炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【キバ外伝】シーン0:オーヴァーチュア・始まりを告げる序曲【IXA-1997-】

 ―――それは、ともすれば見惚れてしまう美しさを持ちながら、狂暴にして、凶悪な闇黒。

 ―――それは、一見すれば聖職者とも見まがわんばかりに、清く、気高い純白。


 黒い影が唸り声と共に白い影に突進する。

 大振りな拳による攻撃を、白い影は難なくかわし、ミドルキックを相手の腹に叩き込んだ。

 蹴り出したことで僅かに間合いと、次の攻撃までのタイムラグを生む。

 白い影が流れるような動きで、ベルトから笛のような調度品を引き抜き、バックルに差し込んだ。


  -I・X・A・K・N・U・C・K・L・E R・I・S・E・U・P-


 ベルトからメカニカルな音声が響くと同時に、右手がベルトのパーツを外し、メリケンサックのように握り締める。

「…ハッ!」

 空手の正拳突きの要領で、拳が黒い影に伸びる。空間が歪むほどの衝撃波を帯びた拳が相手の胸板を衝き、強烈な振動がその存在を根底から揺るがせ…

 ガラスのような破裂音とともに、粉々になって崩れ落ちた。




「…ふぅ」

 白い影が、その仮面の内側で溜息をつく。







 その者、名を【イクサ】。

 黒い影……人に仇なすモンスターに対する、最後の切り札






    ―――ウェイク・アップ! 運命<さだめ>の鎖を解き放て!!

    仮面ライダーキバ 外伝-1997-
    IXA-Trinity VII-





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さて、お待たせしました(?)
仮面ライダーキバ外伝、満を持しての登場です。

今回の主役はイクサ。しかし音也でもなければ753でもありません。

原作の、どちらの時間軸にも属さない1997年という時代を舞台に、もう1つの戦いの物語が、まもなく上演開始なのです。

はてさて、これからいかような物語が紡がれるのか。
それはこれから、視てのお楽しみというヤツでございます。

では、まもなく開場のベルが鳴ります。いましばらくお待ちくださいませ……