「…な、なんなんだ一体よぉ…?」
小五郎の傍で素っ頓狂な声がする。視線を向けると、経師屋の涼次が目を丸くしていた。
「人からバケモノが出てきたと思ったら、こんどは派手なお侍さんの登場たァな」
「それにしてもアレ、ナニモノだろ? 魑魅魍魎の類かい?」
いつの間にか中村主水、からくり屋の源太も集まってきていた。
「さァな…とりあえず解るのは…」
大げさに溜息をついて、小五郎が呟く。
「この<仕事>、俺たちの手に終えるシロモノじゃなくなっちまったってコトだ」
小五郎の傍で素っ頓狂な声がする。視線を向けると、経師屋の涼次が目を丸くしていた。
「人からバケモノが出てきたと思ったら、こんどは派手なお侍さんの登場たァな」
「それにしてもアレ、ナニモノだろ? 魑魅魍魎の類かい?」
いつの間にか中村主水、からくり屋の源太も集まってきていた。
「さァな…とりあえず解るのは…」
大げさに溜息をついて、小五郎が呟く。
「この<仕事>、俺たちの手に終えるシロモノじゃなくなっちまったってコトだ」
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「くぅ…流石は志葉の侍共というわけか…。人の<スキマ>に隠れる俺…<ウロミタマ>の隠れ場所を当ててのけるとは…」
「はッ、よく言うぜ。外道も外道…いや、クサレ外道の匂いをぷんぷんさせといて、見つけてくれって言っているようなもンだ!」
緑色の装束を纏った男が軽口を叩く。
「これ以上、貴様らを地上にのさばらせはしない! 往くぞ!」
手にした太刀…<シンケンマル>を掲げ、シンケンレッド…志葉烈堂が叫んだ。
「そうはいくか、返り討ちにしてやる! 出あえ、ナナシ連中!」
負けじと<ウロミタマ>が吼えると、家屋や石の下、ありとあらゆる<スキマ>からわらわらと異形の姿を持った怪人たちが現れた。
「はッ、よく言うぜ。外道も外道…いや、クサレ外道の匂いをぷんぷんさせといて、見つけてくれって言っているようなもンだ!」
緑色の装束を纏った男が軽口を叩く。
「これ以上、貴様らを地上にのさばらせはしない! 往くぞ!」
手にした太刀…<シンケンマル>を掲げ、シンケンレッド…志葉烈堂が叫んだ。
「そうはいくか、返り討ちにしてやる! 出あえ、ナナシ連中!」
負けじと<ウロミタマ>が吼えると、家屋や石の下、ありとあらゆる<スキマ>からわらわらと異形の姿を持った怪人たちが現れた。
「…さ、各々方。ここからは志葉家の務め。貴公らが何者かは問いませぬ。ここは早々に、退いてくだされ」
烈堂に“爺”と呼ばれた男が小五郎たちに声をかけ、自らもその身を隠す。
「……」
が、小五郎は動かない。
烈堂に“爺”と呼ばれた男が小五郎たちに声をかけ、自らもその身を隠す。
「……」
が、小五郎は動かない。
否、動けなかったのだ。
これから眼前ではじまる“戦”に、目を離すことが、どうしても出来なかった。
*
無数の<ナナシ>と呼ばれる怪物と、5人の侍たちが大立ち回りを見せる。
数度、刀同士がかち合う音が響いたかと思うと、次の瞬間、数体のナナシが斬られ、吹き飛んでいく。<天下御免>の触れ込みは伊達ではないらしく、誰もが一騎当千の活躍を見せていた。
数度、刀同士がかち合う音が響いたかと思うと、次の瞬間、数体のナナシが斬られ、吹き飛んでいく。<天下御免>の触れ込みは伊達ではないらしく、誰もが一騎当千の活躍を見せていた。
しかし…
「後から後から出てきやがる…どんだけいやがんだあのバケモンどもは」
涼次が舌打ちをする。
「黙って見てろ」
小五郎がギロリと涼次をにらみつけた。
涼次が舌打ちをする。
「黙って見てろ」
小五郎がギロリと涼次をにらみつけた。
「…くっ、きりが無いか…殿!」
シンケンブルーが声をかけると、レッドが意図を察し、頷いた。
「シンケンマル!」
鍔の下にはめ込まれた円盤に手をかざし、擦る。
円盤が回転すると同時に、五振りのシンケンマルが輝き、その姿を変えた。
鍔の下にはめ込まれた円盤に手をかざし、擦る。
円盤が回転すると同時に、五振りのシンケンマルが輝き、その姿を変えた。
「瀑水弓(ばくすいきゅう)!」
ブルーのシンケンマルが青い弓の姿をとる。
「は!」
引き絞った弦を離すと、光の矢が無数に飛び交い、ナナシ連中をまとめて貫いた。
ブルーのシンケンマルが青い弓の姿をとる。
「は!」
引き絞った弦を離すと、光の矢が無数に飛び交い、ナナシ連中をまとめて貫いた。
「天界扇(てんかいせん)!」
「土雷刃(どらいじん)!」
「土雷刃(どらいじん)!」
ピンクが手にしたのは大きめの扇子。一振りすると旋風がおこり、ナナシ連中を空へと舞い上げる。
続いて、イエローが手裏剣を大きくしたような武器を投擲する。風に乗ったそれは勢いを増し、次々とナナシ連中を切り裂いていった。
続いて、イエローが手裏剣を大きくしたような武器を投擲する。風に乗ったそれは勢いを増し、次々とナナシ連中を切り裂いていった。
「荒木槍(あらきやり)! でぇえりゃあああ!」
槍を振り回すグリーンがナナシの一体をその穂先で突き刺す。
「はあぁ…たあっ!」
気合を一つ入れた瞬間、その穂先が一気に伸び、その後ろにいたナナシ連中も巻き込み、団子のように串刺しにしてのけた。
槍を振り回すグリーンがナナシの一体をその穂先で突き刺す。
「はあぁ…たあっ!」
気合を一つ入れた瞬間、その穂先が一気に伸び、その後ろにいたナナシ連中も巻き込み、団子のように串刺しにしてのけた。
「烈火…大斬刀」
見上げるような巨大な刀身を軽々と振り回し、レッドが剣の銘を名乗る。
その迫力…いわば剣気に当てられ、ナナシがたじろぐ。
「はぁっ!」
力任せとも言いがたい流れるような動きで大斬刀を振るう。空気が高熱を帯び、周りのナナシ連中が斬り灼かれ、果てた。
その迫力…いわば剣気に当てられ、ナナシがたじろぐ。
「はぁっ!」
力任せとも言いがたい流れるような動きで大斬刀を振るう。空気が高熱を帯び、周りのナナシ連中が斬り灼かれ、果てた。
「ほぉ…たいしたもんだ」
主水が感心したように呟く。その言葉に小五郎も我知らず頷いた。
主水が感心したように呟く。その言葉に小五郎も我知らず頷いた。
「こいつを使え!」
凛とした声が響き、レッドがシンケンマルを投げ寄越す。ナナシ連中の間を縫って飛ぶ太刀を、小五郎は危なげなく受け取り、そのまま2、3度振るう。
ややあって、うめき声と共にナナシたちが倒れた。
「……中々の業物だな」
シンケンマルを投げ返し、感想を述べると、レッドも感心したように溜息を漏らした。
「初めてシンケンマルを扱ったにしてはたいした力量だ。強い侍のようだな」
「……よしてくれ」
憮然と小五郎が呟き、視線を逸らした。
ややあって、うめき声と共にナナシたちが倒れた。
「……中々の業物だな」
シンケンマルを投げ返し、感想を述べると、レッドも感心したように溜息を漏らした。
「初めてシンケンマルを扱ったにしてはたいした力量だ。強い侍のようだな」
「……よしてくれ」
憮然と小五郎が呟き、視線を逸らした。
-つづく-
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うー、武器を見せつつ殺陣を表現するのはやっぱ難しいぜ…
そして同じく難しかったのがウォーターアロー以下4人の武器名称の和名Ver.
ブルー・ピンク・イエローはともかく、グリーンはたぶんふつーに読めないと思うw
ブルー・ピンク・イエローはともかく、グリーンはたぶんふつーに読めないと思うw
さてさて、必殺メンバーももうちょっと活躍させなきゃなァ…