤカシと戦ってたかもな」
「おいおい、そんなわけ無いだろう。これは作り話、中村主水も念仏の鉄も想像上の人物だ」
 すっぱりと言い切る。
「…念仏の鉄って……誰?」
「あ、聞いたことある。俺らが生まれる前にやってた必殺の仕事人だぜ」
 何故知ってる…? と仲間たちの視線が流ノ介に集中する。
「……わ、悪いか!? 私だって好きさ! それこそ昔の映像を、父にせがんでよく見せてもらっていたほどになっ」

 それゆえ作り話だと知ったときのショックたるや……

 あさっての方向をむいてブツクサ呟く流ノ介。

「……本当の話だぞ、それ」

 と、奥の部屋から声。彼らのリーダー=殿であり、彼らの今の住まいの主である、志葉丈瑠だ。

「殿? 何がでございますか?」
 流ノ介の問いに、丈瑠が「ん…」とテレビ画面を指差す。
「え?」
「どゆこと?」
 ことはと茉子が首をかしげる
「へぇ~、殿様も案外世間知らずなんだなァ。時代劇をホントのことだと思ってるなんてよ」
 ケラケラと千明が笑う。
「…事実だ」
 ギロ、と丈瑠が睨みつける。
「昔、じいに過去の…我らの先祖の記録を見せてもらったことがある。その中に中村主水をはじめ、仕事人の事が明記されていた」
「…うっそだろ……」
 まだ疑ってかかる千明。流ノ介たちも丈瑠の手前口には出さないが、半信半疑の域を出れずにいた。
「疑うなら見せてやろう。先代のシンケンジャーのことを知っておくのも修行のうちだしな」
 ついてこい、と流ノ介たちを促し、丈瑠は志葉家の最奥、資料室へと向かった。






   ――― 一筆奏上、天下御免

   侍戦隊シンケンジャー・異伝 ~仕事人相対(しごとにんあいたいす)



-----------------------------------------------

 いざ、参る!

 てなわけで、後先考えず新ネタぶっこむ俺、三条! 誰だよ。
 先日、某所チャット内にてシンケン話になり、必殺仕事人との絡みを妄想していた矢先にネタ思いつく。

 ちなみに、仮タイトル案として「必殺戦隊シンケンジャー2009」があげられたりww

 テレ朝の双翼を成す2大チャンバラドラマ(ぉぃ)。この二つの組み合わせての物語、はたしてどうなる…?
 待て、次回!