炎部さんちのアーカイブス あるいは永遠的日誌Ver.3

日々是モノカキの戯言・駄文の吹き溜まり

Chapter:2/プロローグ

『本日朝7時ごろ、突然剣菱市内に現れた巨大な骸骨のような生物と、その直後に巨大な甲冑のようなものが出現し、市立高校のグラウンドで暴れるという事件が起こりました。その後甲冑が骸骨を倒すと、甲冑は煙のように消えたとされ―――』

 一日中、ほとんど同じ内容のフレーズがテレビから流れていた。

 チャンネルを変えると、やはり同じ内容が放映され、近所の商店街の住人や、高校の生徒たちが興奮したり恐怖したり、さまざまな面持ちでインタビューに答えていた。


「……なにがなんだか……」

 誰ともなしに呟き、テレビを消す。

 消える寸前、画面に一瞬映っていた巨大な甲冑を見る。……“彼”が<シュ・ヴェルト>と呼んだそれに乗り、巨大な骸骨の化け物を倒したことは、夢ではないのだと、まひるは改めて実感していた。

 とはいえ、疑問は残る。
 アレがなんなのか。

 なぜ、何年も前に行方知れずになっていた“彼”が、突然帰ってきて……アレに乗っていたのか。


 何より最大の疑問は……




「いや、すみません朝子さん。お風呂までいただいちゃって」
「いえいえ~。困ったときはお互い様ですもの」



 なぜその彼…通之介が、我が家に居ついて風呂まで入っているのか、である。


「あ、あのねぇ!」
「…ん、どうした? まひる

 抗議の声を上げようとしたとたん、きょとんとした視線を向けられ、言葉に詰まる。

 10年ぶりに再会を果たした幼馴染は、当時の面影をほのかに残し凛々しく成長していて……思わず胸を高鳴らせてしまう自身に、驚きと戸惑いを隠せないまひるであった。

「……な、なんでもないわ…よ……もぉっ」
「?」

 首をかしげる通之介の後ろで、朝子がくすくすと笑っていた。



 ・
 ・
 ・


「……で、さ」

「ん?」


 リビングに集まり、紅茶をすする通之介と三姉妹。
 ふと、まひるが通之介に声をかけた。


「なんで……その、突然帰ってきたわけ? しかも……私の部屋に……」

 そういえば、突然抱きつかれたんだっけ。
 今朝のことを思い出し、顔が熱くなるまひる

「…いや、それがさ。さっぱりわかんないんだよな」
「はぁ?」

 首をひねる通之介に、まひるが目を丸くした。

「ボーンゴーレム…今朝、俺とまひるで倒したアレな……そいつを追っかけてたら、なんかへんな連中に襲われてさ。そいつらがすげー強くて、ボコボコにやられて、こりゃマズいな…って思ってたら……」
「ちょ、ちょっと待って!」

 通之介の言葉を慌ててさえぎる。

「何?」
「いや、何じゃないわよ。あんたいったい……どこから帰ってきたわけ?」

「……ああ、そういや言ってなかったな」

 まひるの疑問に、ぽんと手を叩いて得心する。

「信じてもらえるかどうかはわかんないけど……」

 そう前置きをして、深呼吸を一つ。


「俺は、この<世界>の裏側から来た。……いや、帰ってきた…だな」


 すっ、と右手の人差し指で、床…地面を指し示して、通之介はそう言った。





     聖魔戦記シュ・ヴェルト
     Chapter:2 -裏世界<りせかい>-




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 チャットでつらつらと異世界ファンタジーについてダベってたらこっちのネタが浮かんでしまったw


 ま、いいかw



 今回は説明メインのエピになること必至w
 飽きられないようにせねば……ねば………