炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

EP:01/シーン12

「なに、あの光…?」

 カスミが目を丸くする。と、その光の内から、人影が静かに立ち上がり―――

 『デュアッ!』

 叫ぶ。

「さっきの巨人!」
「無事だったんだね!」
「よーし、がんばれー!」

 三つ子たちが騒ぎ立てる中、サクラコはじっと巨人を見つめていた。

  *

(この感覚……これが、キミと一体化しているってこと?)
(そうだ……いま、この体は私であり、君でもある)

 踏みしめた足が、地面を凹ませる。

(そう、その足は君の足だ!)

 広げた掌を、ぐっと握り締める。

(その腕は君の腕だ!)

 銀色の眼が、怪獣を見据える。

(その眼は、君の眼だ!)

 感じる。……力を。

(そうだ! その力は…君の力だ!!!)

 感じる。今ユウキは、巨人であった。

(いくよ……!)

 みなぎる力を奮い立たせ、怪獣に立ち向かう。

 恐怖がないといえば、それは嘘だ。

 なすすべもなく落とされていったD.R.A.G.O.N.の面々。総力を尽くしたA.N.G.E.L.の目の前で復活した怪獣。

 怖くないわけがなかった。

 だが、それ以上に。

 強い勇気が、彼をを突き動かしていた。

 そしてそれは、右腕に……輝く力として宿る。

(これは……)

「…光の、剣?」

 カスミの言葉の通り、掌から光が伸び、それは剣のように、巨人の手の中に納まった。

(君の想いが、形となったものだ。これなら、君の思うままに戦えるはずだ!)
(確かに…)

 幼少期から剣道を続けてきたユウキにとって、それはもっとも扱いなれた得物であった。

 正眼に構え、その切っ先を怪獣に向ける。

(はっ!)

《デュアッ!!!》

 ユウキと、巨人の気合が重なり、大気を振るわせた。 


   -つづく-


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 ナイトの「光の剣」ですが、メビウスやヒカリのメビュームブレード及びナイトブレードのように、腕から伸びているわけではなく、刀剣状に固定化した“光”を持っているスタイルです。

 「幽遊白書」の霊剣のようなものをイメージしていただければおk。

 ふと書いていて、今までのシーンで彼が剣道をやっているという描写がなかったことに気づいたorz

 …まぁ、1話完結させてから、修正版書くときにでも。