地響きを上げながら、怪獣が巨人に迫る。その口元がかっと赤くなった。
(……来る!)
ユウキが目を見開いた瞬間、数発の溶岩弾が放たれた。
《シャッ!》
巨人が剣を振るう。瞬く間に溶岩弾は切り裂かれ、光の粒となって蒸散した。
(…よし、これなら!)
巨人が、大きく頷いた。
《シュワッ!》
今度は巨人から仕掛ける。怪獣の溶岩弾の攻撃を刃でいなし、輝く刀身を一気に振り下ろした。
(いけえっ!)
――― 一閃。
光の軌跡が走り、次の瞬間、どう、と大きな音を立てて怪獣の首が落ちた。
「やった!」
思わず感嘆の声を上げるのはカスミ。
「…ううん、まだ!」
が、すぐさま凛とした声がそれを否定した。…サクラコだ。
(まだだ!)
(え?)
(え?)
巨人の“声”に指摘され、ユウキが怪獣の首を見る、と、それは一瞬バラバラになった岩の集まりになり、そうなったかと思うとごろごろと首の切断面に集まっていく。
(…!?)
ユウキの見る前で、まるでビデオの撒き戻しを見ているかのように、怪獣の首が復元していく。
(そうだ…さっき、A.N.G.E.L.のみんなが攻撃したとき、あの時もすぐに足が元に戻ってた……)
(あの怪獣、体を構成しているのは全て地球の岩石や鉱物だ。体を破壊しても、中枢を破壊しなければすぐに復活してしまうぞ)
(あの怪獣、体を構成しているのは全て地球の岩石や鉱物だ。体を破壊しても、中枢を破壊しなければすぐに復活してしまうぞ)
「…巨人の動きが止まってる?」
「あ、危ない!」
「あ、危ない!」
ミイの金切り声が響く。怪獣の復活した頭部…その口元が赤熱化したのだ。
(! しまっ……)
一瞬反応が遅れ、溶岩弾の直撃が巨人の腹部を強打した。
《ガァッ……》
思わず膝をついてしまう巨人。と、それと時を同じくして胸についていたクリスタル状のアクセサリが赤く点滅し始めた。
(な、なんだ………力が、抜ける…?)
(む……?)
(む……?)
猛烈なまでの虚脱感に襲われ、ユウキの意識が僅かにブレる。
(いったい、何が起きてるんだ……?)
(やはり、この惑星上では、この姿を保っていられる時間が極端に短いのか…地球人の力を借りてもなお…?)
(やはり、この惑星上では、この姿を保っていられる時間が極端に短いのか…地球人の力を借りてもなお…?)
ふらふらになりながらも、膝を着いた足を持ち上げ、なんとか立ち上がる。
(どういうことなんだ?)
(この星と、私がやってきていた星とは、環境が異なる。だから、この姿を維持できる時間が限られるのだ)
(この星と、私がやってきていた星とは、環境が異なる。だから、この姿を維持できる時間が限られるのだ)
右手を見ると、光の剣も、その存在をゆるがせ、輪郭が希薄になっていた。
(限られるって…どのくらい?)
(この惑星の時間概念に換算して……おおよそ、180秒)
(この惑星の時間概念に換算して……おおよそ、180秒)
あまりにも短すぎるタイムリミットが、告げられた。
-つづく-
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腹が減ってもじっと我慢の子ができるには十分な時間
戦うには、わりかし短い時間。
戦うには、わりかし短い時間。
だが、それがいい(何
180秒の戦いは、ウルトラの醍醐味だぜ!