――バラージの盾は、<鏡の星>にある。二次元の民を探せ!
――俺の名は、グレンファイヤー!
――仲間ってのは、いいもんだな……楽しかったぜッ!!!
「止せっ!?」
ああ……あいつの声が遠くに聞こえるぜ……
今耳の中に残ってるのは、燃え広がるスペースニトロメタンの爆発音くらいなハズなんだけどなぁ……
……ん? イヤ待て。
何で俺……それが聞こえてるんだよ???
「はっ!?」
急激に意識が戻る。
熱っ、痛っ、焦げ臭っ!?
「……生きてんのか、俺?」
手、ある。
足、あるある。
顔……お、いい男がいるぜ。
「うあ……」
ゼロとの別れ際のことを思い出す。カッコイイこと言って華々しく散った……と自分でも思ってたのに、うっかり生き残っちまったぜ……
さすが俺、頑丈だぜ。……今回はちょいとばかり裏目に出ちまったがなあ……
ULTIMATE FORCE TETRALOGY
Episode:GLENFIRE/燃えろ! 炎の絆
「おーい、大丈夫かー?」
と、遠くで聞き覚えのある声がした。
燃え尽きたスペースニトロメタンの残骸漂う海の中、目を凝らすと、見慣れすぎた赤い艦影。
アバンギャルド号じゃねえか!
「おお、生きとるぞ~」
「足もちゃんとついとるわい」
「まぁ、ウチの用心棒がそう簡単にくたばるとは思っとらんかったがのう」
最後のグル船長の言葉に「お前が一番心配しとったろうが!」と兄二人のツッコミが決まった。
「まぁ、そっちも無事で何よりだ。そーいや、あの焼き鳥はどうなったか知ってるか?」
焼き鳥はどーでもいいが、中にあるっつー“夢と希望”やら、あのゼロって奴が気になるぜ。
「それがこっちで捕捉しきれんでのぅ……まぁ、無事に鏡の星にたどり着いとるとは思うがな」
あの焼き鳥宇宙船、見たことも聞いたことも無いが、ものすごいテクノロジーで造られておる。
……などと高説をたれるのは長兄のガル船長だ。
「まぁ、そうであることを願うぜ……手がかりを持ってるあいつらがやられちゃ笑い話にもならねぇもんなァ」
俺の呟きを聞いて、真ん中のギル船長が俺に声をかける。
「のう、グレンよ」
「あん?」
「さっきワシらが言った事、覚えておるか?」
「……あー」
俺の力を使う、本当のとき……か。
「俺は……」
あいつと一緒に、俺の力を振いてぇ!
俺のことを、仲間だって言った、あいつと共に!
「……船長っ!」
「なんだ!?」
だが、俺だけじゃ足りねえ!
もっともっと、「仲間」を集めねえと、カイザーベリアルに届かねえ!!
「炎の海賊の力、俺に貸してくれ!」
「ぬ!?」
いや、まだだ!
「それから、この宇宙中に散らばってる、他の宇宙海賊も呼んでくれ!」
「なんと!」
もっとだ! もっと!
「この宇宙中の力を集めるんだ! 海賊で足りなきゃ、他の星の奴らも引っ張り出すッ!」
船長たちが呆然と俺を見てるが、気にしねえ!
「俺の……俺たちの力、持って行くぜ! 待ってろよゼロ……ウルトラマンゼロ!!!」
俺の中のマグマコアが全力で燃える。
誓いの雄叫びが、燃え残ったスペースニトロメタンを熱く滾らせた。
-fin-
「ゼロ THE MOVIE」のミッシングリンクを埋めるべくの掌編オムニバスシリーズ・開幕!
第1弾は、名前が似てて親近感の沸く、グレンファイヤーから。
……綴りをみると<GREN>じゃなくて<GLEN>なんですがorz
実は「ゼロ THE MOVIE」劇場で見た時から、ネタ考えてました。
今の今まで書いてなかったのは完全にサボりです。わーい俺ダメ人間(こら
というわけで、グレンだけでなく、フォースメンバーをゼロ以外の全員(3人分)書く予定でして、
そのため、メインタイトルも「ウルティメイトフォース・トリロジー」でした。
それがなぜ「テトラトジー」……すなわち四部作になったのか
「キラーザビートスター」の所為です(マテ
ジャンキラー……もといナインの活躍を見て、これは書かなきゃ嘘だろう!ということになって
急遽製作予定に入れましたw
とりあえずこのシリーズは今日から連続執筆の予定ですが、ナイン編がいけるかどうかはちょっと未定。
まあ、やってみましょ。