…神々のエデンに挑み続けて一週間。
幾度となくダークデモンらと対峙し、倒し、力をつける中…
その最奥に座するであろうクエーサーが動く気配はなかった。
そして、ついに僕たちは…かの者に挑むため、最後の一歩を踏み出す。
「!?」
刹那、辺りが暗くなり、雷鳴がそこかしこから唸る。
「地を這う者らよ…我が神の座にようこそ」
濃厚な闇の気配が、喉の内側から撫で付けるように耳朶を震わせる。
「魔を見つめる者よ、その魔眼でしかとみよ。諸君らを統べる新たな神は…もうここに目覚めている」
神。
そう名乗ることに一片の疑いもないほどの圧が、その影からは滲み出ていた。こいつが…クエーサー…!
「その瞳に、我が姿…神の姿を刻んで眠れ…!」
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「ビアンカ!ここはいつも通りだ!」
「はいっ!まずはみなさんの戦場を整えます!」
ノアルとビアンカが高速詠唱を駆使して僕たちに魔法の加護をもたらす。
『僕たちも…』
『お手伝いします!』
双子の阿吽の呼吸で、マジックアイテムを連続で発動する。可能な限りの強化を!
「こころせよ、我がデモンゲイザーよ。クエーサーは並の強さではない。だが、魔星の名と威を借り、デモンとなっている以上、お主にも付け入る隙は必ずある!そして…」
うん、奇跡が勝利を呼ぶと言うなら、この手に掴んでみせるさ。エリス、君の力を使ってね!
「そういうことじゃ。我が奇跡、見事手繰り寄せてみせませい!」
「ほう、その剣…デモン殺しの魔剣に竜の加護が付与されておるのか」
クエーサーがデモンスレインの存在に気づく。ああ、お前がどれだけ強大でもデモンであるなら!この剣はよおっく効くだろう!
「フッ…果たしてどうかな?」
はあっ!
飛びかかるデモンシードの群れを掻い潜り、一閃を浴びせ…
「…笑止」
何っ!?
「大将!?どういうこった、聖剣の輝きが…?」
クエーサーに止められた刃が、白く輝いていた聖剣デモンスレインの刀身が…元の姿に戻りかけている?
「我はかつて、聖剣に斬られたこともあったが…かの刃とは似ても似つかぬナマクラよの!」
うわっ!
「リーダー!こんのぉっ!」
隠形術から飛び出したマイコがクエーサーに不可視の鎖を巻き付け、一時的に動きを封じる。
「聖剣の盟約が中途半端か…くだらぬ。そのような紛い物で神に挑もうとしたこと…死をもって償い給え!」
鎖を引きちぎり、クエーサーが手にした銀河を振り下ろす。
『お父様っ!』
ギリギリで飛び込んできたクリスとクレアが武器で攻撃を受け流し、僕たちは再び合流する。
「隊長さん…聖剣のことは一度後回しに。今は持てる力でクエーサーを倒すことに集中しましょう!」
ああ、そうだねビアンカ。聖剣がなくとも、僕たち全員の力があれば!
「負ける気はしねえってやつだぜっ!オラオラぁっ!」
掴んだ奇跡の力で強化された魔法力で、ノエルがクアッドボルトを放つ。
『神器システム・ローディング…ラーニング完了!』
『お父様、あわせて!』
2人分…いや、3人分のユピテルベインがクエーサーの振り下ろす銀河と交錯し──
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「まだ早い…ということか…」
最後の一撃を浴びたクエーサーは、霧のように掻き消え…神々のエデン全体に響くような声で呟く。
「ならば…今はここまで…」
…今?
「フフフ…魔を見つめる者よ…時を越え…またまみえようぞ…」
その声もやがて遠ざかり…後には、金色に輝く砂時計がひとつ、残されていた。
「流石にデモンとは似て非なるって感じだし、魔眼で捕まえるってわけにはいかなかったわね」
うん…まぁでもとりあえず…
──デモン・クエーサー…討伐完了!!!
全員で叫んだ言葉が、エデンに響き渡った。
−つづく−
あけましておめでとうございます(遅
前回の更新から1ヶ月近く…リアルでSwitch触る暇がなかったもので(言い訳
隠しボスことクエーサー戦、どうにかクリアー。まぁ平均レベル60超えてりゃ概ね問題はないでしょう。可能な限りのデモンスキルも行使したし。
リザルトとしては18ターン。バフがけが思いの外早く終わったのでノアルにはクアッドボルト乱発してクエースシード撃破に貢献してもらいました。
直前のダークエリス戦で持ち込んだポイニードール全部持って行かれたところに、ゲイザーくんと双子が2、3回落とされたのは正直しんどかったですが…💧
さて、まだもう少し進むわけですが。もうちょいお付き合いくださいな。
最後にクエーサー撃破時点でのリザルトをぺたり。