二人して散歩なんて、いつ振りくらいだろうか。
それくらい、お互い忙しくなったのかな。なんて呟いて、笑いあってみたり。
おかしいね、おんなじ家に住んで、毎日顔を合わせてるのにね。
ふわ、と少し温かい風が頬をなでつけていく。
もう冬も終わりだね、そうだね。なんて言葉を交わして。
「……あ」
ふと、足が止まる。
「ねぇ…」
彼女が指差す先―――そこは、かつて俺達が通っていた母校であった。
Fifteen years later
「変わらないね、ここ」
彼女の声に、そうだねとうなづく。
職員室で許可をもらい、敷地内をぶらぶらと歩く。日曜ではあったが、部活はやっていないようで、校内はがらんとしていた。
職員室で許可をもらい、敷地内をぶらぶらと歩く。日曜ではあったが、部活はやっていないようで、校内はがらんとしていた。
「ほら、時期的にちょうど期末試験前だからじゃない?」
「ああ、そうだっけ」
「ああ、そうだっけ」
いや、卒業してから何年もたつと忘れてしまうものだ。
・
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体育館、校舎、中庭―――
一歩一歩進むたびに、当時の思い出が蘇り、思い出話に花が咲く。
あんなことあったよねー。いやいやあの時はこーだったよ。とか。
そんなことを言い合いながら、いつしか足はグラウンドに向き……
「…あ、まだ残ってたんだね、これ」
そのはずれにある、一本の古木と出逢う。
「伝説の樹……」
俺達や、俺達の前、俺達の後、何百人、何千人という生徒を見守ってきた、その樹は、あの時となんら変わることなく、ただ静かにたたずんでいた。
―――卒業の日、この樹の下で女の子からの告白で結ばれた恋人は、永遠に結ばれる―――
思えば、俺達もこの伝説で結ばれたんだ。そう思うと、なにやら感慨深いものがある。
「…ねぇ」
「うん?」
「うん?」
ふと、伝説の樹を見上げながら、彼女が声をかける。
「学生時代…私のことを好きになったのはいつから?」
「……え?」
「私はね……」
「……え?」
「私はね……」
ふわりと、笑顔を浮かべる。
その笑顔は、あのときのままで―――
俺は、思わず息を呑んだ。
その笑顔は、あのときのままで―――
俺は、思わず息を呑んだ。
* * *
「そういえば知ってる?」
「何が?」
「来年からこの学校、制服がブレザーに変わるんだって」
「へぇ…」
「何が?」
「来年からこの学校、制服がブレザーに変わるんだって」
「へぇ…」
セーラー服と学生服だったよな。この学校。
「時代の流れ、かなぁ…」
「ま、俺達の頃から、もう15年たってるんだもの」
「15年か…早いなぁ…」
目を細めて、校門越しに校舎を見つめる。
「ま、俺達の頃から、もう15年たってるんだもの」
「15年か…早いなぁ…」
目を細めて、校門越しに校舎を見つめる。
「ね」
「うん?」
「……これからの15年も、仲良くしてね?」
「うん?」
「……これからの15年も、仲良くしてね?」
悪戯っぽく、彼女が微笑む。
「当然だろ?」
そう言って手を差し出すと、彼女は笑顔でその手をとる。
―――そう。
俺達は、いつまでだって一緒だ。
この学校の伝説が、永遠に語り継がれるように……
俺達二人の愛も、永遠なのだから。
-Never Ending-
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始まりがあれば、終わりがあるように―――出会いがあればまた、別がもあるのです。
永遠に続く二人の関係。それは、どんなにすばらしいことでしょう…
永遠に続く二人の関係。それは、どんなにすばらしいことでしょう…
さて、タイトルだけじゃさっぱりピーマンなときメモSS。
4が出ると聞いてこんなん書いてみますた。
しかし、1の面々ももう30代なんですよねぇ…
そりゃ俺も年取るわ(ぇ
そりゃ俺も年取るわ(ぇ
男のほうが主人公なのは言わずもがななのですが、女性のほうはあえてぼかして「誰でもok」という風にしています。
…まァ、口調に特徴のある片桐さんや古式さんとかはちょっと当てはめづらいところですがw
…まァ、口調に特徴のある片桐さんや古式さんとかはちょっと当てはめづらいところですがw
12月3日が地味に楽しみです。