炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ウルトラSS】ULTIMATE CROSS SCRAMBLE!!/シーン7

 怪獣の消失から数時間。
 DASHは総力を以ってその行方を追っていたが、その手がかりすらつかめぬまま、時間だけがいたずらに過ぎていった……

「…ミライ、くん?」

 一方、カイトは、ベース・タイタンの廊下を掃除しているミライに声をかけていた。


   *


「そうか……記憶、戻ったんだね」
「ええ。ご心配をおかけしました」

 人気の無い展望台に、ミライとカイトが並び立つ。吹き抜ける海風を背中に受けながら、カイトはごくり、とのどを鳴らした。

「ところで……」
「はい?」

 言いかけて、逡巡するカイト。
 彼がウルトラマンであるということを、なんとなくは察していたものの、確証にはいたっていない。ここでうかつに問いかけても良いものか……

「………ああ、もうっ」
「え?」
「あ、いや」

 思わず口を着いて出た唸り声に、ミライを驚かせてしまう。

「……結論から聞くけど」
「はい」

 深呼吸を一つして、カイトはミライに向き直る。

「さっきのウルトラマン……君だね?」
「!」
 いきなり図星を突かれ、ミライが目を丸くした。

「…いや。別に君の正体を知ったからどうこうってわけじゃないんだ。…その」

 ポケットから<マックススパーク>を取り出し、ミライに見せる。

「…まさか、あなたも…?」
「ああ。<ウルトラマンマックス>。M78星雲からきた観測員が、俺の中にいるんだ」

 ミライが小さくうなづき、左腕に<メビウスブレス>を現出させる。
「……やっぱり」

 メビウスブレスとマックススパークを接触させる。と、二人の精神は体を離れ、次の瞬間には光あふれる世界にいた。

(はじめまして…と言うべきかな?)
(あなたが…ウルトラマンマックス

 カイトの背後に浮かぶマックスのヴィジョンに、はじめまして、と挨拶をするミライ。

(あ、やっぱり面識ないんだ)
(そうですね…さっきカイトさんがM78星雲から来たって言ってましたけど、ボクも同じところから来てるんです)

 それでも知りませんでした、と言い、マックスもうなづいた。

(まぁ、同じ星の出身だからって、知り合いとは限らないか……)
(…同じ星でも、<世界>が違うのかもしれません)

 不意に、空間が希薄になり、気づくと、二人はベース・タイタンの展望台に戻ってきていた。

「どういうことだい?」
「……ボクは、この<世界>とは、違う<世界>から来ました」



   -つづく-



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 本当はもうすこし書くつもりだったのですが、思うところあってブツ切り。

 いや、めんどくなったからというわけでは決してなくして。

 ちょっとミライの回想シーンに持ち込もうと思ったんですが、それをケツに挿入するよか次シーンの頭に持ってったほうがいいと思い立ちまして。

 …あ、ちょこっとネタバレしちゃった?w
 まあいいやw(ぉ