「なに、あの光…?」
カスミが目を丸くする。と、その光の内から、人影が静かに立ち上がり―――
『デュアッ!』
叫ぶ。
「さっきの巨人!」
「無事だったんだね!」
「よーし、がんばれー!」
「無事だったんだね!」
「よーし、がんばれー!」
三つ子たちが騒ぎ立てる中、サクラコはじっと巨人を見つめていた。
*
(この感覚……これが、キミと一体化しているってこと?)
(そうだ……いま、この体は私であり、君でもある)
(そうだ……いま、この体は私であり、君でもある)
踏みしめた足が、地面を凹ませる。
(そう、その足は君の足だ!)
広げた掌を、ぐっと握り締める。
(その腕は君の腕だ!)
銀色の眼が、怪獣を見据える。
(その眼は、君の眼だ!)
感じる。……力を。
(そうだ! その力は…君の力だ!!!)
感じる。今ユウキは、巨人であった。
(いくよ……!)
みなぎる力を奮い立たせ、怪獣に立ち向かう。
恐怖がないといえば、それは嘘だ。
なすすべもなく落とされていったD.R.A.G.O.N.の面々。総力を尽くしたA.N.G.E.L.の目の前で復活した怪獣。
怖くないわけがなかった。
だが、それ以上に。
強い勇気が、彼をを突き動かしていた。
そしてそれは、右腕に……輝く力として宿る。
(これは……)
「…光の、剣?」
カスミの言葉の通り、掌から光が伸び、それは剣のように、巨人の手の中に納まった。
(君の想いが、形となったものだ。これなら、君の思うままに戦えるはずだ!)
(確かに…)
(確かに…)
幼少期から剣道を続けてきたユウキにとって、それはもっとも扱いなれた得物であった。
正眼に構え、その切っ先を怪獣に向ける。
(はっ!)
《デュアッ!!!》
ユウキと、巨人の気合が重なり、大気を振るわせた。
-つづく-
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ナイトの「光の剣」ですが、メビウスやヒカリのメビュームブレード及びナイトブレードのように、腕から伸びているわけではなく、刀剣状に固定化した“光”を持っているスタイルです。
「幽遊白書」の霊剣のようなものをイメージしていただければおk。
ふと書いていて、今までのシーンで彼が剣道をやっているという描写がなかったことに気づいたorz
…まぁ、1話完結させてから、修正版書くときにでも。