「怪獣の次は…巨人かよ……?」
ゆっくりと機体を地面に下ろされ、無事窮地を脱したユウキが、キャノピーをあけて巨人を仰ぎ見る。
「……」
巨人の横顔が視界に入る。それはどこか慈愛をたたえ……ユウキに安心感を与えてくれた。
「……」
巨人の横顔が視界に入る。それはどこか慈愛をたたえ……ユウキに安心感を与えてくれた。
「ウルトラ……マン」
ふと、口をついて出た言葉にユウキが驚く。
「ウルトラマン? …なんで僕は、そんな言葉を……?」
『ユウキくん!? ユウキくん!?」
と、ヘルメットのレシーバーからサクラコの声が響く。
「あ、はい!」
『よかった、無事なのね…』
安堵の声を漏らしたサクラコであったが、すぐに咳払いして元の口調に戻る。
『とにかく、そこは危ないわ。ドラゴンフェザーは放っておいていいから、まずはその場を離れて』
「…わ、わかりました」
『よかった、無事なのね…』
安堵の声を漏らしたサクラコであったが、すぐに咳払いして元の口調に戻る。
『とにかく、そこは危ないわ。ドラゴンフェザーは放っておいていいから、まずはその場を離れて』
「…わ、わかりました」
そう返事して、コックピットから飛び降りはしたものの、ユウキの視線は巨人の姿を捉えて離さず、その足は一歩たりとも動かなかった。
『ジュワッ!』
巨人が叫び、怪獣に飛び掛る。巨大であることを忘れてしまうほどの俊敏な動きで、岩石の怪獣を翻弄していく。
『シャァッ!』
巨人の右腕…肘から爪先にかけてが金色に輝き、すれ違いざまに怪獣にチョップを浴びせる。
刹那、怪獣の体がバラバラと崩れ落ちていった。
「すごい…!」
感嘆の声を上げるユウキ。が、その表情はすぐに驚愕のそれに代わられた。
「あっ…!」
四肢を切り取られた怪獣の体の回りに大小さまざまな岩石が集まり、あっというまに体を復元してしまったのだ。
「なんだ…あの怪獣?」
と、今度は怪獣の反撃が始まる。得意の溶岩弾をマシンガンのように連射してきたのだ。
『ヘアッ!』
その攻撃を避け…ず、巨人は体を張ってそれを受け止めた。
『グ…ァ…』
「なんで……まさか、僕を?」
確かに、放たれた溶岩弾のうちいくつかはこちらへ直撃するコースだった気がする。それを思い出し、ユウキの背中に冷たい汗が流れた。
「僕を…守ってくれた……」
肩膝を突き、ダメージに耐える巨人。その肩は荒く上下し、銀色の眼に宿る輝きも、眼に見えて鈍くなってきていた。
ピコン…ピコン…
「今度はなんだ?」
巨人の胸元で、さっきまで緑色に輝いていたクリスタルのようなものが赤く点滅を始めた。それに呼応して、巨人が苦しそうにもがく。
「巨人が…苦しんでる?」
その姿に、知らず胸が痛くなり、ユウキが胸元をぎゅっと握り締めた。と、唸り声を上げる怪獣の口元が、赤く熱を帯びだした。
その姿に、知らず胸が痛くなり、ユウキが胸元をぎゅっと握り締めた。と、唸り声を上げる怪獣の口元が、赤く熱を帯びだした。
「……あ、危ない!」
ユウキの絶叫と、怪獣の溶岩弾の発射はほとんど同時であった。動きの鈍くなった巨人にそれを避ける術はなく……
ユウキの絶叫と、怪獣の溶岩弾の発射はほとんど同時であった。動きの鈍くなった巨人にそれを避ける術はなく……
十数発の溶岩弾をまともに浴び、巨人が大地に倒れ付す。
そして……
そして……
「あ……ああ……っ」
無数の光の粒となって、その巨体が……消えた。
-つづく-
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ばばさま、巨神兵が……(違