『本日朝7時ごろ、突然剣菱市内に現れた巨大な骸骨のような生物と、その直後に巨大な甲冑のようなものが出現し、市立高校のグラウンドで暴れるという事件が起こりました。その後甲冑が骸骨を倒すと、甲冑は煙のように消えたとされ―――』
一日中、ほとんど同じ内容のフレーズがテレビから流れていた。
チャンネルを変えると、やはり同じ内容が放映され、近所の商店街の住人や、高校の生徒たちが興奮したり恐怖したり、さまざまな面持ちでインタビューに答えていた。
「……なにがなんだか……」
誰ともなしに呟き、テレビを消す。
消える寸前、画面に一瞬映っていた巨大な甲冑を見る。……“彼”が<シュ・ヴェルト>と呼んだそれに乗り、巨大な骸骨の化け物を倒したことは、夢ではないのだと、まひるは改めて実感していた。
とはいえ、疑問は残る。
アレがなんなのか。
アレがなんなのか。
なぜ、何年も前に行方知れずになっていた“彼”が、突然帰ってきて……アレに乗っていたのか。
何より最大の疑問は……
「いや、すみません朝子さん。お風呂までいただいちゃって」
「いえいえ~。困ったときはお互い様ですもの」
「いえいえ~。困ったときはお互い様ですもの」
なぜその彼…通之介が、我が家に居ついて風呂まで入っているのか、である。
抗議の声を上げようとしたとたん、きょとんとした視線を向けられ、言葉に詰まる。
10年ぶりに再会を果たした幼馴染は、当時の面影をほのかに残し凛々しく成長していて……思わず胸を高鳴らせてしまう自身に、驚きと戸惑いを隠せないまひるであった。
「……な、なんでもないわ…よ……もぉっ」
「?」
「?」
首をかしげる通之介の後ろで、朝子がくすくすと笑っていた。
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「……で、さ」
「ん?」
「なんで……その、突然帰ってきたわけ? しかも……私の部屋に……」
「…いや、それがさ。さっぱりわかんないんだよな」
「はぁ?」
「はぁ?」
首をひねる通之介に、まひるが目を丸くした。
「ボーンゴーレム…今朝、俺とまひるで倒したアレな……そいつを追っかけてたら、なんかへんな連中に襲われてさ。そいつらがすげー強くて、ボコボコにやられて、こりゃマズいな…って思ってたら……」
「ちょ、ちょっと待って!」
「ちょ、ちょっと待って!」
通之介の言葉を慌ててさえぎる。
「何?」
「いや、何じゃないわよ。あんたいったい……どこから帰ってきたわけ?」
「いや、何じゃないわよ。あんたいったい……どこから帰ってきたわけ?」
「……ああ、そういや言ってなかったな」
まひるの疑問に、ぽんと手を叩いて得心する。
「信じてもらえるかどうかはわかんないけど……」
そう前置きをして、深呼吸を一つ。
「俺は、この<世界>の裏側から来た。……いや、帰ってきた…だな」
すっ、と右手の人差し指で、床…地面を指し示して、通之介はそう言った。
聖魔戦記シュ・ヴェルト
Chapter:2 -裏世界<りせかい>-
Chapter:2 -裏世界<りせかい>-
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ま、いいかw
今回は説明メインのエピになること必至w
飽きられないようにせねば……ねば………
飽きられないようにせねば……ねば………