「な、何が起きたの…?」
「巨人、消えちゃいましたよ!?」
一部始終を見ていたA.N.G.E.L.の面々が口々に呟く。
「巨人、消えちゃいましたよ!?」
一部始終を見ていたA.N.G.E.L.の面々が口々に呟く。
「そんな……僕を…守った…から……?」
一方、その最期を一番近くで見ることとなったユウキは、呆然と立ち尽くしていた。
と、キラキラと散らばる光の粒が、まるで吸い寄せられるように一つに集まっていく。
「な、なんだあれ…?」
それは、やがてふわりとユウキの元に近づき……一つの形を成した。
「え? …うわっ!」
突然重力に引きずられたそれを慌てて受け止めると、それは、青い鞘に収められた短剣のようであった。
「……これは…」
“ユウキ……”
「!?」
突然、ユウキの頭に声が響いた。
“アマツ・ユウキ……”
「な、何?」
慌てて周囲を見るユウキだったが、声の主らしき影は見当たらない。
“ここだ…私は……ここにいる…”
手にした短剣がキラリと輝いた。
「ま、まさか…さっきの、巨人!?」
“そうだ……”
声が応える。
“私は、君達地球人類が<M87星雲>と呼称している宙域から、地球の文明を知る為にやって来た<※☆○▽~□>だ”
「なんだって?」
“…済まない。私の名前は地球の言語に変換することができないようだ”
「そうか…無事だったんだね」
ユウキが穏やかな笑みを浮かべた。
“あまり状況は芳しくないがな”
「あ、そうか。身体、消えちゃったわけだしな…」
“そうではない。状況が悪いのは君達人類のほうだ。あの<怪獣>を一刻も早くなんとかしなければ……”
重々しい<巨人>の声が、ユウキの心に影を落とす。
「……ねえ」
“なんだ?”
意を決したように、ユウキが声のする短剣を見つめる。
「僕に、何かできないかな?」
“………”
<声>が押し黙る。ユウキがもう一度声をかけようとした時、短剣がぼう、と輝きだした。
「!」
“我々の住む世界と、この地球という星は、環境が異なる。ゆえに私は、先ほどは満足の行く戦いができなかった。……だが”
「だが?」
“この世界の住人と一心同体になれば……それでも短時間だが……地球でも活動可能になるはずだ”
<声>にはわずかな迷いのようなものが感じられた。彼にとっても未知数な行為なのだろう。彼のみならず、一心同体になるであろう相手にも負担がかかる可能性が高い。
…ユウキは、息を吸って、腹の底から声を出した。
「……僕がやる。僕の身体と、一緒になればいい」
その言葉に、巨人は息を呑んだようだった。
“その言葉、君ならきっと言ってくれるであろうと、予感がしていた。だが、危険だ。……下手をすれば命を落とすことになるかもしれないんだぞ?”
「それでもさ。僕は、キミに命をすくわれた。ドラゴンフェザーに乗っていたときと、ついさっき。二度もだ。今度は、僕が君の力になる番だって、そう思うんだ!」
“…………強いな、君は。地球人というのは、みなこうなのか?”
「さぁ、それはわかんないけど。…でも、僕は弱いよ。君が助けてくれなかったら、とっくの昔に死んでたかもしれないしね」
“いや、やはり君は強いよ。……では、私のほうからも頼もう。……私に力を、貸してくれないか?”
「ああ! 僕からもお願いするよ。君の力を、僕に貸してくれ!」
“―――心得た!”
短剣がひときわ大きく輝いた。
「わっ!」
“その<剣>を、鞘から引き抜け。君と私はひとつとなり、力を…得るだろう”
「……わかった。いこう!」
ユウキの右手が、ぐっと短剣の柄を握り、一息に抜く。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
ユウキの叫び声が、迸る燐光と混ざり合い、弾けた。
-つづく-
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光を掴み―――勇者立つ!
変身アイテムは短剣型。同じく短剣のヒカリのナイトブレスはしまうことで変身しますが、こちらは抜刀しての変身。プロセスとしてはネクサスのエボルトラスターのほうが近いですね。
時間があればコレをCGで作りたいですw