炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ウルトラSS】ULTIMATE CROSS SCRAMBLE!!/シーン2

 ―――カイトが、記憶喪失の青年…ヒビノ・ミライを救出してから数日が経った。

 依然として記憶は戻らなかったが、すぐに元気になった彼は「なにか恩返しをしたい」と言って、各スタッフの手伝いとしてベースタイタン内を奔走していた。

 そんな中、少しずつ彼のことが分かりだしてもきていた。

「フーム……<ヒビノ・ミライ>。<CREW GUYS JAPAN(クルー・ガイズ・ジャパン)>の一員で現在18歳……か」

 彼が所持していた携帯端末……<メモリーディスプレイ>という名称だが、この時点ではまだカイトたちは知らない……から引き出した情報を閲覧しながら、カイトがため息をついた。

「でも、GUYSなんて組織、聞いた事ないなぁ…」
「ああ。念のためUDFにも問い合わせてみたが、そのような名称のチームは存在しないそうだ」

 DASHの隊長、ヒジカタ・シゲルが次いで口を開いた。

「それに、彼が着ているあのユニフォーム…たぶんあれがGUYSのものなんだろうけど……やっぱり見覚えないし」
「ま、それについてはショーンがあの端末を調べるっつってるんだから、そのうちなんか分かるんじゃないか?」
 コバの言葉に、その場にいた全員がメモリーディスプレイに糸鋸とハンマーを振りかざすショーンの姿を思い浮かべた。
「……ちゃ、ちゃんと調べてくれます…よね?」
「……た、たぶん大丈夫だと思うんだが……」

 ……一抹の不安を禁じえない一同であった。


   *


「やぁ、ミライくん」
「カイトさんっ」

 廊下をモップがけしていたミライと出会う。発見されていたときに着ていたユニフォームはところどころ擦り切れていたが、繕われていたらしく、ずいぶんときれいになっていた。

「ここには慣れたかい?」
「ええ。…なんでかは分からないんですけど、どこか懐かしい感じがします」
「ここ…ベースタイタンが?」
 首をかしげるカイトに、ミライがはい!と朗らかに応えた。ユニフォームがどことなくDASHに似ているところや、彼の身のこなしを見るに、ひょっとしたら彼がいたGUYSというのはDASHに似たようなチームなのかもしれない、とカイトは思った。

「あ、そうだ。何かお手伝いすることはありますか?」
「え? うーん、今は特にないかなぁ…」
「そうですか…」
 とたんにしゅんとした顔になるミライ。
「あ、思いついたら声かけるからさ」
「はい!」
 カイトがフォローすると表情が元に戻った。記憶を失っているからなのかはわからないが、年齢以上に幼い印象を与えた。

 と、突然ベースタイタン内に緊急コールが鳴り響いた。

「!」
「な、なんですか!?」
「怪獣が現れたのか!?」

 弾かれるように廊下を蹴って走り出すカイト。

 ブリーフィングルームに向かうカイトの背中を、ミライはしばし呆然と見つめていたが、やがて彼もモップを放り出し、カイトを追って走り出した。


   -つづく-



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 ショーンといえば糸鋸と金槌w
 というかエリーが解析すれば早いんじゃね? という突っ込みは全力でスルーだッ!(ぇ

 劇中でミライを18歳にしていますが、これは外見年齢の設定が18歳なのでそれにあわせています。
 平成は10代で変身するウルトラマンも多いのかな?と思ったけど大半が20代ですたw
 ところで、最年少は「ネクサス」のサードこと千樹憐(17歳)でOK?
 (「コスモス」のムサシは初登場こそ小5ですが、この時点では変身してませんしね)

 さて、次回怪獣が登場…こっそりオリジナル怪獣の予定w