炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】1日目:はじめての相棒と炎の魔街I【リプレイ風】

「あなたがデモンゲイザー?…ふぅん、あんまりぱっとしない面構えね」

初対面で随分とご挨拶なことを言ってのける少女。その黒髪の隙間からはネコのような耳がぴこぴこと揺れる。ネイ、という種族だ。

「マイコ」

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素っ気ない自己紹介に、こちらも慌てて名乗り返す。第一印象は、まぁ最悪ではないと思う。

 

「契約できたみたいだな」

廊下に出ると、紅い外套を纏った大柄な女性が出迎える。自分をこの“竜姫亭”に導いてくれた、ランスローナ…通称ローナだ。

「これでお前は、総勢2名がいるパーティーのリーダーだ。賞金稼ぎたちが、“アニキ”とか“親分”とか呼ぶ立場さ」

それ聞いていたマイコがぽつり。

「…わたしも“アニキ”って呼んだほうがいい?」

…いや、それは勘弁してほしい。

 

「どうやら仲良くなったみたいだな?」

ローナが可可と笑う。いや、どこをどう見たらそう思えるんですかね…?

 

「なに、相性はいいに越したことはないさ。さて…最低限の準備はできたな」

早速外に出よう、というローナにうなづいて、僕たちは竜姫亭の外…魔物蔓延る城下町へと赴くこととなった。

 

 

最初に足を踏み入れたのは、文字通り火の海に包まれた街であった。

地図によると“赤の旧市街”と銘打たれたこの廃墟は、人の存在をその業火で拒む一方、魔物の巣窟となっているらしい。

竜姫亭にたむろしている賞金稼ぎ連中も、ここなどを歩き回って魔物と戦い、貴重な魔法具などを回収して金に変えているのだという。

 

「…」

ふと視線を感じると、傍のマイコが僕の横顔を伺っていた。…何?

「ははっ、安心しろマイコ」

彼女の心情を察したらしいローナが笑い飛ばす。

「こいつはそこらに傭兵頭よりはるかに頼りになるぞ?何しろ一人でデモンを倒したくらいだからな」

 

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デモンゲイザーとしての戦い方や、街に点在するデモンサークルの取り扱い方を一通り教わった後、一つ課題を出して、ローナは一足先に街を離れた。

 

「…不思議な力ね」

ふとマイコが呟く。

「その鍵の中にデモンがいるのか…さっきの戦闘で召喚されたのは見たけど、まだちょっと信じ難いぐらい」

それは使い手たる僕自身もそうだ。

「…そこは信じときなさいよ。あなたの力でしょ?」

ごもっともだが、記憶のない身としてはなぜこんな力が自分に宿っているのかもわからないのだ。

 

「記憶が無いの?」

そうだと首肯すると、マイコは顎に手をやって「ふぅん…」と小さく息を吐いた。

「まぁ、その辺の話は後にしましょう。今はローナさんの課題をクリアして、さっさと帰るのが先決ね」

それもそうだ。僕が何者であれ、それを知るためにはこんなところで立ち止まってはいられない。

ちょうど眼前にサークルを一つ見つけた。まずは目の前のできることを片付けよう。

 

デモンの鍵を掲げ、一息に叫ぶ。

 

──オープンデモン!来い、コメット!

 

 

   −つづく−

 

 


 

超久々のブログ更新ですねー。

今回は、9月2日にリリースとなったDRPG「デモンゲイズエクストラ」のリプレイ風ノベライズ…っていうやつです(

ストーリーの根幹には軽く触れる程度で、ゲームで獲得したアイテムやパーティーメンバーとの(妄想マシマシの)やりとりなどをやっていこうかなーと。

ちなみに1日目とありますが、ダンジョン潜って竜姫亭に戻るまでのサイクルを1日とカウントして書いていく予定です。

…クリアする頃には何日分になるやら、ですが💧

探り探りで書いていくんで、いきなり作風変わるかもですが、まぁ気長にお付き合いください。エタるかもだし(まてい