炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#ポケモンSV】ぼくの冒険レポート(22):レジェンドルート②~岩崖のヌシ!ボウルの動く壁【リプレイ風】

アカデミーのあるテーブルシティをはさんで、反対側…東エリアへと向かう。

目的はジムのあるボウルタウン、スター団の一つ・チームシェダルほのお組のアジト、そして…

「もしもし?…見つけたよペパー!壁が動いた…っていうか、ちょーデカいガケガニ!きっとヌシだよ!」

f:id:homurabe_gren:20231026222002j:image

『わかった!位置情報を…ここだな!すぐ行く!』

秘伝スパイスが眠っているであろう岩崖地帯に、ぼくはコライドンを走らせる。岩壁が動く、なんてトンデモな噂を聞いて調べてみたら、遠目に見ても異様なまでに巨大なガケガニを発見した。おそらく…というか間違いなくこいつがヌシだ!

現場に向かいがてら、近くにいた別の個体を捕まえて図鑑に登録。うわ、見た目に反して【いわ】タイプなの!?でんきタイプいなくて助かったかも…

「…って、あれ?見失った?」

さっきまでいたはずの岩壁に、ガケガニの姿はない。遠くからならともかく、岩に擬態するには赤みが強いあの身体を見過ごすとは思えないんだけど…

「…カーッ!」
「何?…うわっ!?」

突然ボールから飛び出したエルダマスカーニャに突き飛ばされる。次の瞬間、さっきまでぼくがいた場所に巨大ガケガニが飛び降りてきた!

「ンガァァ…ニッ!」

ヌシのガケガニはその大きなハサミを振り上げ…山のような岩の壁を破壊する。

ヒイローっ!無事かー!?」
「うん、ぼくは大丈夫…みて、あれがヌシだ!」

丁度駆けつけたペパーとともに、様子をうかがう。

f:id:homurabe_gren:20231026222109j:image

「…何か食ってやがるな?」
「あれ、きっと秘伝スパイスだよね?」
「ああ…間違いないちゃんだぜ!」

と、ヌシのガケガニがこちらに気づき、咆哮とともに大きくはさみを振り上げた。

「くるぞ…かまえろヒイロ! たのむぜシェルダー…はさみ揚げにしてやれ!」
「わかってる!…エルダ、そのままお願い!」

 

 ・
 ・
 ・

 

エルダの"トリックフラワー"が直撃し、ガケガニがその巨体を大きくひっくり返した。悲鳴を上げながら逃げ去っていくのを見送って、ぼくたちはガケガニが明けた大きな洞穴の中へと入る。オトシドリ…大空のヌシの時と同じなら、この先に…

「やっぱりちゃんかーっ!」

さっきガケガニが食べていたのと同じ、赤く光るスパイスが生えている。これが…

f:id:homurabe_gren:20231026222134j:image

「おう!スカーレットブックに書かれてるのと同じ!秘伝スパイスのひとつ…【あまスパイス】だ!」

本に曰く、胃を健康にして消化を助ける力を持つらしい。

「コイツも料理して食べさせてやりゃあ…」

ふと、ペパーの言葉に引っかかるものを覚えた。前の時もそうだけど、これはぼくやコライドンへというより、別の誰かへの思いが…

 

 ・
 ・
 ・

 

「おまちどうさん!オレ特製、きまぐれスパイスたっぷりセットだ!」

f:id:homurabe_gren:20231026222218j:image

今度はコライドンの分も用意してくれたらしい。ありがとう!

「コライドンのためじゃねーぞ!がんばって手伝ってくれてるヒイロのためなんだからな!」
「アギャァ!…ガツガツガツ」
「…聞いてないね」
「ったくよー…」

と言いつつ、コライドンの食べっぷりには興味があるみたいなペパー。そんなぼくたちの前で、コライドンの身体が光る。またひとつ力を取り戻したようだった。

「やっぱりスパイスの力はすげーな…いや、そうでなきゃ困るけどよ」

ペパーが呟くように言った。…やっぱり、スパイスを集めてる理由って…誰かにそれを食べさせたいから…だよね?

「…おまえの特性、"おみとおし"か何かかよ?」

ペパーが苦笑する。まぁ、まだ手付かずのサンドイッチがもう一つあるし…ね?

「そうだな…手伝ってくれてるヒイロには、ちゃんと話とかねえとだ」

そう言って、ペパーが手にしたモンスターボールから呼び出したのは…一匹のいぬポケモンだった。

f:id:homurabe_gren:20231026222252j:image

「こいつはマフティフ…オレの相棒さ」

たしか、オラチフの進化系だっけ。でも、なんだか様子がおかしい…?

「コイツ、しばらく前にちょっと…大怪我しちまってな。それ以来ずっと具合悪くて…」

ポケモンセンターや薬なども効果がなかったらしい。普通のケガや病気とは違うのだという。

「オレにとって大事なのは…こいつだけなんだ」

出来上がったサンドイッチを、相棒にゆっくりと食べさせていくペパー。

どんなことをしても絶対に治すと様々なことを調べ上げた果てに、彼の母親…オーリム博士が所持していたスカーレットブックにたどり着いたのだという。

「ウソみたいな話ばっか書いてある、今となっちゃ誰も信じてねえオカルト本さ。でも、オレは本当だと思ってる…いや、本当だったんだよ!」

f:id:homurabe_gren:20231026222326j:image

秘伝スパイスを5種類すべて食べることで、どんな怪我でも病気でも治せる。そうスカーレットブックには記されていた。実際、前回のにがスパイスを食べさせた時にはマフティフの手足に体温が戻ってきたらしい。

「…って、マフティフ?」

熱っぽく語るペパーが、マフティフの変化に気づく。

f:id:homurabe_gren:20231026222342j:image

「目が…見えてるんじゃない?ほら!」
「ああ…ほんとだ…目、開いてる…!」

ずっと閉じられたままだったらしい瞳を覗き込んで、ペパーが顔をくしゃくしゃにして笑っていた。

 

 

   -つづく-

 

 


サブタイが「ボウルの動く壁」ですが、別にそこまでボウルタウンに近いって程でもないんですよね。まぁネタ元の某アニメ映画に語呂合わせただけといいますかw

このゲームのリプレイSSに限らず、セリフとか描写を丸写しはしないように心掛けてはいます。とくに各ルートはおおむねやること変わらないので、詳細に描写するのは1~2回が限度かなと。ジム戦なんて8回もやることになるし💧

その分、各登場人物の心情や情景に注力しようかなと思ってます。たまにもらう数少ない感想コメントで、情景がいいと褒められるので、多分ぼくの売りはそこなんだなと思いますし(不安げ)。

コライドンがスパイスによって強化しても、その内容については具体的に書いてませんが、多分今後も書く余裕がないかな…まぁメタ的にはライドスキルが増えるだけ…いや実際便利なんですが。なので、すべて終わらせるまではこんな感じになるかと。