―――それは、ともすれば見惚れてしまう美しさを持ちながら、狂暴にして、凶悪な闇黒。
―――それは、一見すれば聖職者とも見まがわんばかりに、清く、気高い純白。
黒い影が唸り声と共に白い影に突進する。
大振りな拳による攻撃を、白い影は難なくかわし、ミドルキックを相手の腹に叩き込んだ。
蹴り出したことで僅かに間合いと、次の攻撃までのタイムラグを生む。
白い影が流れるような動きで、ベルトから笛のような調度品を引き抜き、バックルに差し込んだ。
-I・X・A・K・N・U・C・K・L・E R・I・S・E・U・P-
「…ハッ!」
空手の正拳突きの要領で、拳が黒い影に伸びる。空間が歪むほどの衝撃波を帯びた拳が相手の胸板を衝き、強烈な振動がその存在を根底から揺るがせ…
ガラスのような破裂音とともに、粉々になって崩れ落ちた。
「…ふぅ」
白い影が、その仮面の内側で溜息をつく。
その者、名を【イクサ】。
黒い影……人に仇なすモンスターに対する、最後の切り札。
―――ウェイク・アップ! 運命<さだめ>の鎖を解き放て!!
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今回の主役はイクサ。しかし音也でもなければ753でもありません。
原作の、どちらの時間軸にも属さない1997年という時代を舞台に、もう1つの戦いの物語が、まもなく上演開始なのです。
はてさて、これからいかような物語が紡がれるのか。
それはこれから、視てのお楽しみというヤツでございます。
それはこれから、視てのお楽しみというヤツでございます。
では、まもなく開場のベルが鳴ります。いましばらくお待ちくださいませ……