炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【二次創作】仮面ライダーキバ

【キバ外伝】シーン5:ディ=ヌオーヴォ・再会のあの娘

「…はっ!」 一瞬の摺り足から地を蹴り、一気に肉迫する。 「っ!」 腹に気合を溜め、正拳突きを見舞う。七弥にとっては普段よりすこし力を込めた程度だったが、イクサシステムによって増幅されたソレは、分厚い鉄板ですら大穴を明ける破壊力を持つのだ。 し…

【キバ外伝】シーン4:イントナーレ・纏え強き法衣を【IXA:1997】

七弥が少女を助けたあの一件から、数週間が経過していた。 その後も不可解な失踪事件が数度報道されたが、現場に残された手掛りは皆無に近く、警察、七弥ともにその真相には至っていなかった。 「…ファンガイアの仕業じゃないんじゃないでしょうか?」 マル…

【キバ外伝】シーン3:アッソナンツァ・少女と怪物【IXA:1997】

「…では、早速明日から始めてもらいたい」 「今日からでもいけますよ?」 「……その恰好で動き回る気かね?」 嶋に指摘され、改めて時分の容姿を省みる。 ボサボサ頭とよれよれの白衣は、贔屓目に見てもいい格好とはいえない。 「君のその意気はかうが、まず…

【キバ外伝】シーン2:スービト・嶋の依頼【IXA-1997-】

その日も、七弥らイクサ開発チームの面々は研究と改良に勤しんでいた。 「…………」 と、そんな彼等を見る、ちょっと低めの視線。 「ん……?」 七弥がそれに気付く。10歳前後の女の子が、ドアの隙間から開発ルームをじっと見つめていた。 「どうしたの? 迷子…

【キバ外伝】シーン1:クレッシェンド・日常【IXA-1997-】

周囲の景色が乱れ、すぐにそれは青い壁面の空間へと変わる。 ベルトに手をかざすと、今度はイクサの姿が希薄になり、その下の正体をあらわにした。 「…ま、こんなもんかな」 ボサボサ頭の青年が、バックル部…【イクサナックル】を右手で弄ぶ。 「……阿呆かぁ…

【キバ外伝】シーン0:オーヴァーチュア・始まりを告げる序曲【IXA-1997-】

―――それは、ともすれば見惚れてしまう美しさを持ちながら、狂暴にして、凶悪な闇黒。 ―――それは、一見すれば聖職者とも見まがわんばかりに、清く、気高い純白。 黒い影が唸り声と共に白い影に突進する。 大振りな拳による攻撃を、白い影は難なくかわし、ミド…