荒々しく刀を振るい、レッドに切りかかる<ウロミタマ>。
一見でたらめな剣捌きのように見えて、じつはかなり的確に急所を狙ってきている。
それも、今<ウロミタマ>が憑依している男…渡辺小五郎の持つ技量ゆえであろう。
一見でたらめな剣捌きのように見えて、じつはかなり的確に急所を狙ってきている。
それも、今<ウロミタマ>が憑依している男…渡辺小五郎の持つ技量ゆえであろう。
「っ!」
5度目の斬撃を、シンケンマルで弾く。折れた刀によるものとは思えない衝撃が、刃越しにレッドの掌をしびれさせた。
『おらおらどーしたぁ? 逃げてるだけじゃ勝負にならねえじゃねえか…よ!』
ふてぶてしく笑いながら、あらん限りの力で刀を振り回す。その大振りな動きの隙をつき、レッドが懐に飛び込んでその斬撃を躱す。前回り受身の要領で背後に回り、シンケンマルを構えるが、相手が表意されただけの人間であることに気づき、逡巡がその切っ先を鈍らせる。
『はっ、さすがは侍様か? 人を斬るのは無理ってなぁ!』
吐き捨てるようにウロミタマが吼え、動きを止めたレッドの頭上に刀を振り下ろす。
吐き捨てるようにウロミタマが吼え、動きを止めたレッドの頭上に刀を振り下ろす。
「殿!」
ブルーの叫びに我に返ったレッドが、シンケンマルを盾にそれを防ぐ。そのままぎりぎりと力任せに押し込む<ウロミタマ>。
ブルーの叫びに我に返ったレッドが、シンケンマルを盾にそれを防ぐ。そのままぎりぎりと力任せに押し込む<ウロミタマ>。
『しぶてえんだよ殿様がよぉ……死んじまいな!!!』
おもむろに蹴り上げ、シンケンマルを弾き飛ばす。無防備になったレッドにいまいちど刀が振り下ろされ―――
『……んぐっ!?』
首に触れる瞬間にそれが止まった。
「なんだ…?」
レッドが小五郎の顔を見る。その表情は<ウロミタマ>に抗わんと必死の形相であった。
レッドが小五郎の顔を見る。その表情は<ウロミタマ>に抗わんと必死の形相であった。
「…俺の…体で…やりたい放題……やってんじゃねえ……!!!」
静かに激昂する小五郎。その体から瘴気がゆらゆらと立ち上ってくるのが見えた。
「俺が外道だと…? 否定はしねえな……」
小五郎の抵抗は右腕に及び、くわっと開かれた手から刀が落ちる。
「だが…その外道……てめえみたいなバケモノ風情に…扱いきれると思うなよ……!!!」
腹の底から小五郎が雄叫びを上げる。それに呼応するかのように瘴気が彼の全身からあふれ出す。
「俺の体から…出て行け!!!」
その声が引き金となり、迸った瘴気が<ウロミタマ>の姿をなし、地面に転がり落ちた。
「……」
その様子に、思わず言葉を失うレッド。
「……なんだ?」
ふと視線に気づき、小五郎がレッドに声をかける。
「あ、いや……」
「俺なんか見てるより、やることがあるんじゃねえのか?」
そういって小五郎があごでしゃくる。<ウロミタマ>うめきながらよろよろと立ち上がっていた。
「そ、そうだな… 行くぞ、皆!」
ふと視線に気づき、小五郎がレッドに声をかける。
「あ、いや……」
「俺なんか見てるより、やることがあるんじゃねえのか?」
そういって小五郎があごでしゃくる。<ウロミタマ>うめきながらよろよろと立ち上がっていた。
「そ、そうだな… 行くぞ、皆!」
気を取り直して立ち上がり、拾い上げたシンケンマルを再び烈火大斬刀へと変える。白色の円盤を装填すると、柄が曲がり、レッドはそれを大筒のように構えた。
「烈火大斬刀・大筒の型!」
レッドの元に集まった四人が、おのおのの色の円盤を次々に烈火大斬刀に装填していく。
「虎・五輪弾!!!」
モヂカラが膨大な熱量に変わり、<ウロミタマ>めがけて撃ち出される。満身創痍となった<ウロミタマ>に避けるすべはなく…
「うぎゃああああああああああ!」
虎を象った熱の塊が<ウロミタマ>を撃ち抜き、断末魔とともに爆発を起こした。
-つづく-
--------------------------------
一の目、撃破!
とりあえずはここまでこれたか…
時間軸的なお話をしますと、先代レッドがマンプクとやりあうちょっと前、をイメージしております。<ウロミタマ>はクサレ外道衆一派のメンバーにいる、という裏設定。
…そういえば、あの回想シーン見事なまでにレッドしかいなかったんだけど、ほかのメンバーはなにやってたんでしょうねぇ(滝汗
さて、次回から巨大戦。今回はバエがいないからラクできそうだw(ぉぃ