炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ARCHAIC ACTION】エピローグ

 ―――翌日。

「…もう行っちまうのかぁ…」
 スクラッチの入り口前で、旅支度のリュウと、それを見送るゲキレンジャーたちの姿があった。
「あぁ、兄弟弟子から連絡があってな。師匠の手掛りを掴んだから一緒に来いって」

 放浪中の師匠を発見し、捕まえることが出来れば、リュウたちははれて免許皆伝なのだそうだ。

「ちゃんと免許皆伝したら、また日本に帰ってきてね。お祝いにわたしの豚の角煮、ごちそうしちゃうから!」
「おお、それは楽しみだな!」

 同じく見送りに来ていたなつめの頭をわしわしと撫でる。

「いろいろ、お世話になりました」
「向こうにいる兄弟弟子さんや、お師匠さんによろしくお伝えください」

 レツとランが手を合わせて礼をする。

「ああ。こっちも楽しかったぜ」
 リュウもそれに倣い、礼を返す。

「ところで美希姐さん。コレ、本当に貰っちまってもいいんですか?」
 と言いながら見せるのは、両腕に装備されたプロトゲキチェンジャーだ。
「ええ。試作品とはいえ、貴方の為に完全にチューンナップされてるから、機能も問題は無いはずよ。…それに、旅先でも臨獣殿が現れない保証はないから、備えておきなさい」
「んじゃ、ありがたく」

 再び礼をするリュウ

「それと、あなたに持たせた荷物の中に、あのコたち用のプロトゲキチェンジャーも入れてあるから、合流したら渡してあげてね」

 美希の言葉に、リュウがはい、と頷いた。

「……リュウ
「ん?」
「オレたち、まだ決着つけてねーぞ」
 ジャンに言われ、思い出す。
「……そういや、手合わせの最中に臨獣殿が来やがったンだっけか」
「だから、とっとと“めんきょかいでん”もらって帰って来い! そしたら、今度は本気で勝負だ!」
 ジャンが真っ直ぐな瞳でリュウを見る。
「……おう」
 その瞳を、リュウも真っ直ぐと見返し、拳を突き出す。ジャンが笑顔になって、自分の拳をリュウの拳に打ちつけた。

「…さて、そろそろ行かんと飛行機の時間に間に合わんのじゃないかの?」
「っと、そうでしたそうでした」
 シャーフーの指摘に、リュウが苦笑しながら頭をかく。
「…じゃ、みんな」


 またな!!!


 シンプルに、“再見”の言葉を残し、リュウが駆け出す。

 それは、まるで、一陣の風のようで―――

「……あ」

 気付くと、リュウの背中ははるか遠くになっていた。


「…すごい人だったね」
「ああ。僕たちもまだまだ未熟だってことが思い知らされたよ」
 彼の背中を見送りながら、二人が呟く。
「うむ。相手の強さがわかるということは、お前さんたちもまた、強くなっていると言うことじゃよ」
 その気持ち、ゆめゆめ忘れるでないぞ。
 シャーフーの言葉に、ジャンが「ああ!」と大きく頷いた。

「よおっし!、ラン、レツ! 今日も修行するぞ! もっともっと、高みをめざすんだ~~~~っ!!!」

 ジャンの元気な声が、スクラッチのビルを飛び越え響き渡った。





  -ARCHAIC ACTION・了-



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 さて、ゲキレン放映時からスタートしたこの作品も、足掛け2年をかけてようやく完結。

 …はい、全ては私のサボり癖が原因ですorz


 ま、楽しかったです。やっぱオリキャラは原作キャラと絡ませてナンボですなw(ぇ

 リュウ及び、ゲキジャンパーなどのオリジナル設定は、また近いうちにまとめてUPっときます。需要があるかどうかはともかく(ぇ