炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

【マジンガーSS】衝撃! マジンガーZ 対 マジンカイザー -金色の拳と鉄(くろがね)の皇帝-/シーン1

マジンカイザー?」
 オジィちゃんの呟いたその<名>に、甲児はひどく既視感(デジャ・ヴュ)を憶えた。

 改めて眼前の巨大ロボ…<マジンカイザー>に視線を戻す。強烈なまでの覇気をたたえた鉄(くろがね)の巨体は、自身の乗るマジンガーZを一回りほど大きくしたようなものだったが、そのオーラは、それ以上にカイザーを雄々しく、大きく見せていた。

「……!?」

 不意に、カイザーの目がギラリと光る。

『ム、いかん! 避けろ甲児!!』
「!!?」

 十蔵の声が飛び、甲児は咄嗟にパイルダーのハンドルを切る。刹那、カイザーの目から強烈な閃光が走り、空を切り裂いた。

「あ、れは……光子力ビーム!?」
『信じられん……今の威力……マジンガー光子力ビームの最大出力を上回っておった……』

 ホログラフの十蔵の額に、汗が浮かぶ。
「! まだ来る!」

 再びカイザーの目が光り、光子力ビームの雨がマジンガーめがけて降り注いだ。

「こんのぉぉぉぉっ!!!」

 背負う<ゴッドスクランダー>のバーニアを吹かせ、苛烈なまでの閃光の嵐をかいくぐる。

「オジィちゃん! そんなことより、問題はあのマジンカイザーってのが俺たちを狙ってるってことだ!」

 わけの分からぬまま対峙を強制され、わけの分からぬまま墜とされては堪ったものではない。

『どうする気じゃ?』
「どうするもこうするも……向かってくるなら、立ち向かうまでだ!」

 コンソール中央のダイヤルの手を伸ばし、一気に回す。

「光子力っ、ビィィィィィィィィィムッッ!!!」

 マジンガーの目が輝き、2本の光芒がマジンカイザーを狙う。
 と、マジンカイザーもその目を光らせ、光子力ビームを放った。

「…ぐっ!」

 両者の光子力ビームが中間点で激突する。光の鍔迫り合いが、雲に覆われた空に、昼の如き明るさをもたらす。
 が、マジンカイザー側の光子力ビームに、次第にマジンガーが追い込まれていく。激突点は見る間にマジンガーへと近づいていった。

『いかん! 退避するんじゃ甲児! 相手の光子力ビームのほうがパワーは上じゃ!』
「こんなところで…退けないッ! もう一発だッ!」

 一端射出を止め、再度光子力ビームを発動する。2発分の威力がさらに上乗せされ、光の鍔迫り合いは再び元の位置に戻った。
 が、高出力のエネルギーの重なりが飽和状態を生み出す。刹那、両者の間で大爆発が起こり、互いの姿が爆煙にさえぎられ見えなくなる。

「!」

 意を決し、甲児がゴッドスクランダーのバーニアを全開にして爆煙の中に飛び込む。

『何をするつもりじゃ甲児?』
「相手の姿が見えないのはこっちも向こうも同じ! なら!」

 視界を殺す褐色の煙を突き抜けると、すぐ目の前にはマジンカイザーの巨体が見られた。

(デカい! …けど! 戦えない大きさじゃない!)

 かつてはこのマジンカイザーに匹敵する大きさの機械獣とも戦っていることを思い出し、甲児は勇気を振り絞る。

「うおおおおおおおおおっ!!!」

 拳を振り上げ、殴りかかる。カイザーもそれに対するように拳を唸らせた。

 両者の拳が激突し、猛烈な打撃音と衝撃が大気を震わせる。

「まだだぁっ!」

 ついで蹴りが、またも拳が、巨大なボディに似つかぬほどのすばやい肉弾戦が、両者の間で繰り広げられる。

「いくぞっ! ……ルストッ! ハリケェェェェェェェン!!!」

 クロスレンジから、強酸を伴った暴風を口のスリットから放つ。と、カイザーもそれに対するように口から竜巻を放った。

「まだまだっ!!!」

 と、マジンカイザーの右腕が変化し、高速回転を始めた。

「…!」

 次の瞬間、それが巨大なロケットパンチとなり、マジンガーに襲い掛かる。

「なら、こっちもっ!」

 マジンガーのそれよりはるかに大きな拳に対抗すべく、甲児は二つの拳を構えた。


「ロケットォ! パァァァァァァァアァァァンチィッ!!!」




   -つづく-



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 光子力ビーム対光子力ビーム!
 ルストハリケーン対ルストトルネード!

 そしてロケットパンチ対ターボスマッシャーパンチ!


 書いててドキがムネムネですw


 さらに執筆中には真マジンガーの主題歌「守護神-The guardian-」をヘビーローテで。
 これで萌えないほうがおかしい。

 …萌えてどうすんねん。燃えな。