炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【#DGEX】62日目II:黒き闇より深き檻籠

「まさかソルを倒しても冒険が続くとは思わなかったぜ」

みんな協力してくれてありがとうね。ノアルも何かやりたいことあったんじゃないの?

「いや…レゼルム氏の研究に危うく付き合わされるところだったから、いい言い訳になったわ。むしろ助かった」

ああ、灰から遺物を復元するとか言うあれ?

「研究の本質ってのは自らの欲望、私利私欲だ。そいつが数ある錬金術の大成果をもたらしたのも事実。だが、今回ばかりはなァ…」

だいたいアレが燃やされたの、一月以上前の話だもんねぇ…とっくに掻き出されてる気がする。

「私は、勉強中の医学知識が皆さんのお役に立てると思いますので、願ったり叶ったりですっ」

ビアンカはあれ以来、カッスルを通じて様々な医学書を入手し読み耽っている。いずれはオヤカタのリハビリにも着手したいらしい。

 

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館の鏡づたいに、黒の檻へと突入する。ここへ入るのはローナに連れてきてもらって以来だから、おおよそ2ヶ月ぶりだ。

「あれ、その鍵なに?」

ふと、僕の持っている見慣れない鍵に気づいたマイコがそれをつつく。出発前にフランから渡された“テラの鍵”だ。

「テラって…あなたの中にいたデモンの」

うん。デモンスレインによって殺したテラの魂を、鍵に変生させてたみたい。経緯はどうあれ、僕の分身みたいなものだからって。

「ふうん…危ないくないの?」

ほかのデモンの鍵が危なかったら怖いかもだけどね。

「まぁ、勝手に出てくることはあっても暴れることはないしねぇ」

そういうこと…ふむ。

「どうした?」

 

 ──オープンデモン…!

 

「うぉぉぉぉぉいっ!!!なんばしよっとか大将きさーん!!?」

何気なしにテラの鍵を掲げようとすると、ものすごい勢いでノアルが突っ込んだ。いや、これでテラ呼び出したら僕が変身するのかそれともテラが別で出てくるのか気になって…

「気になったからって試す奴があるか!仮にも大天使ソルの眷属だったやつだぞ!?」

ははは…まぁでも何も起きなかったし。

「ったくよぉ…」

…実は前に青の旧市街で魔法を向けられかけた意趣返しも込めてだったのだけど、それは黙っておこう。

 

さて、この鍵を身につけるにあたって…マイコ。

「ん?」

代わりに僕がつけてた“ダール王の指輪”、着けておいてよ。

「うぇっ!?い、いいけど…」

と言って、おずおずと左手を差し出してくるので、指輪を嵌めてあげる。

「…へへへ」

「隊長さん…そういうとこですよ?」

妙に上機嫌なマイコと、彼女をジト目でみながら呟くビアンカだった。

 

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黒の檻の各階層は、グリモダール城にあった魔導昇降機のようなもので行き来する。それぞれの階層にはこれまで戦ってきたデモンの名が記されており、次へ向かうには、別のデモンの鍵が必要不可欠だ。

「つまりソルとテラの鍵は必須だし、10柱のデモンも倒さねえと進めなかったってわけだな…そりゃだれも攻略できねえわ」

 

コメット、マルス、クロノス…と順当に階層を進めていく。階層が変わるたびに環境が変わっていくのは、かなり奇妙な光景だ。

「変わってるといいますか、それぞれの名を冠したデモンの支配領域を写し取ったような感じですよね」

ビアンカの言う通り、マルスの場合は赤の旧市街、クロノスの場合は奴隷墓地…というような、彼女たちと戦った地を彷彿とさせる空間になっている。まさかこんなところでも息吹のヴェールが役に立つとは思わなかった。

 

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10の階層を踏破し、ルナの領域も攻略したのちに、謎の紋章が刻まれた昇降機に辿り着く。恐らくはこれが…

テラの鍵を握り、手を触れると、次なる階層に進んでいた。ここが僕の…テラの檻籠なのだろう。

 


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「…この深淵の世界にやってきた愚か者は誰じゃ?」

 

テラの領域にあったサークルを調べると、純白の衣を身に纏ったデモンが顕れた。あなたがエリス…だね?

「いかにもエリスはわらわじゃが…ほう、お主…テラか」

元、だけどね。今はただの人間さ。

「魔眼を持ってるのがただの人間であってたまるかね…」

それはごもっとも。

「して、何用じゃ?わざわざこんなところまで足を運ぶなどと…正気の沙汰ではできまいて」

まず、お礼を言いたかったのがひとつ。

「…ほう?」

あのとき、コメットを通じて僕を助けてくれたでしょ?ありがとう。

「…はて、お主を助けた記憶などないが…いい加減にしつこいソルの残滓を吹き散らす程度のことはやったがのう」

まぁ、結果的に助かっただけって言うのはあるけどね。とりあえず、お礼言いたくて。

「律儀なやつよのう…して、よもやそれだけが理由でもあるまい?」

うん。もうひとつ…というか、こっちが本題なんだけど…

全員で武器を構えてエリスと向き直る。

 

 ──あなたを闇の呪縛から、解き放ちにきた!

 

「…ほほう」

エリスの目がキュッと細まり、紅を引いた唇が三日月のように弧を描く。

「なるほど、正しく正気の沙汰ではなかったと言うことか…面白い。ならば相手をしてやろう。

 

 ──わらわに喧嘩を売ったこと…後悔するが良いぞ。

 

そう言って、エリスが鏡を携えた。

 

 

   −つづく−

 


黒の檻、久々のアタックでしたがもうほぼ忘れてらっしゃるわー

まぁある意味新鮮な気持ちでゲームできてるんので楽しいです。今回は端折りましたが、エリスとの緒戦は6ターンくらい(ログ撮るの忘れた)。

そういえば、デュラハンケルベロスの上位種やワイバーンが雑魚敵に出てくるけど、多分、難易度「まるこげ」だから出てきてるんでしょうね。無印プレイ時はぬるめでやってたから。

 

…ところで、ルナの鍵(もしくはそれに類する物)っていつ手に入ったんでしたっけ?💧