炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【ARCHAIC ACTION】シーン12

 次の瞬間、赤い切先がさらに赤く染まる。ミノの足に備わった黒死・遍朱刀が、リュウの身体をこれでもかというほど衝き貫いていたのだ。

「ぐあぁっ…」
リュウさん!」
 倒れ伏すリュウに、レツが駆け寄る。
「…だ、大丈夫大丈夫」
 引きつった笑い声で、手を貸そうとしたレツを制するリュウ
「“見えて”きたからな……ま、俺に任せてくれや」
 両の拳をぶつけ合わせ、気合を入れなおす。
「フフフ…見えるなどとハッタリを…わが秘伝リンギ・哀闇命澱は、臨獣殿いちのスピードを誇るワザ。目にも止まらぬとはまさにこのこと!」
「臨獣殿いちとは、また大きく出たなノミ野郎。…いいぜ、もう一度かましてみな!」
 よろよろと立ち上がる。その身体は目に見えてボロボロだったが、仮面の向こうの瞳も、全身から溢れる激気も、まだ死んではいない。
「なるほど…そうまでして死にたいですか。お望み通りにして差し上げましょうっ!!!」
 ミノが足の臨気を集中させる。足先の遍朱刀が赤黒く輝き、獲物を狙う牙のようにわなないた。
「秘伝リンギ・哀闇命澱ッ!!!」
「だらぁぁぁぁぁぁっっ!!!」
 驚異的なスピードによる蹴りの応酬が、一本きりの遍朱刀を100にも200にも見せる。その只中にリュウは飛び込み……

  ガシィッ……!

「なっ!?」
「へへ……捉えたぜ」
 鈍い音が響いた次の瞬間、リュウの腕ががっしりとミノの脚を抑え、極めていた。
リュウ、すっげー!」
 ジャンが感嘆の声を上げる。ランとレツも驚きながらもぐっと拳を握り締めた。
「“目にも止まらねぇ”ってんなら、止まるようにすればいいだけさね」
「ぐっ…」
「おっと、やらせるかよ…ゲキワザ・突突掌!」
 リュウの掌底が遍朱刀を根元から折り砕く。刃はひと跳びしたのち地に突き刺さり、そのまま霧散した。
「お、おのれぇ~~~っ」
「んっ…はッ!」
 ミノのどてっ腹に続けざまに裏拳を放つ。怯んだところに今度は蹴りの連撃を繰り出した。
「ゲキワザ・跳跳弾!」
 バック転からの蹴りをミノの顎にヒットさせると同時に、激気で生み出されたゲキビースト・ゲキグラスホッパーのビジョンが追撃し、衝撃を叩き込む。
「ごはあっ!?」
 地面に叩きつけられたミノがよろよろと立ち上がると、ジャンたちトライアングルがそれに立ちはだかる。
「一気に決めるぜ!」
 リュウの掛け声に頷き、ジャンがゲキバズーカを呼び出す。
 赤と青と黄色の激気が、ゲキバズーカを通じて一つに集まる。

  『ゲキワザ・激激砲!!!』

 高められた激気の弾丸が、ミノめがけて放たれる。同時に、脚に激気を集めたリュウがその弾丸を追うように飛び出した。
「合体ゲキワザ・激激弾弾脚!!!」
 激激砲の弾丸に、リュウが蹴りを重ねる。4人分の激気がさらに増幅され、強烈な熱量とオーラを伴う。
「どぉぉぉぉぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 リュウの怒号と共に、爆音が衝撃波と共に大気を揺らした。


  -つづく-

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 一の目、撃破!(違

 さて、いよいよ次回からは巨大戦にシフト。
 というわけで、アイツが出るわけだが…
 文章でアレをどう表現したもんか(滝汗