炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

EP:01/シーン04

「あのっ。なにかすること、ありませんか!?」
 I市、大仁山(おおひとやま)。
 隕石落着現場から離れた広場に設置されたボランティアキャンプに到着したユウキは、大鍋を運んでいる男に声をかけた。
「お、飛び入りのボランティアかい? 助かるよ。人手は多いに越したことは無いからね。それじゃ…あっちに届いた毛布を避難してきた人たちに配って。それが終わったら炊き出しを手伝ってもらえるかな?」
「あ、はい!」
 頷くと同時に山積みの毛布に飛びつき、持てるだけ抱えて避難者の集まりにもって行く。
「はい、すぐ炊き出しの準備できますから。もう少しだけ待って下さいね」

「…ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
 毛布を手渡した男の子が話しかけてきた。
「空からおちてきたの…ほんとにいんせきかなぁ?」
「どういう…こと?」
 怪訝な表情を向けるユウキに、男の子は隕石の方向を指差す。
「ぼくたち、いんせきのちかくをとおったんだけどね。なんか、生きてるみたいにうごいてたんだ」
「コウタ、ヘンなこと言わないの! …ごめんなさいね?」
 グズる男の子を諫める母親を横目に、ユウキは再び落着地点を見る。未だに燻る煙は、どことなく隕石の“呼吸”に見えて、彼は知らぬうちに体を震わせた。

  ゴォォォ…

「?」
 と、上空で響く轟音に、人々が空を見上げた。
「…D.R.A.G.O.N.のファイターチームだ」
 隕石を挟んで反対側の要救助者のもとへ、深緑色の翼を煌かせ、6機の戦闘機が軽やかに飛んで行った。


 -つづく-



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ちょっと短い?

ちなみに、このシーンはフツーにウルトラマンマックス第1話のオマージュです。

パクリじゃなくて、オマージュです(力説