炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【オリジナル】ウルトラマンナイト

EP:01/シーン15

「お疲れ様ですっ!」 帰還したサクラコたちを、オペレーター席から立ち上がって出迎えるチアキ。 「ただいま、チアキちゃん」 そんな彼女に笑顔で応えるサクラコ。ふと、メインモニターに目をやると、つい先ほど目の前で見た、巨人の活躍がリプレイされてい…

EP:01/シーン14

「ああっ、巨人がまた…」 心配そうな面持ちで見守る三つ子の姉妹隊員と、力になれないことに歯噛みするカスミ。 「…私達もいくわよ」 と、その中でサクラコが小さく口を開いた。 「え?」 「攻撃の要にはなれなくても、援護くらいはできるはず。たとえ相手が…

EP:01/シーン13

地響きを上げながら、怪獣が巨人に迫る。その口元がかっと赤くなった。 (……来る!) ユウキが目を見開いた瞬間、数発の溶岩弾が放たれた。 《シャッ!》 巨人が剣を振るう。瞬く間に溶岩弾は切り裂かれ、光の粒となって蒸散した。 (…よし、これなら!) 巨…

EP:01/シーン12

「なに、あの光…?」 カスミが目を丸くする。と、その光の内から、人影が静かに立ち上がり――― 『デュアッ!』 叫ぶ。 「さっきの巨人!」 「無事だったんだね!」 「よーし、がんばれー!」 三つ子たちが騒ぎ立てる中、サクラコはじっと巨人を見つめていた。…

EP:01/シーン11

「な、何が起きたの…?」 「巨人、消えちゃいましたよ!?」 一部始終を見ていたA.N.G.E.L.の面々が口々に呟く。 「そんな……僕を…守った…から……?」 一方、その最期を一番近くで見ることとなったユウキは、呆然と立ち尽くしていた。 と、キラキラ…

EP01/シーン10

「怪獣の次は…巨人かよ……?」 ゆっくりと機体を地面に下ろされ、無事窮地を脱したユウキが、キャノピーをあけて巨人を仰ぎ見る。 「……」 巨人の横顔が視界に入る。それはどこか慈愛をたたえ……ユウキに安心感を与えてくれた。 「ウルトラ……マン」 ふと、口を…

EP:01/シーン09

…一方、空を舞うドラゴンフェザー。 傍目には軽やかに飛んでいるようではあったが、コックピット内のユウキ本人は、正直いっぱいいっぱいであった。 「……っはぁ、はぁ、はぁ…っく」 握りつぶさんばかりの勢いで操縦桿を掴み、肩で息をする。 (こ……これが、…

EP:01/シーン08

「カスミちゃんっ!」 クドウに応急処置を施している女性―――カスミと呼ばれた―――が振り返る。 それが見覚えのある顔と気づき、幾分こわばらせていた表情をすこしだけ和らげた。 「チーフ!」 駆けつけたサクラコらA.N.G.E.L.の面々に、クドウを預…

EP:01/シーン07

また一機が、ユウキの目の前で失速し、墜落していくのが見えた。 「嘘だろ…」 呆然と呟くユウキ。 と、機首の様子がおかしいことに気付く。 「脱出装置が作動してないのか!?」 マズイ。 と、知らずユウキは唾を飲み込む。 万一墜落時に炎上すれば、パイロ…

EP:01/シーン06

「なんてこと…っ」 モニター越しに展開される現実に、サクラコは愕然とした。 突如として現れた怪獣。そしてそれに立ち向かうD.R.A.G.O.N.のファイターチーム。 市街地へ入らないように、怪獣を誘導しながら戦う彼らだったが、慣れない空中戦に、苦戦の色が…

EP:01/シーン05

『こちらヒダ。ポイントCの要救助者を確保。これより移送します』 「了解。…これで全部か」 ファイターチームのクドウ隊長が呟いた。 キャノピー越しに現場(げんじょう)を見る。巨大な岩塊がところどころ赤黒く光り、未だ熱を内包していることを示してい…

EP:01/シーン04

「あのっ。なにかすること、ありませんか!?」 I市、大仁山(おおひとやま)。 隕石落着現場から離れた広場に設置されたボランティアキャンプに到着したユウキは、大鍋を運んでいる男に声をかけた。 「お、飛び入りのボランティアかい? 助かるよ。人手は多…

A.N.G.E.L.なびげーしょん:パート1

登場団体紹介☆ 国際救急軍(こくさいきゅうきゅうぐん) 全世界レベルで頻発、大規模化していく災害に対し、各界からのスペシャリストを集結させる目的で結成された。 国連とは別組織になるため、国連そのものに動かす権限はない。通称のIRFは「Internati…

EP:01/シーン03

―――国際救急軍・IRFは各国に支部を設けているが、一部を除き、原則としてその支部施設は一国につき一つきりとなっている。 しかし、日本には超例外的にもうひとつ、支部が存在し、その支部が擁するチームがあった。 ユウキがキャンプ場へ向かうことを決意…

EP:01/シーン02

コンビニでペットボトルのお茶を購入したユウキは、その場で一気に飲み干した。 空っぽになったボトルをふと眺めているうちに、苛立ちが再び湧き上がり、憤りに任せて目の前のくずかごに投げつける。 「くそっ!」 少々回転を加えたペットボトルは吸いよせら…

EP:01/シーン01

「あぁ、ヒダ隊員。それが…」 受付の男が視線を青年に向ける。と、それに気付いたヒダ隊員と呼ばれた男がつかつかと青年に歩み寄った。 「おお、誰かと思えば今年唯一の受験生クンか」 「…知ってるんですか?」 確か彼は試験官としては参加していなかったは…

EP:01/アバンタイトル

―――21世紀。 世界各地で頻発するようになった大災害。増え続ける被害に対処すべく、全世界規模で国際救急軍、通称「IRF」を発足。各国に特捜救急部隊を結成し、有事に備える事になる。 そしてここ日本にも、レスキューのスペシャリストが集うチームが存…